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芭蕉「おくのほそ道」の旅
金森敦子著 角川書店
左の週刊雑誌の地図がすべて収録されているので、これ1冊でも十分役に立つ

週刊 おくのほそ道を歩く
2003年5月から10月にかけて発行された週刊雑誌。全30冊。角川書店発行

新装版 今昔三街道独案内
日光・奥州・甲州 (他に日光壬生道、日光例塀使街道も収録)
今井金吾著
JTB出版 新装版2004年発行


姉妹版として
今昔東海道独案内
今昔中山道独案内
が同じ出版社から新装版で発行されている

歴史街道トラベルガイド
中山道の歩き方(全6分冊)
児玉幸多監修
学研 2001年発行

歴史街道ガイド
東海道五十三次を歩く
(全5分冊) 児玉幸多監修
講談社 1999年発行

Q7.旧街道を歩きたいのですが、どれが旧街道の道筋かわかりません。旧街道がわかる地図があったら教えてください。

A7.これは旧街道歩きのいちばん基本的で大切な質問ですね。たしかに一般の地図にはどれが旧街道かというようなことは書いてありません。これを知るためには、ガイドブックの地図を参照するかあるいは関連の参考書をもとに自分で一般の地図に書き込むしかありません。
私が実際に歩いた東海道、中山道、甲州街道、奥の細道について具体的に説明しましょう。

東海道および中山道
 この街道については、「歴史街道ガイド 東海道五十三次を歩く(5分冊)」(児玉幸多監修 講談社)および「歴史街道トラベルガイド 中山道の歩き方(6分冊)」(児玉幸多監修 学研)という立派なガイドブックがあります。詳しくは参考書をご覧ください。
日本橋から京都三条大橋まで、2万5千分の1地図に旧街道を赤色で明記した図が載っているので、実際に歩く場合にはこれだけで十分です。適当な分冊になっているので、携帯にも便利です。私もほとんどこれだけを頼りに歩き切りました。
ただし、発行年度が「東海道」が1999年、「中山道」が2001年と少々古くなったので、最近の書店には並べられていないことが多いようです。両街道を歩く場合には、書店に注文してでも買い求める価値があります。自分でこれだけの地図をそろえるとなったら、何倍もの労力と費用がかかるでしょう。
甲州街道、日光街道、奥州街道、日光壬生道、日光例幣使街道
 これらの街道については、「新装版 今昔三道中独案内 日光・奥州・甲州」(今井金吾著JTB出版)という名著があります。これは昭和53年に初版が出ましたが、その後平成16年に新装版として再登場し、購入しやすくなりました。ただし、これも一般の書店にはあまり置いていないかもしれません。詳しくは参考書をご覧ください。
この本にも2万5千分の1地図に旧街道を赤色で明記した図が載っているので、これをもとに歩くことができます。ただし、この本は1冊でたくさんの街道が収録されており、分厚くなっているので携帯には不向きです。そこで、少々手間はかかりますが、この本の地図をもとに自分で一般の地図上にマーキングして、その地図を持ち歩くことをお勧めします。見所などを記入しておけば見落としもなくなるし、事前の勉強にもなります。
奥の細道
 ご承知のように「奥の細道」というのは松尾芭蕉が東北、北陸地方を旅した紀行文の題名で、このような名称の街道はありません。具体的な街道名でいえば日光街道、奥州街道、羽州街道、出羽街道、北国街道などが主な道筋です。芭蕉が本文に記した場所についての地図や解説書は昔から多数出版されていますが、「奥の細道」としてすべての道を網羅した地図というのは今までなかったのではないかと思います。私が「奥の細道」を歩こうと思い立ったとき、ちょうどタイミングよく「奥の細道を歩く」(角川書店)という週刊雑誌が発売されました。また、後を追うように「芭蕉おくのほそ道の旅」(金森敦子著 角川書店)という本も発行されました。詳しくは参考書をご覧ください。
これらの本には、奥の細道のすべての道筋を網羅した地図が掲載されています。ただし、この地図はかなり大雑把なので、これだけをもとに歩くのはちょっと厳しいものがあります。そこで、私はこの地図をベースにして自分の地図を作成することにしました。

具体的には次のような方法をとりました。
 @PC地図を開き、本に記された「奥の細道旅のルート」に該当する現在の道があるかどうかを確認する。該当する道がない場合には、できるだけ近い道を選定し、一つ一つ確定してゆく。この場合、あまり細部にはこだわらず、できるだけわかりやすい道、たとえば県道○号線などという道を選定するようにしました。
 A見やすい範囲に区切ってPC地図をプリントアウトし、地図上に道筋をマーキングする。できれば主な見所なども簡単に記入しておく。一日の行程分として、プリントアウトする地図は全体図、詳細図など4、5枚になることが多い。
 Bあとは実際に歩いてみて、いかにも旧道らしい道など見つかれば適宜そちらに乗り換えたりします。「奥の細道旅のルート」自体あくまでも推定のものですし、あまり細部にこだわる必要はないというのが私の考えです。


(参考) PC地図について
PC地図はいくつかの種類があるようですが、私は「ゼンリンデータコム デジタル全国地図」というのを使っています。これはインターネットでつないで使用するので、いつでも最新のデータが見られるというメリットがあります。全国が網羅されているし、概略図から詳細図までズームが自由自在にできるのもうれしい機能です。パッケージ価格が1980円、その後1年ごとに継続価格が1980円かかりますが、一度使い始めたら他の地図はほとんど使う必要がなくなります。歩き旅には絶対おすすめです。

以上をもって、「よくある質問」はひとまず終了いたします。これまでに取り上げたこと以外にも質問があるようでしたら、ぜひメールでお知らせください。必要に応じて今後とも追加してゆきたいと思います。