プテラス

-

Puterasu

共和国

型式番号

RMZ-21

シリーズ

重装甲スペシャル

タイプ

<翼竜型>

発売

1986年5月〜1988年10月

全長

10.3m

定価

780円

全高

8.2m

オペレーション

ゼンマイ

全幅

3.7

ライト点灯

-

重量

21.6t

使用電池

-

最大速度

M2.0〜2.2

部品点数

-

乗員

1名

ゴムキャップ

M(青)10個

搭載ビークル

無(ただしコクピットは単独飛行可能)

主成形色

ネイビーブルー、クリームホワイト

主要目的

空戦・迎撃・爆撃・偵察

キャッチフレーズ

空中戦が得意なゾイドメカ。

最大翼長

16.8m

ギミック

空中遊泳技術が抜群。羽をはばたかせながら、両足で前進します。(1986/5現在のカタログより)

コクピットは開閉可能、中に兵士が1体搭乗しています。

パワーユニットにより翼をはばたかせながら、2本足で前進します。(パッケージ裏面より)

その他

-

装備

装備名

搭載数

特徴

20mmバルカン砲

2

胸部両脇に装備

空対空ミサイル

2

背中の両翼間に装備

機関砲

1

コクピット正面に装備

特徴

シンカーの厚い装甲や空戦能力に手を焼いた共和国側が開発した、ドッグファイト用の空戦メカ。またVTOL性能もあり、いかなる場所でも離着陸出来た。

掲載バトルストーリー

-


 名前から想像することも難しくない、翼竜であるプテラノドンをモチーフに持ってきた、重装甲スペシャルゾイド。

 当たり前ではあるが、飛行可能ゾイドと設定されていても、おもちゃのプテラスは飛ぶわけではない。搭載されているギミックは、2本足での歩行である。この歩行ギミックのため、重心を下の方に持ってこざるを得ず、足が太くなるのは仕方ない事である。また、歩行中の体を支えるため、大きな尻尾がはえている。更にこの尻尾には、横の安定を保つための支えが左右にのびている。これらの結果から、プテラスは、翼竜と言うよりも、肉食恐竜のイメージを思い起こさせるような胴体になってしまっている。また、足が単なる直線ではなく膝関節を表現しようとしている努力は、かえって肉食恐竜のイメージを誘ってしまっているとも思えるが、生物的な躍動感が表れているのは、高く評価できる。

 ギミックの関係から、肉食恐竜の形に見えてしまっているプテラスであるが、プテラスをそれとしているのは、背中に装備されている翼である。この手の2足歩行ゼンマイおもちゃ、人型おもちゃも含め、腕を振るギミックは、足の動きさえあれば、それを足の動きと逆に動かすように連動させればよいので、技術的な蓄積はゾイド以前から繰り返されているはずである。しかし、翼にように左右対になって同じ方向に動かすのは簡単にはいかない、また、足の動きと完全に連動させてしまっては、ただせわしく翼をはばたかせているようにしか見えず、ゾイドの目指すよりリアルな生物の動きからほど遠いモノがある。しかし、ゾイドでは、既にその答えはパワーユニット自体がっもっており、パワーユニットのどの部分からどんな方法で動きを取り出すかで、解決は見いだされている。グライドラーでは、ゼンマイを巻く軸から羽ばたきのギミックを取り出すことで、足と翼の動きが必要以上に連動しないという方法がとられており、プテラスも同じように、ゼンマイを巻く軸から羽ばたきの動きを取り出している。だが、グライドラーが、ゼンマイを巻く軸の本体の両方から動きを取り出しているのに対し、プテラスは、まずゼンマイを巻く軸の巻きつまみの無い方(胴体左側)の先端に動きを取り出すクランクを取り付け、本体に装備された部品を動かし、その部品がまず左翼を動かす同時に、その部品が背中を介して動きを右側に伝えることで、左右の羽ばたきが連動されるようになっている。

 

 既に、共和国軍にはサラマンダーという、全ゾイド通ずる飛行ゾイドの代名詞的ゾイドがあった。その意味でプテラスはモチーフ的な新しさは見られない。だが、サラマンダー譲りの翼の形は、かえって共和国軍という規格の統一を思い起こさせる良い手段であると思われる。価格ではサラマンダーの1/3以下という面では、人気のあるサラマンダーの妥協案としての買いやすさをねらっての発売と考えるのは、不思議ではないであろう。

 さらにここでは、設定的なおもしろさを考えてみることにする。ハイローミックス。つまり、共和国軍は、サラマンダーという高価で高性能のゾイドを配備しながら、安価でそれなりの性能を持ったプテラスを配備することで、費用対効果のバランスをとっているという事である。同じ事は、ゴジュラス・ゴドス。ゴルドス・ゴルゴドス。アイアンコング・ハンマーロック、ゲーター・ディメトロドン。サーベルタイガー・ヘルキャット。つまり、ゾイドバトルストーリー登場以前のよりミリタリー色の濃い時期には頻繁に行われていたモチーフと設定の組み合わせ方である。このように、同じ所属国の中に、同じモチーフで似たような使用目的を持つゾイドをハイローミックスで配備するという商品展開は、モチーフのネタがつきはじめた新世紀以降でも考えるべき方法ではなかったではなかろうか。これと相対するのが、ガイサック・デスピオン、ウルトラザウルス・ブラキオス、というように、両軍に同じモチーフでありながらも、コンセプトが異なるため、結果異なる形のゾイドに仕上がっているとする商品展開である。このどちらが、ゾイド発展に大きく貢献したか、それとも逆に発展を妨げたのか、考えてなおしてみるのもおもしろいかも知れない。そして、実際に行われたように、ハイローミックスと両軍で同モチーフのゾイドを出すという両者の方法を混ぜた販売方法と、どちらかの方法のみを選択したうえで販売展開して行くべきであったのか、ゾイド完全復活の前に、旧シリーズで行われた展開方法の長短を考え直してみるのは、旧シリーズを知るパワーユーザーとして、新シリーズのみに接する世代にゾイドの楽しみ方の何を教えるかを考え直させることになると思われる。

 

プテラスパッケージ、同梱カタログより転載