
前回の東京の発表会で私に課せられた課題は、
1.軟らかい身体の動き
2.重心の安定とバランス
3.自分のフラメンコの模索
4.リズム感の安定
5.サパテアードの音質
だった。美香先生やギタリストや友達や家族に言わ
れたり、自分で発見した課題だ。これを意識しなが
ら、次の神戸での発表会のソロ曲、アレグリアスを
練習した。
1と2の軟らかい身体の動きと重心の安定はバレエの
レッスンから多くを学んだ。もちろん、美香先生と
ナオミ先生からも。それと自分の踊りをビデオに
撮って、上手な踊り手と自分の踊りの違いを比較し
てみた。その違いは、例えば腕を下から上にあげる
動作ひとつにしても、上手な踊り手は10のポイント
をきれいに通過するのに対して、私は5くらいのポ
イントしか通過していなかった。残りの5のポイン
トがないから、踊りに深みがない。自分の踊りを
スローモションで研究しながら、細かいところを
ひとつひとつ直していった。
3の模索は、どんな踊りをするのかコンセプトを
いろいろ考えてみた。いろんな人の踊りをみて、
自分はどんなアレグリアスを踊ろうか悩んだ。
私にとってのアレグリアスは”生きる喜び”そし
て”踊ることの幸福、楽しさ”だ。観に来てくれ
た人に生命の活力と踊る楽しさを感じてもらえる
ようコンセプトをまとめてみた。
4のリズム感と5の音質はメトロノームに合わせて
パソの練習をしながら、それをテープに録音して自
分のリズムや足の音質を客観的に研究してみた。
それと、いろんな踊り手のライブを観に行ったり
ビデオで観たりして、リズムのテンションのかけ
方を研究した。
こうして、11月4日に行なわれた神戸のピアッツア
ナオミ フラメンコ教室発表会に臨んだ。スランプ
から脱した後で踊るのがとても楽しかったし、練習
も十分したのでリハーサルも問題なかったし、それ
なりの自信はあった。 でも、そんな自信も本番の舞
台の上で全て消えたのだ。
続く
2000.12.04.
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