
私がプロを目指す、と旦那や両親に話した時、反
対はされなかったけど、応援はしてくれなかった。
どちらかというと、呆れて、何を言っても無駄だ、
みたいな空気があった。どうせその内諦めるだろ
う、みたいな感じだった。まあ当然だと思う。
日本では、舞踊家は社会的地位もなければ、安定
した収入と将来の保障だってない。誰だってそん
な道を進むことに喜んで応援はしてくれないだろ
う。 そんな家族に理解してもらうには、とにかく
頑張って努力する姿を見てもらうしかない。だか
ら発表会がある時は、親も含め親戚にも観に来て
もらっている。舞台の上の私の踊りを観れば、彼
らの態度が変るからだ。特に変化があったのは、
全国の地方新聞に私の記事が掲載されてからだ。
親戚も含め、両親や旦那が応援してくれるように
なってきた。
実を言うと、今年の1月にタブラオで踊れるチャン
スが2度もやってきた。この話があった時に、旦
那も両親も応援してくれた。とても嬉しかった。
チャンスの内のひとつは、時期的に悪かったし、
美香先生にも反対されたのでやめた。そしてもう
ひとつは、赤字覚悟のライブで、メンバーの気持ち
がまとまらず、これも断念した。そして、ふたつ共
ダメになった話をしたら、母に「あら、今は下積み
なんだから赤字でもやらなきゃだめじゃない。」と
怒られた。(理由は他にもいろいろあるけど、そ
の話はまた後日します)
今ではこんな感じで応援はしてもらっているけど、
それでもまだ旦那と両親には気を使う。去年から
スペインに留学したくてうずうずしていて、やっと
今年の2月中旬から1ヶ月仕事を休むことができ、
今週の土曜日からスペインに行けることになった時
も、だ。旦那に留学の話をしたら、「また1ヶ月も
行くんかい?」と呆れてげらげら笑われた。そして
「お前、ケチって安い危ないホテルにだけは泊ま
るなよ。ホテル代くらいだしてやるから、ちゃんと
した所に泊まれ。」と何度も注意された。旦那は
本当に私のことをよく知っている。とても感心す
る。私はケチれるところはケチって、その分を全て
レッスン代にあてているからだ。 両親にはぎりぎ
りになるまで留学の話はしなかった。何となく言
いづらかったからだ。でも無駄な心配で、留学の
話をしたら「あら、やっぱりね。そろそろスペイ
ンに行くんじゃないかって思ってたのよ。」と母
に言われた。私の母からこんな言葉がでてくるな
んて、昔じゃ考えられないことだ。人間変れば変
るものだ。 家族が心から応援してくれると、精神
的に安定して頑張れる自分がいる。
本当にありがたい。
2001.02.16.
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