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 旧シリーズ時代、1980年代の『メカ生体ゾイド』のグスタフはもっていませんでした。最初のグスタフとの接点は1996年だったと思いますが、ジャンクパーツを山ほどゆずってもらったときに、その中にいくつかグスタフのパーツが混ざっていたことがあった程度の、所持状態でした。その後になって、やっとトレードで入手。それは、21世紀になってからでした。

 アニメやマンガとともに復活したゾイドでは、グスタフはムンベイのゾイドとして描かれていたことから、早いうちにラインナップに加わってくれました。ムンベイ仕様のグスタフとして販売されたことから、成形色は大きく変えられていました。特に装甲パーツがグレー系から赤系に変更されたのは、再販されたゾイドの中でも大きくイメージが変わったゾイドの一つと言えると思います。反面、旧シリーズではディオラマベースに同梱された整備関係のランナーが追加され、商品のゾイドを改造の部品と割り切って考えれば、お得感のある商品として発売されたように感じました。

 グスタフをどう作ろうか、と考え始めたのは、ムンベイ仕様のグスタフを手に入れた直後からでしたが、なかなか手強いと感じていました。グスタフの場合、外装となっている装甲パーツが動くことが最大の特徴になっているため、この動き残して、動きを避けながら何か動きを追加するのはそう簡単ではなかったのです。

 モチーフ替えやデザイン変更が苦手な私は、やはりグスタフは、輸送用、非武装、とのイメージが拭えませんでした。そのため、改造に当たって、移動砲台的な戦闘用のイメージは出てきませんでした。すると、デザイン的な完成後のイメージは、商品としてのグスタフと変わらないものにするとして、どこに自分らしさを出して、それをどう実現するか。どうしてもやりたかったことがあったのですが、私の技術では無理なので、出来る範囲のやり方でとりかかることにしました。何をやろうとしてあきらめたかは、最後にお話しいたします。

 

1 構造確認

 まず始めることは、改造にあたって本体をよく知ることです。

 本体を組み立てました。この時点で既にパーティングラインの削り落としはほぼ終わっています。実際に動かしてみて、どのような構造になっているのか、削って良いところ行けないところ、部品を足しても良いところ行けないところ。そんなのを見極めていきます。

 パーツの裏側も確認します。

 グスタフの装甲は、パーツの裏側が完成後の塗装表面を傷めてしまいかねない構造になっています。ピン跡などの出っ張りには一応眼を光らせておきます。

 装甲を動かすギミックは、内部に組まれています。

 ギミックのための部品は、ゾイドとしては多い方かもしれませんが、細かなものではないので、複雑さは感じません。

 

 とりあえずここで認識したのは、装甲パーツはよく似ているので、組み合わせを間違えないこと、そして、左右の装甲パーツを止める真ん中のパーツ。これが、装甲毎に相性があるので、どの装甲の組み合わせに対してどの真ん中のパーツを使うのか決めておかなければならないと言うことが認識できました。

 ゾイドは幸いなことに、パーツに番号が打ってあります。グスタフの時期まで来ますと、「L」「R」の左右の区別が出来るようになっています。こうしたことから、通常であれば、特に、何か印を付けておかなければならない、と言うことは無いと思います。わかりやすさの意味では、前後ぐらいは予めパーツの裏側に記入しておいても良いかもしれませんが、前後の目安は無くて困るものではありません。

 装甲を左右から止める真ん中のパーツをどれと組み合わせるかは、作業者が自分で決めるので、記入しておく必要があります。このパーツは相性があるため、現物あわせですりあわせを行います。その時、見えないところにケガキ針で記入します。大きなパーツであれば、見えないところにマジックで書いても良いでしょう。しかし、この左右を止めるパーツは小さいので、塗装時に全体を塗装するという方法も考えられます。すると、マジックでは、塗装により見えなくなってしまったり、時には塗料でマジックの色が解けて塗装が黒くにじんでしまいます。これらを避けるためには、ケガキ針での記入をすすめます。

 同じようなことは触覚パーツにも言えます。部品の段階では左右特に問題ないようなパーツではありますが、塗装後に上下が決まると自然と左右が決まってきます。後の作業も考慮した予めの記入が必要か、この時点で、後の作業を想定して、発生する問題を出来るだけ多く解決しておきます。

 トレーラー部。

 キャタピラが表現されていますが、動きは車輪で行います。この時代(1980年代)、トミーのいわゆるゾイド系、1/72のトミーオリジナルキャラクターおもちゃには、車輪やキャタピラの意匠があっても、それがそのまま直接的に機能せず、走るための車輪が設けてあるという構造が他にも見られます。主たる対象が小学生であり、組立安さや少ない部品点数で動きのおもしろさを表現しようとして、選ばざるを得ない選択だったのでしょう。

 

 もとのグスタフになく、ムンベイ仕様になって同梱されたディオラマベースのパーツも載せてみます。 すると、何となく目標が見えてきました。

 

 

続くnext

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