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(人物像と誕生した時代背景)

(石田梅岩とはこういう人物です)

石田梅岩」という人がどんな人物かを紹介させて頂きます。1685年に現在の京都府亀岡市で農家の次男として生まれ、11歳で京都の商家に奉公にでて、番頭にまで出世しました。この間本業のかたわら、儒教や仏教などを、ほぼ独学で学び、人並みはずれた努力で、それぞれの良いところを取り入れた独自の思想(石門心学)を生み出し、45歳でリタイアし、自宅で無料の講座を開き、富や名声を求めることもなく、60歳で亡くなるまでの約15年間、老若男女を問わず、受講者に対し、Q&A方式で、人間としての生き方を説きました。
周知の通り、江戸時代は士農工商という身分制度により、商人は一番下とされていましたが、それは、直接生産に携わらず、左から右へ商品を動かすだけで、利益を得る楽な職業としてみなされていたためのようです。現在なら流通により利益(手数料)を取るのは当然のことと考えられています。梅岩は、商品の流通に際して、手数料を取ることは、武士が俸禄を得るのと同じ事であるとし、商業の社会的な存在意義と正当性を説き、自分の仕事に自信をもつよう励ましました。また、梅岩の生きた時代背景として、一部の商人に莫大な富をもたらす一方で、消費者である武士や庶民は、インフレに苦しみ生活苦を強いられおり、現代と大変よく似ていると言われており、梅岩の考え方は、現代にも通じるものとしてその普遍性や先見性が見直されています。


(石田梅岩が人生で重要と考えた3つの教えとは)

倹約

石田梅岩が考える倹約の具体例

1.親戚の会合での食事を質素にする!  2.経済的に困窮した仲間を助ける!

3.よく働く丁稚(社員)にボーナスを弾む!   4.食べ残しを出さない!

5.古い縄や畳縁を別の用途に使う!

 上記は、梅岩の著書の一つである「斉家論」で具体的に語った倹約の例です。梅岩は、倹約を、「物の特性を正しく発揮させること」と捉えているようです。つまり、
@物(人)の特性(本性)をよく理解して、A自分のためではなく、社会のために、B本性(消費や時間の経過等により変化した場合は、可能な限りその変化にも対応して)を役立てることをあらゆる場面で工夫し、実行すべきとしました。従って、金銭面では支出となる上記2.や3.についても倹約につながると考えています。これらを行うことにより、本性を取り戻したり、本性をさらにUPさせることができると考えたものと思います。

●勤勉

「働きながら、職分というものを追求する!」

職分とは、職業の本分、本質のことです。中高生の時に、「学生の本分は勉強することだ。」と、先生から言われたように思います梅岩自身も、呉服商として、時には客から、理不尽なクレームを受けたり、上司から叱られたりしながら、店のために、朝から晩まで、忙しく働き続けている自分の仕事にどんな意味があるのか、悩んだ時期もあったのではないかと思います。このような実体験を通じて、常に最善の努力を尽くして、真面目に働くことで、自分の職分に気付けば、仕事の醍醐味や、やりがいを実感(創意工夫する楽しみなど)できることになり、苦労も多いが、精神的な安らぎや充足感を得ることができると説きました。

●正直

「自分から他人の誠実さや不誠実さがよくわかるのと同じで、他人からも自分の誠実さや不誠実さがよくみえるものである!」

上記の言葉は商売に限らず、人間関係において、全ての局面で当てはまるものと思います。梅岩は、商いにおいて、事実を隠したり、必要以上に儲けるための嘘や不誠実な行為を諌めました。長い目で見れば、これらが結局、評判を落とし、衰退を招くと考えたからです。目先の利益を追い求めず、永続的な繁栄を目指すためには、正直が何より大事であり、信用を得る第一条件であると説きました。昨今、大企業等による、品質虚偽表示、粉飾決算、法令違反、コンプライアンス違反等の不正が頻繁に報道されおり、それらが発覚した企業は、一夜にして信用を失墜し、業績や企業価値の低下を招いています。国家のシステムの変遷があっても、正直の大切さの、普遍性は変わることがないことを思い知らされます。

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