既にオフィシャルで紹介されている通り、ゾイド誕生をさかのぼることおよそ1年。トミーは、ゼンマイで歩行するキットモデルであるメカボニカを発売した。

 メカボニカは、おもちゃと言うよりもプラモデルを意識した作りになっている。パッケージは写真ではなくイラストが用いられ、つり下げ式ではなく上下分割式の箱の中に収まっていた。

 機械生物という言葉は冠せられているモノの、当初のコンセプトは、動物の形をしている宇宙を駆る乗り物、スペースビークルという見方の方がよいであろう。ただし、宇宙空間を航行するスペースシップではなく、月のような空気のない荒涼とした惑星の上を移動するためのビークル、という考え方である。

 

      ●メカトロス mechatros

 

 いずれも、ゾイドと変わることのない成形色とシール、説明書で構成されている。要は、完成体からは、メカボニカかゾイドかを判断することは出来ない。(完成体のメカボニカとゾイドを見分ける方法をご存じの方は教えて下さい。)

 

 プラモデルという印象の強いメカボニカではあるが、驚くことに、その取扱説明書の注意書きの一部には、「メカボニカには、接着剤は絶対に使用しないでください。」と書かれてあった。おそらく、動くことを特徴としているメカボニカであるため、接着剤がはみ出て、動きを止めてしまうことを恐れての配慮から出た注意書きであると思われる。しかし、後に全く同じモノがゾイドで発売され、そのコンセプトは改造する事、つまり接着剤を使う可能性が間違いなくあることに変わっているのは、興味深い事実である。全く同じ商品ではあるが、メーカーの販売戦略によって、扱い方が大きく異なっていることは注目しておきたい点である。

   

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メカボニカパッケージより転載