1. トップ
  2. 創作TRPG紹介
  3. キャプテン・ラブTRPG
  4. 第1章

第1章 キャラクター・シート

5) 人間関係

本作では「ラブ・ラブ」を主題にした論撃をメインに扱っており、また論撃を最も必要とする舞台装置としてラブコメを想定しているため、キャラクターの人間関係、ことに恋愛感情については極めて重要です。

本作では人間関係を次のように規定します。非常にあくの強い設定の上、システムの根幹に関わってきますので、熟読してご理解願います。

まず、全ての人間関係を一方通行のものと規定します。

たとえば、恋愛関係にある1組の男女を想定したとき、男性は女性に対して「恋人(彼女)」という関係を保持します。一方、女性は男性に対して「恋人(彼氏)という関係を保持します。一方通行がペアになることでカップルとして成立するわけですが、システム上はあくまで一方向の矢印2本(←と→)として扱い、「恋人同士」のような両方向の矢印(⇔)としては扱わないことに留意してください。

というのは、人間関係は「片想い」のことがあるからです。一方は相手を「恋人」だと思っていても、相手は便利に利用しているだけだったり、あるいはもっと純粋に、異性を見初めて恋心を一方的に抱いても、相手にされなかったりといった状態です。

【片想い】はシステム的には、「自分が相手に対して人間関係を保持しているのに、相手は自分に対して人間関係を保持していない、あるいは別の関係を保持している」状態をいいます。たとえば、男性が女性に対して「想い人」の関係を持っているのに、女性が男性を「親友」と見ている場合、一般的な言葉では男性が女性に対して「片想い」となりますが、本作では男女いずれの側から見ても【片想い】と表現します。女性側から見れば、男性が自分に対して保持する人間関係を「親友」に変換させようとするからです。

また、人間関係があくまで一方通行の矢印なのは、相手の心の中までは覗けない、という理解にも基づきます。各プレイヤーは原則的には自分のPCの人間関係シートしか確認することはできません。NPCや他のPCが本心で何を考えているのかは分からないのです。相手の心のうちは、その態度から類推するしかありません。

最も分かりやすく、シナリオでも最も頻繁に扱うであろう恋愛感情を中心に説明しましたが、人間関係は恋愛関係だけではありません。親友、好敵手、敵、師弟なども考えられますが、相手への思いを表す最も適切な語彙を、プレイヤーやGMが選んで構いません。「幼馴染」や「親代わり」など、人間関係は多彩です。

さて、ここまではキャラクターの内面に発する、心理的な人間関係について触れてきましたが、人間関係はメンタルなものだけではありません。親子兄弟といった血縁関係や、学校の先輩後輩、上司と部下といった関係は法律的あるいは社会的に規定され、好むと好まざるとに関わらず、逃れることができません。こうした関係は【外面的関係】として、これまでに触れた【内面的関係】と区別します。外面的関係はキャラクター・シートには記入しません。内面的関係の【清算】はメンタル的プロセルだけで可能、つまり極言すればいつでもできますが、外面的関係の清算は法律的な対応をする必要があったり、親子関係など死ぬまで清算できないものもあります。

また、外面的関係と内面的関係が重複する場合があります。たとえば学校のクラブ活動などの「先輩・後輩」といった関係では、社会的身分としての先輩・後輩関係にとどまらず、「クラブの先輩として尊敬に値する人物」、「面倒を見てやりたくなる可愛い後輩」という感情のこもった関係が成立しうるのです。特別な先輩、特別な後輩ともいうべきもので、こうした関係はシートに記入の上、通常は内面的関係として判定処理します。

たとえば、「夫婦」は外面的関係ですが、「恋女房」は外面的関係を包摂した内面的関係です。このような場合、内面的関係が清算されても外面的関係は残ります。倦怠期に入って、ほとんど会話を交わさなくなっても、離婚はしていない状態です。

さらに言えば、外面的関係と内面的関係が矛盾することもあります。大学サークルの先輩だけど嫌な奴、ライバル会社の社員だけど恋人、といった関係です。この場合、判定処理上では内面的関係を優先することになります。

人間関係は基本的にはロールプレイの指針として扱いますが、ルール上は次に説明する3つの使い方があります。これらにはいずれも、その人間関係への感情の強さを表す【関係強度】を用います。新たに取得した人間関係の関係強度は1から始まります。関係強度は【関係強度補数】が一定に増減した場合に増加・減少します(詳しくは第5章参照)。

第1が、【アプローチ判定】や【関係の確認】へのボーナス。関係のある相手に対し、その関係に即した行動をとる場合、行為判定に関係強度がボーナスされます。ただし、論撃では使えません(論撃では後述する【魂の履歴】がほぼ同じ役割を果たします。詳しくは第4章)。

第2が、メンタルガードの回復です。自分が関係を持っている相手から、その関係に即した行動、すなわち【関係の確認】をされた場合、MGが自分の相手に対する関係強度分だけ回復します。この場合、「自分が相手に対して持っている関係」に応じた行動を「相手が自分に対して」取った場合に限定されることに注意してください。このとき、自分と相手の間の人間関係は【両想い】になっていることが必要です。

第3が、メンタルガードの【余力】です。アプローチ判定でMGが0以下になった場合でも、相手が成就させようとしている関係に矛盾する関係を保持している場合、その関係の関係強度がMGの「余力」として扱われ、MGがマイナスで当該関係強度を下回らない限り、陥落しません。

外面的関係の場合、関係強度を1としてこれらの使い方をすることができます。ただし、矛盾する内面的関係を持っている場合は、外面的関係を使うことはできません。

また、人間関係は多くても関係強度の合計が5点までしか保持することはできません。1つの関係については、関係強度の上限は3点です。

前へ

次へ

キャプテン・ラヴTRPGトップへ戻る