ディオラマ展開

 

 2000年春のおもちゃショーから、アニメの名場面再現したディオラマは、各種ゾイドイベントではお馴染みとなりつつあるもの。このゾイドワールドにも、例外無く展開されている。

 お馴染みのゴジュラスの出撃シーンや、首都攻防戦のゴジュラスとシールドラガーの戦隊行動シーンなど、同じように再現されていた。

 今回このゾイドワールドのディオラマ展開で注目したいのは、レッドリバーの戦いの再現が、2分割されていたことである。おもちゃショーのディオラマ展開では、ダークホーンに率いられた帝国軍とゴルドスに率いられた共和国軍が対峙するという再現であったモノが、帝国軍と共和国軍とに全く別々のベースにそれぞれ別のディオラマとして再現されていたのである。

 帝国側は、シュバルツ少佐の乗るダークホーンとそれに率いられたモルガの部隊が砂漠を行軍中のシーンとして再現されている。ディオラマの王道、四角いベースへの斜め配置など、ちょっとした工夫で、既存の素材から違うイメージを引き出すのに成功していると思われる。

 対する、共和国側のディオラマは、ゴルドスを中心として、カノントータスを率いての戦隊行動となっている。レッドリバーの戦いでは、ゴルドスに率いられていたのはゴドスであり、純粋にアニメのシーンを再現したとはいいがたい機体の選択と配置である。ゴルドスは、早々と生産休止になるなど、どうも人気薄の機体であるようだが、惑星政府の考えるゾイドらしさの点では、かなりポイントの高い機体である。こうしたイベントでのディオラマ展開を通じて、人気復権をはかってもらいたい。

 いくらアニメの名シーンを再現すると言っても、毎回同じディオラマを見せられては、イベントに足を運ぶ魅力を欠いてしまうのは否定できないであろう。その意味では、今回のような既存のベースを用いながら、別角度から視点を与えようと言う展示方法は、大きなインパクトとはいいがたいが、イベントへ足を運ばせる要素の一つとなるであろう。

 さて、政府視察団がお気に入りは、やはり戦隊行動をとるシールドライガー隊。明らかに新シリーズのキットを使って、カラーリングを変えた機体であるが、こうした同一機種による戦隊行動は、量産機であるゾイドの魅力を表現するための良い方法でありながら、なかなか個人ユーザーではやりにくい展開である。こうしたイベントを通して、量産機としてのゾイドの魅力を感じとることのできるようなディオラマ展開を今後も期待したいところである。

 

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