共和国側グスタフ整備隊仕様

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Gustav

共和国

型式番号

RPZ-002

シリーズ

B/O

タイプ

<虫型>

発売

-

全長

14.76m

定価

-

全高

9.36m

オペレーション

B/O

全幅

8.28m

ライト点灯

-

重量

68t

使用電池

単3×1

速度

50km(平地、最大重量搭載時)

部品点数

-

最大牽引力

250t

ゴムキャップ

乗員

操縦に1名 他に整備要員が同乗

主成形色

-

搭載ビークル

必要に応じて整備車両を搭載

キャッチフレーズ

共和国側の輸送主力メカを整備仕様に改装。

主要目的

ゾイドの整備

ギミック

トレーラーを牽引するタイプ。触覚を上下交互に動かし、胴体を伸縮させながら前進。更にトレーラー部のパワーハンドを左右に溶接アームを上下に動かします。給油塔を前後にスライドさせます。

その他

-

装備

装備名

搭載数

特徴

全方位レーダー

1

パワーハンド

1

溶接アーム

1

給油塔

1

特徴

傷ついた味方を回収するために開発された。そのぶ厚い装甲、強力な牽引力は、輸送メカとして最適であったが、武装してないために敵の攻撃による犠牲が多い。艤装したトレーラー部を牽引させることで、更なる汎用性が高まっている。


 ムンベイ仕様のグスタフが発売されてから何年経っているでしょうか。やっと完成させることが出来ました。

 改造のアイディアそのものは、ムンベイ仕様のグスタフが発売された直後からありました。基本的にはやってきた方法と同じで、トレーラー部にムンベイ仕様のグスタフに追加されたディオラマベースのランナーを用いて、そこに動きを表現しよう、というものでした。構想の時点では、動力の導き方が違っていました。やってきた改造では、トレーラー部に便宜上ついている車輪部品から動きを取り出しています。当初の構想では、グスタフ本体からトレーラー部に動力を導く方法が無いかを考えていたのです。当時は、グスタフ本体から動力を導きながら、トレーラー部を切り離すという、遊びの余地もありながらそれでいてトレーラー部にギミックを表現する、というそんなことを考えていました。しかしながら、そんな良い方法が思いつかず、ずっと作業にかかれずにいたのです。トレーラー部の車輪部品から動力を取り出すという事も当初から考えていましたが、「ゾイドのギミック改造」を考えると、パワーユニットから取り出される動力で新たな動きを表現することにギミック改造の意味がある、と考えていましたので、車輪から動力を取り出す方法での改造を見送っていたのです。しかし、グスタフが手元にあるのに、作ることが出来ていないことが、さすがに我慢しきれなくなって、ついに作り始めることにしました。

 当初は、ゾイド25周年のタイミングに合わせて完成させようと、作業を始めました。ところが、諸事情からなかなか作業が進められなくなってしまい、完成したのは、ゾイド30周年も過ぎてしまってからのことでした。

 今回のグスタフは、共和国側とする事にしました。そこで、グスタフの装甲の平面を出来るだけ減らすような装飾的な加工を加えました。手持ちのジャンクパーツをたくさん貼り付けました。航空機、AFV、艦船とジャンルもスケールも問わず、雰囲気が出るようにしてみました。

 装甲パーツで見えなくなってしまっているフレームパーツにもひたすらジャンクパーツを貼り付けました。活躍したのが延ばしランナー。貼り付けたジャンクパーツどうしの隙間を埋めたり、つないだりすることで、親和性を高めるようにしたつもりです。グスタフは、隙間から内部が見える構造になっていますので、それなりに装飾をしたいと思い、第2時大戦中の星形エンジンを積んだレシプロ機のカウルとスピナーの隙間からエンジンが見えている、事をイメージして、ジャンクパーツを張り込んでそれっぽい塗装にしました。労力の割にはほとんど見えなくなってしまいましたが、見えないところにも手を加えたことで、見た人が完成品から説得力を感じてもらえると良いのですが。

 今回のギミック改造はトレーラー部のみで、グスタフ本体に新たな動きは追加していません。ムンベイ仕様のグスタフになって、追加されたランナーパーツにのみ動きを加えました。ここでは、溶接塔に上下の動きをさせ、パワーハンドに左右に振る動きをさせました。溶接アームとパワーハンドは、上下の動きと左右の動きと、動きを変えて表現してみましたが、基部が同じなのでどっちにどっちの動きをさせてもお好み次第でしょう。

 給油塔は、ベアリングを車輪に用いるアイディアと分解組立を可能にしながらのギミック方法にたどり着くまでに時間かかりました。塗装をすると、どうしても部品どうしの滑りが悪くなってしまいます。そこで、給油塔の足にベアリングを車輪として用いることで、まずはスムーズな動きを確保しました。給油塔の台座との接続は、「工」字状のジョイントでなされています。これをネジとワッシャーに置き換えるアイディアにたどり着いて、それとは別に、動きを取り出す真鍮線を床下まで通すことで、ギミックの表現が可能になりました。ゾイドのギミック改造のおもしろいところであり悩みどころは、分解組立を可能にしながら動きを表現するための構造を考え出すことです。これにたどり着くと、後は数字でのコントロールになるので、作業が進み始めます。

 床面は、現用空母や空港の駐機場を意識したラインや数字を入れてみました。No.15トレーラーとNo.59トレーラーという数字を入れてみました。グスタフを先頭に真上から見たとき左側の数字が正しい番号となるようにしました。そのうえで、おもちゃとしてのグスタフは、前後が決まってしまっていますが、実物は、必要に応じて連結する順番や前後が必ずしも一定でない、と想定し前後が入れ替わって、必ず左側の番号は正方向になるように、左右で逆さまにしてしてまったく同じ数字を入れています。これ以上近づいたら危ない、との注意で黄色いラインを入れたり、わかりづらいのですが、丸モールドの所には、何カ所か丸いデカールで縁取っています。何となく、それっぽさが伝わると嬉しいです。

 今回、給油塔につながっている、コントロールパネルには、デカールで計器を表現してみました。ここを作り込んで計器を変えてしまうという方法も考えられるのですが、将来タカラトミーが「大人のゾイド」としてスケールモデルのように、塗装を前提として、ランナーごとの色分けはなく全てのランナーがグレー1色のみで、塗装指示書や水貼りデカールが同梱されるゾイドが販売された際のテストパターンとして、あえて既存の計器のモールドのまま、デカールのみで表現してみました。デカールで表現したと言いましても、針が左右に振れるものではなく、松本零士メカのオシロスコープ風の計器をイメージしました。2色の幾何学模様が円形の画面に映し出されることで何かしらの機器の作動状況を表示している、と想定しました。手持ちのデカールで、それっぽいモノを選んで丸く抜いて貼っています。さらに操作用のレバーを真鍮線で作って、それっぽさも出してみました。別で作っておいて、塗装後に裏から接着剤で固定してしまっていますので、レバーは動きません。

 計器といえば、今回もコックピット内もデカールで表現しました。

パイロットの正面に、うまく丸いモニターを貼れましたので、良い演出が出来たと思っています。

 

 グスタフの装甲は、なかなかデカールでの演出のしがいがありおもしろかったです。既存のモールドを何と解釈するか考えながら、手持ちのデカールから選んでいくというのは、時間のかかる作業ではありますが、らしさを生み出すのに良い表現とは思っています。サラマンダー以来のおもしろさでした。塗装時に色分けに凝らないと、デカールによる演出のしがいが出てくるのかもしれません。

 アニメのグスタフの設定は忘れてしまいましたが、装甲の最高部に左右に出ている四角い意匠をマフラーと想定し、注意喚起としてデカールで赤く縁取り、内部にはきつめの墨入れをしました。

 側面の格子状の部分は、ラジエーター。すぐ内側に廃熱装置があって、熱気が出てくるところと想定しました。よって、ここも注意喚起のために赤く縁取っています。

 今回のグスタフの改造は、トレーラー部がメインで、グスタフが引っ張らなくても、他のゾイドが引っ張っても改造の特徴が表現されますから、グスタフの改造とは断言しにくい出来上がりかもしれません。そんな指摘をされたら、受け入れざるを得ないです。一方で、ギミック改造の方法として、動力の取り出し方の新しい方法を一つ増やすことが出来た、と考えれば、今後の改造の幅広がります。グスタフと、手持ちのコンバットベースやヘリポートベースのランナーを組み合わせて、グスタフ・・・、トレーラー部のバリエーションを作って動きの表現をしてみたいです。

 実は、一つ問題が。この追加したギミック。テーブルのような硬いつるつるした上では機能しません。トレーラー部のプラ部品の車輪が滑ってしまって、ギミックが表現されないのです。せめて新聞紙をひいたり、布のテーブルクロスの上でないと動かないギミックになってしまいました。これは、直接本体から動きを取り出さなかった事の弊害です。

 作業していて、グスタフのバリエーションの販売してもらえると良いなと思いました。

ムンベイ仕様のグスタフの色替えで、共和国側グスタフ整備隊仕様。

グスタフ+コンバットベースのランナーパーツで、共和国側グスタフ移動基地仕様

グスタフ+ヘリポートベースのランナーパーツで、帝国側グスタフ移動司令部仕様

グスタフ+トレーラー部2輌追加で、帝国側グスタフ大型貨物用

等々。更に新たなランナーパーツを起こしてもらえれば、レーダーの形や触覚の形を変えながら、よりバリエーションが増やせそうでおもしろそうです。

 グスタフは、商品のゾイドとしての魅力は一般受けしにくいのかも知れませんし、改造の対象になりにくいのかもしれませんが、実際に作業をした限りでは、ジャンクパーツの活用や新たな動力の取り出し方にたどり着いたり、作っていて楽しいゾイドでした。

 今回は、加工した部品の図面の見やすいモノを用意できませんでした。どなたか、CADを使いこなせる方がいましたら、方眼紙の図面をネットで見やすいわかりやすいモノに作りなおしてもらえればと思います。特に許可を求めるメールは必要ありませんので、作りなおしていただいた図面をご自身のサイトやブログなり、ゾイドの改造をする人の目の触れる所にアップしてもらえればと思います。

 

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