ダブリン日記 8/21

ライブの後、ホテルに戻ってからはまたもや大宴会。もうすでに12時をまわって21日。ママたちも戻ってきてハイテンション。アコギの伴奏でリジーナンバーが何曲も出てきて、みんなで熱唱。いろんな国からきてる中高年なみなさん、気分は一気に当時に戻っているようでした。4時前には部屋に戻る。もう時差ぼけで意識朦朧。バタンキュー。
 
朝起きてから食堂に降りていくと、元気いっぱいのママがファンと朝食中。この後チェックアウトして、SUTTONの自宅に戻るそう。疲れてるだろうなぁ、と少々心配なのだけれど、ママたちが自宅に戻ったころに、おじゃまする予定にしてある。まぁ、今日はそんなファンで多いことはご本人たちも覚悟してるでしょう。

いまにも雨がふりそうな曇り空。こういう天気は、ああ、やっぱアイルランドにいるんだなと思わせる。フィルのお墓参りとママの家に向かうべくDARTに乗る。まだお昼だし、時間があるので、SUTTONの隣の港町、HORTHまでいってふらふらすることにする。とはいっても結局雨が振り出し、雨足が強くなってきたのでパブで一杯。ここのスモークサーモンと白身の魚のフライはおいしかった(フィッシュ&チップスではなく、パン粉をつけてささっと揚げたという感じのもの)。

雨はやむ気配まったくなし。しょうがないので、タクシーを拾って、墓地へ。墓地の前で花を買う。ここももう何回来たんだろう。ダブリンに来て、ママの家に行く前には必ず寄る。夏に来たのは5年前、あとはいつも冬。広い緑地の墓地はやはり夏に来ると気持ちがいい。フィルのお墓は墓地のかなり奥まったところにあるんだけれど、たくさん花が備えてあるので、ある程度の場所までくるとだいたいわかる。「また来たよ、フィル!銅像おめでとう」。今回はとくに花が多かった。毎日たくさんファンが来てるから。薔薇の花に黒いスプレーで着色したお約束の「黒薔薇」も。しばらくすると他のファンもやってきて「ハーイ」。「hello,phil」なんて言ってる。みんな同じこというんだね。しばらくして、ママの家に向かう。いつも家に行くときは、お墓でママやグラハムと待ち合わせして、車や近道を歩いて家まで連れてってもらうんだけど、今日は仕方がないので、わかりやすい海沿いの大きな道に出るべく歩く。

花でいっぱいのフィルのお墓 雨のセント・フィンタンズ墓地

   

30分ほど歩き、ママの家にいくと案の定、ファンでいっぱい。
そんななかでも、いつもどうりママのパートナーのデニスや愛犬レディがお出迎えしてくれる。普段はママがミルクティーを入れてくれるんだけど、今日はファンとおぼしき女性が「紅茶でいい? どちらから? 私この間京都にいったわ」なんていって紅茶をだしてくれる。後から聞くと昔ファンクラブを主催していた有名な人だったらしい。

リビングにはツアーケースに入ったフィルのベースがあって、みんなで入れ替わり立ち替わり記念撮影。銅像除幕式の写真、新聞記事、それから昔のフィルのアルバムなどをみて、みんなでおしゃべり。ママはみんなに頼まれてTシャツや本にサインするので大忙し。家の中に入りきらない人たちは、裏庭で持参した缶ギネスを呑んでいる。あとからあとからファンがやってきて、なんだか申し訳ない気がしてきたので、2時間ほどでおいとま。

外に出て改めて家を見ると、ママの家にdublin tourismの看板が掛けられている。詩人でありミュージシャンであるフィル・リノットの家、みたいなことが書いてある。改めて観光スポットに指定されたようっす。もともとママはファンが来るのを大歓迎しているから、指定されようがされまいが関係ないんだろうけど、ファンは行きやすくなったといえるでしょう。もし、フィルのお墓まで行ってみようという方、フィルにゆかりの品々、写真がたくさんあるママのお家も是非訪ねてみてください。

ママの家からsutton駅まで小一時間歩く。

ダブリンに戻って夜はスマイリーと会う。フィルの銅像のあるところのパブが待ち合わせ場所。もう夜も8時すぎなんだけど、まだ明るい。スマイリーは、銅像の向かいのパブの前の路上でギネスを飲んでいた。フィルの銅像をいろんな人が立ち止まって見ていく。もちろん記念撮影も多い。台座に乗っちゃう人も多くて、スマイリーなんかは「この台座で大丈夫か」なんて心配そうに見ていた。

なんとここでは2年前のvibeで会ったイタリアの雑誌「メタルハマー」のニックに再会。やはりVIBE見に来るような人は、今回のイベントをはずすわけないよなぁ。リジィファンの熱心さに感心。
 スマイリーの話は今度のVIBEにlizzy boysに来てほしいという話だった。フィルが亡くなって20周年というタイミングでVIBEを6日間のツアーイベントに拡大することを考えてる彼。いろんな国のバンドに来て欲しい様子。最初は、ロボ、2回目はミッジ・ユーロと共演させてくれたりと、いつもlizzy boysにはおいしいチャンスを与えてくれる。はったは「I need you」なんて言われてた。しかし、日本からは遠い……。スマイリーもさすがにメンバーみんなの航空チケットまで出せそうにないので、そうそうこちらも簡単に返事はできない。うれしい話なんだけどねぇ。今度はいつvibeに行けるのか……。

3泊5日という短い間だったけれど今回、ダブリンに行って本当にうれしかったのは、LIZZY BOYSをけっこう覚えていてくれた人が多かったことだった。いろんな国のファンが声をかけてきてくれた。VIBEのときももちろんそうだったし、「にわかスター」な気分を味わえたわけだけど、それから2年もたっててもちゃんと覚えていてくれる人がこんなにいたなんて!。同じようにフィルの音楽を愛してやまない他の国のトリビュートバンドと会い、お互いの近況を話す。とても得難い体験ができているなぁと再確認したダブリン行きだった。ほんとにLIZZY BOYSは幸せ者です。各国の温かいリジィファンに忘れられないうちに、またダブリンに行って演奏してほしい。
この1年ほどライブはお休み状態でしたが、これからももちろん日本でライブをやっていく予定なので、みなさんどうぞ温かく見守ってやってください。

Introduction 『ダブリン日記 8/19』 『ダブリン日記 8/20』