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2007年8月19日

近況

帰宅して、エアコンの設定温度を28度にしたが、いつまでたっても涼しくならない。 1時間後、あと1度くらい下げてもいいだろうとコントローラを見たら、 暖房設定になっていた。

一応元気です。


2007年8月20日

いしいひさいち,峯正澄『大問題'07』(創元ライブラリ)

2006年の世相を切り取った4コマ漫画集。

安部首相ネタが面白くない。 読みながら、漫画が面白くないのか安部が面白くないのか考えていたら、 一駅乗り過ごした。

07年、安部政権は末期症状を呈していた

(本書 p.55)

皮肉が現実になりかけ、という意味で、上記引用に続く漫画は笑えたが。

安部以外は、小泉も森もブッシュジュニアも金総書記も渡邊恒夫も、普通に面白かった。 (以上、敬称略)


2007年8月21日

リチャード・ドーキンス/垂水雄二 訳『悪魔に仕える牧師』(早川書房)

本書は、私がここ二五年間に発表した(未発表のものもある)すべての記事や講演、 感想や論争、書評や序文、弔辞や頌徳の辞のなかから、 編集者であるレイサ・メノンが選びだした文章から構成されている。 ここには多様なテーマがあり、あるものはダーヴィニズムや科学一般に由来し、 あるものは道徳に関連し、あるものは宗教、教育、裁判、科学に関係し、 あるものはひたすら個人的な関心にかかわるものである。

(本書 p.9「著者覚え書き」)

『神は妄想である』の前に読んでおこうと思い、手にとった。

進化論、遺伝子論について、私の知識が足りないため、 文によっては読みおえるのには時間がかかったが、 「情報への問題提起」(pp.163-183)での創造論者とのやりとりなど、 自分になじみのある分野に引き付けて読めるものはとても楽しめた。

とはいえ、単語の意味ひとつひとつに引っ掛かるほど知識が不足している人間には、 楽しめるほどの速度では読めない文章もあると思う。

『神は妄想である』の内容に繋がると思われる 「立ち上がるべきとき」(本書pp.283-282)には、 ダグラス・アダムスの演説の一部が引用されている。 彼の名は、この本の前に読んだ『セキュリティはなぜやぶられたのか』にも出てきたので、 面白いなと思った。


2007年8月26日

別の本で息抜き

『悪魔に仕える牧師』があまりに進まないので、息抜きとして別の本を合間に読んだ。 結果、ますます進まないのだった。

以下、合間に読んだ本の題名と感想を書いておく。(かなり忘れているが)

金子雅臣『職場いじめ』(平凡社新書363)

この手の本を手にとる人間は、いじめられている側だろう。 自分に原因があるわけではないと知るために読むなら1章、 何らかの解決方法を求めて読むなら5章、 他者に相談したいが迷っているなら同章6節を読むといいのではないかと思う。

本書の第5章は「相談屋が教えるパワハラ撃退術」となっているが、 劇的な解決方法を期待をして読むと、がっかりするだろう。

ただし、同章6節の「自分だけで抱え込むな」は、 適切な対応策として読めると思う。 (当然、万能薬ではない。 そのあたりは自分で読んで、判断するしかない)

1章「苛立つ職場」で取りあげられる「いじめ」の実例は、 興味深かった。

いじめる側は、自分「たち」がいじめているとは思っておらず、 手段として多少やりすぎたが、動機は真っ当であると主張する。 悪いのは「いじめ」られる側の態度・行動にあるのというわけだ。 だからこそ、自らの動機を問われ、いじめであると言われると、逆切れする。 「いつまであやまればいいのだ」とか「じぶんはわるくない」とか。

淡々と綴られる両者の言い分を読んで、 自分の行為を他者の視線で見ることが出来ない人間が力を持つと厄介だなと思った。


2007年8月27日

田村理『国家は僕らを守らない』(朝日新書039)

小田中直樹[本業以外]ネタ帳の2007-05-08 の紹介を読んで、手にとった。

とても面白かった。 とっつきにくい「憲法」について、とっかかりを与えてはくれるが、 不必要なほどわかった気にはさせない内容だと思う。

本書p.222からの「4.立憲主義を貫く方法は?」に続く「憲法9条を改正して(以下略)」 は、とても痛快だった。 言われなければわからないのならはっきりと言おう、と読めたからである。

熱湯浴(誤変換ではありません)

魔法瓶を手に持って、沸かしたお湯を薬缶から注いでいたら、 間違えて左手の甲から手首の裏側に浴びせてしまった。

これが本当の熱湯浴か、と思いつつ、 4時間ほど水をかえながら冷やす。 ひどい日焼け程度にはなったが、お湯や室温まで暖まった水があたると痛い。

風呂に入って、体を左手で洗っていたことに気付いた。 手があまりに痛いので、昨日今日と右手で洗ってみたが、なんとなく変な感じだ。 思いのほか左手を使っているものだと思った。


2007年8月30日

クリストファー・プリースト/古沢嘉通 訳『双生児』(早川書房)

全体を通しての印象は「爆撃」小説。爆撃する側とされる側、落ちる側と燃える側。

面白かった。

歴史にも地理にも疎いので、p.225に出てきた固有名詞に「え?」と思うまでは、そうだと気付かなかった。 こうなると疎いどころの話ではないが、 「何がそうで、何がそうでないのか」全く分からない為、手探りで読めるのがかえって楽しかった。