ギミック部品の製作 

 

 これより、フレームの内部に仕込むギミック部品を作成します。

 まずは、1.2mmのプラ板と0.5mmのプラ板を張り合わせ、厚さおよそ1.5mmのプラ板を用意します。適当な大きさでかまいません。

 以後A・B・Cと3つの部品を作ります。いずれも、下記の図に従ってプラ板に線を引いておいてから、ヤスリでその大きさになるまで小さくしていく、という方法をとるのがよいです。いきなり、ノコギリで寸法ぎりぎりで切ってしまっては、後の微調整がしづらくなります。

 

A部品の作成

 左の図に従って、1.5mm厚のプラ板を切り出します。

この時に、仮組みをして、部品が#1部品の内部にぶつからないか確認します。特に、内側を削り落とした部分にぶつかってしまう場合は、それに合わせてプラ板の角を削り落とすなりするのがよいでしょう。また、必要に応じて、#1部品側も再加工を行います。

 図面の左端に伸びたアーム状の部分が、直接尻尾部品を押し出すことになります。この先端は、図面では45度に切り落とされていますが、現物あわせで角度を調節します。

 ギミック部品が一番前側に来たときに尻尾が一番下側になるように、先端部品を短くします。

 その上で、ギミック部品を後側にした時に、尻尾が持ち上がってもA部品で干渉しないようにするために、45度に切り取られている先端部分を、より浅い角度にしていきます。

 図の中に赤い線が引いてありますが、これはB部品の接着位置です。

 

B部品の作成

 左の図の通りの大きさに1.5mm厚のプラ板を切り出します。この部品は、ある種スペーサー的意味合いを持つ部品です。

 簡単な構造をした部品ではありますが、プラ板の切り出しセオリー通りの加工をすることをすすめます。

 

C部品の作成

 左の図に従って、1.5mm厚のプラ板を切り出していきます。この部分で、パワーユニットから動きを取り出すことになります。

 やはり赤い線は、B部品の接着位置です。

 

 できあがった3つの部品を位置を確認しながら接着します。図面の向きの場合は、A部品の下にB部品、B部品の下にC部品という順番で接着します。右の画像は、図面と同じ方向で見た場合の完成図です。

 この部品には横方向からの力が加わりますので、接着面補強のために、1.7mmの皿ネジを3つの部品全てに通り抜けるようにねじ込みます。白い部品の中に黒く見えているのが皿ネジです。

 

 接着の結果、微妙な重なりずれができるので、これを改めてヤスリで整えていきます。加工した#1部品の中に入れても、引っかかりのないことが確認できるまで、尻尾が上手く上下するように、#1部品、作ったギミック部品共々調整をします。

 なお、この部品調整の際には妥協はしないで下さい。装飾的部品であれば、見た目に問題なければそれで問題はないのですが、ギミック部品は、見た目に問題なくても、機能上問題があれば、用をなしません。もし、ここで疑問を感じるなら、疑問を持たなくなるまで徹底的に調整を行って下さい。場合によっては、必要なところまで戻って作業を再開して下さい。

 

パワーユニットへの加工

 5mmのプラ棒を用意します。これを1.5mmの厚さに輪切りにします。この時、できるだけ厚さの均一な円盤を作り出すようにして下さい。一部はちゃんと1.5mmになっているけど一方はもっと厚いとか、厚さは1.5mmだけど斜めになって楕円であるとか、を避けるように加工します。

 切り取った円盤の中心からずれた位置に穴を開けます。

 できあがったモノを、パワーユニットのゼンマイの捲き軸の反対側に接着します。位置は、できるだけパワーユニットのボディーに密着するようにします。しかし、あまり密着させ過ぎると、今度はスムーズな回転を妨げてしまいます。また、接着の際には、パワーユニットのボディーに接着剤が回らないように注意して下さい。

 

 ここまでできあがったモノを全て仮組みします。

 パワーユニットの捲き軸の反対側に、中心をずらした円盤(カム)があることで、回転運動を往復運動に転換しているのがわかると思います。

 この結果、パワーユニットの捲き軸の回転に合わせて、ギミック部品が前後します。ギミック部品が前後することで、尻尾が上下するようになると言うわけです。

 

 要は、プテラスやカノントータスと同じように、パワーユニットの捲き軸から動きを取り出して、もう一つの動きを表現しようというわけです。

 

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