ZOIDS FAN CLUB Limited edition floppy

 

 1999年夏のゾイド復活、いわゆる第2期となる機獣期を迎えるにあたっての胎動期に作られたゾイドグッズ。

 1997年秋からはじまった当時のオフィシャルサイトの活動は、ほぼ同時期に開催された、1997年秋のゲームショーにおいて、会場限定で3.5インチフロッピーディスクを配布したことが最初の宣伝活動であった。

 もともとゾイドのオフィシャルサイトは、開設当初当時のトミーのサイト「トイキングダム」からのリンクがされていなかった。また、サーチエンジンに登録されることもなかったことから、このフロッピーに納められているHTMLがなければオフィシャルサイトへのURLを知ることができなかったのである。1997年当時、最も利用されていたサーチエンジンYAHOOは、自薦他薦問わず、サイトのURLとサイトの紹介文をYAHOOへメール送信し、承認されればYAHOOに登録されて初めてキーワード検索に引っかかるようなシステムになっていた。そのため、オフィシャルサイト開設直後はYAHOOで「ゾイド」とキーワードで検索してもオフィシャルサイトは、検索に引っかかることが無かったのである。

 前述の通り、原則HTMLで作成されているため、フロッピーの中身をコンテンツとして見るにはブラウザが必要であった。当時は、まだブラウザはOSに標準装備ではなく、ネット接続環境を整えた上で買い求める必要があった。また、一部のゲーム専用機やテレビでのインターネットが出来たこともあり、3.5インチフロッピーを使うことの出来ない機器でインターネットに接続していたユーザーも少なくなかったと思われる。これらのことから、会場で本フロッピーディスクをもらった人でも、ほんの数パーセントしかオフィシャルサイトにはたどり着けなかった事が想像される。オフィシャルサイトが立ち上がって、およそ2週間程経っていてもトータル200アクセス行っていなかったと記憶している。

 フロッピー内のコンテンツは、ネットに接続しなくても、内部だけでも見ることの出来る用意されていた。オフィシャルサイトの紹介、ゾイドファンクラブの紹介、CGギャラリー、MAC用アイコンの使い方の説明、SHOCKWAVEを用いたシューティングゲームで構成されている。

 フロッピー内のオフィシャルの紹介では、まだ活動そのものが「予定です」と言った感じの、さらりとした内容の紹介であった。同じく、ゾイドファンクラブの活動内容においても、それほど大げさなことを考えているとも思えない、メーカーのオフィシャルでありながらも手作り感覚のファンクラブの様相を呈していた。

 CGギャラリーでは、後にオフィシャルサイトで公開されるCGを、一足先に見ることが出来た。

 マッキントッシュ用のアイコンは、HTMLとは別データーに圧縮さており、コンテンツの中ではその使用方法が紹介されていた。

 SHOCKWAVEを用いたシューティングゲームは、縁日の射的に近い感覚で、せり上がってくる帝国軍メカの的をマウスで動く照準を重ねてクリックして、得点を重ねていくものである。ただし、間違ってゴジュラスを撃ってしまうと減点となる。1997年の家庭用TVゲームの状況から考えてもとてもチープなゲームであるかも知れないが、3.5インチフロッピーディスクに収まって、ブラウザさえ有れば遊ぶことの出来るゲームは、当時としては斬新であったと思われる。まして、ゾイドをモチーフにしている事を考えれば・・・・。その意味では、ゾイド本体の展開が無かった時期に作られたゾイドのゲームとしては先駆けとも言えるのかもしれない。

 ゲームの他、各所のSHOCKWAVEによるゾイドCGの演出があり、見て楽しむと言うことも十分に配慮されたコンテンツが構成されていた。当時のネット接続にかかる通信費用や通信速度を考えると、3.5インチフロッピーの中だけで、ダウンロードの時間やネット接続料金を気にすることがないので、ネット上のサイトよりも、データーが重くなっても見て楽しむ内容を構成していたと考えられる。 

 フロッピーケースのインデックスにあるるウルトラザウルスと、フロッピーラベルのアイアンコングはこの1年後に、ともにCGムービーに登場することになるゾイドである。このフロッピー配布の時点でどの程度後の企画が検討されていたのか、考えさせられる。

 なお、このフロッピーは、1998年春のゲームショーにおいて、限定再販された、ダークホーンとデッドボーダーを予約購入したユーザーにも配布されている。

 

※お断り

本頁において記されている「オフィシャルサイト」は、1997年秋に開設されたトミーのゾイドサイトで既に閉鎖されており、2018年現在タカラトミーが運営しているゾイド公式サイトとは異なります。現在のゾイド公式サイトとは別物であることを示すため、便宜上当時のURLを埋め込んで有ります。リンクが切れていますことはご了承願います。

 

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