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 2輌目のトレーラーの床下を作り始めます。

 完成予想は、左の通り。位置関係は、給油塔のレール部分がキャタピラと平行となる位置、走行方向に対して側面になるように据え付けます。これをふまえて、床下の寸法、給油塔のレールとコントロールパネル部品の位置関係、キャタピラ部品の位置関係を計ります。そして以下のような図面を引きました。

 

 図面は、ベース板を裏返して描いてあります。完成後、真下から見ている状態と言うことです。図面の左側が前方向です。尚、図面上に記入した番号は、誤解を避けるため、一両目のトレーラーの図面の続きの数字にしてあります。よって本図には1〜3は存在しません。また、図面は加工の目安として用いて、最終的には現物あわせを行っています。よって、できあがった部品は必ずしも図面の通りではありません。

まず、トレーラーのベース板に、給油塔の下に延ばした真鍮線の通り道となるスリットを切り抜きます。図面の4の長方形部分です。トレーラーのスリットの切り抜きは、図面の通りにするよりも、操作パネルのついたレール部品をはめて、はみ出ないように切り抜き範囲を決める、現物あわせの方が良いと思います。

 図面の位置関係から、これから作成するギミック部品に干渉してしまうベース板の裏側に出ているジョイント穴のパイプ部分や梁を削り落とします。ベース板に矢印が書き込まれているのがわかると思いますが、作業前に前後を決めておくと作業の間違いを減らすことが出来ます。

 図面に従って、ベース板の裏側に仕込むギミックのための台座部品を作りました。画像はギミック部品との現物あわせの済んでいる完成体です。また、画像の部品は、完成後に上から見ている状態で、このままベース板の下側からはめ込みます。よって、部品の右側が前方向で左側が後方向です。前述した図面とは裏返しになっています。数字は図面と対応した位置開けた穴です。5は、2mmのプラ棒が通ります。6は、3mmのプラ棒が通ります。

 7カ所にジョイント軸を作り、ベース板に裏側からはめ込みます。ジョイント軸として使ったのは、あまっていたランナーです。見えないところなので、わざわざ新しいプラ棒は使いませんでした。これまでの加工で使ってきた見えないジョイント軸は、全てランナーの廃品利用です。

 

 円盤部品を作ります。1両目同様、車輪部品にとりつけたギアからクラウンギアで最初の動きを取り出す部品です。中心に2mmのプラ棒を通し、反対側は貫通させず平面に削ります。そして、中心軸からずれたところに、クランクを動かすような軸を3mmのプラ棒で作ります。これは、台座部品の図面上5の十字のところに2mmの穴を開けて通します。円盤は20mm程度ですが、給油塔にどういう動きをさせるかによって変わってきます。

 実際に給油塔を動かすアーム部品を作ります。台座の図面の6を軸に左右に振り子のように動く部品を作ります。プラ板を図面に合わせて適度な長さに切り、一端に3mmのプラ棒を差し込みました。長さも最終的には現物あわせです。ベース部品の内側にぶつからない範囲で出来るだけ長くします。先端二股に分かれている部分の間に、給油塔の下に延ばした真鍮線をはさみます。はさむと言いましても、しっかり固定するわけではありませんので、真鍮線の太さよりも1mmほど広くとっています。また、確実に真鍮線をとらえるために、二股の部分にのみプラ板を重ねて厚みを持たせました。

 部品のほぼ中間位置に3mmのプラ棒を厚さ3mm程度にしてとりつけます(矢印)。ここでクランク部品を使って、先に作った円盤部品の動きを受けます。

 円盤部品と実際に給油等を動かすアーム部品をつなぐクランク部品を作ります。長さは現物あわせです。できあがった円盤部品と、アーム部品の動く範囲に合わせて決めました。片側がオーバル状(小判状)の穴になっていますが、ここで動きを逃がします。クランク部品の穴が両端とも軸ぴったりの穴では、給油塔の可動範囲を超えて、給油塔を動かす部品が左右に大きく動いてしまうのです。そこで、動きを確認しながら、給油塔が最大限に動いて、それでいて可動範囲を超えて引っかかりとならないような、大きさにまで穴を横に大きく広げます。

 

 今回は、わざと動きを逃がす必要な位置をねらって部品を作りました。これにより、給油塔は、常に行ったり来たりするのではなく、片側まで動くとそこでいったん止まり、またしばらくすると反対側に向かって動き出し、またそこでしばらく止まってから反対側に向かって動き出すという、これまでのゾイドにない一旦停止が加わったスライド運動ができあがります(※1)。

 給油塔の動きは、円盤部品の円の大きさと、給油塔を実際に動かすアーム部品のクランクを受ける軸の位置関係で決まります。給油塔が常に動いている方が良いと思う場合は、円盤部品を小さくしたり、アーム部品のクランクを受ける部分を軸側から遠ざけより二股の方に近づけるようにします。

 

 白いプラ板の組み合わせで作られていて見づらいのですが、ここまで作った部品を組み上げるとこうなります。円盤部品には、手持ちの最も大きなクラウンギアを固定しました。アーム部品はワッシャーを通し、裏側ではポリジョイントを輪切りにしてゾイドのゴムキャップの要領で差し込みとりつけています。これで抜けてしまわない為の保持にしています。クランク部品はただ差し込んであるだけで、抜けないような措置はしていません。クラウンギアで車輪の回転を取り出し、その動きをクランクを通してアーム部品に伝えて振り子運動に切り替え、実際に給油塔を前後に動かすスライド運動にして表現します。

 キャタピラパーツの裏側の車輪パーツの一つに、ギアをとりつけ組み上げます。ギアは、手元にあったミニ4駆用の20枚歯のギアを用いました。

 尚、組み上げた際に、給油塔を動かすアーム部品の一部がキャタピラパーツの一部と干渉することがわかりましたので、キャタピラパーツの干渉部分を削り込んでいます。

 

 こうして、前後2両のトレーラーに装備を施し、床下の加工を終えました。

 この状態でトレーラーを手で引っ張りますと、溶接アームが上下に動き、パワーハンドが左右に動き、給油塔が前後にスライドします。画像の左方向がグスタフとの連結側と想定しています。

 

 ※1:「メカ生体ゾイド」の範囲において。

続くnext

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