スケールは大きいのにギミックは小さい-16 

little gimmick-16

 

 腕のクランク軸に加工を終えたパワーユニットを入れて仮組みをして、寸法を測り、既存の構造図面が出来ましたので、それに合わせて、作業の方向性が決まってきました。そこで、まずコックピット部品を加工します。

 コックピットのシートにゴーレム戦士を座らせた時、安定して座って見えるようになるまで、シートを削ります。座っていないときに、見た目の形がしっかりしているシートでも、ゴーレム戦士が座ったときにへこむわけではありません。そこで、座っていないときに見た目が悪くなってしまったとしても、ゴーレム戦士がコックピットに安定しておさまるまで、太股の形に合わせてシートを削ります。必要に応じて、コックピットの裏側にパテを流し込んでから、削った部分もあります。

 また、計器パネルの下、ゴーレム戦士の両太股ではさむ部分も両側から削ります。

 場合によっては、ゴーレム戦士の太股の付け根を削ったりして、足の曲がりを大きくするなどの調整もおこないます。ここで目指すのは、ゴーレム戦士がシートに安定して座れるようにすることです。

 ゴーレム戦士が、コックピットのシートに安定して座れるようになったら、2本の操縦管を切り取ります。

 切り取った操縦管は、後の加工で使用しますのでしっかり保管しておきます。

 

 操縦管の有った場所には予め操縦管の動く範囲がわかるようにオーバルにくぼんでいます。そのくぼみに合わせて、切り抜きます。

 シートの背もたれのすぐ左右に、計器パネルの一段高いところがあったので、これを切り取って高さを同じにしながら、適当にプラ板を貼って、機械がおさまっているような様子を作りました。

 ゴーレム戦士にゴーレムを操縦させるつもりです。かといってゴーレム戦士に実際に操縦させることは出来ません。そこで、ゴーレム側から動きを取り出して、ゴーレム戦士を動かすことで、さもゴーレム戦士が操縦しているかのような、ギミックにするつもりです。

 そこで、ゴーレム戦士に手術を施します。

 

 ゴーレム戦士のネジを外し、胴体を分解します。

 肩間接はポージングが出来るようになっているため、動かすことが出来ながらも保持力も持たされています。そこで、間接の穴を少し大きくして操り人形並に肩がぐらぐら動くようにします。

 肘間接、手首部分はボールジョイントになっています。分解すると壊しかねませんので、このまま加工します。ボールジョイントの受け側に空いている穴の幅よりも狭い幅の彫刻刀の平刀を差し込んで、ボールを削ります。出来るだけボールが均等になるように全体を削っていきます。操り人形並の柔らかい間接になるまで加工します。ただし、やりすぎると間接が抜けてしまうので注意しなければなりません。

 手、操縦管を握る部分は、3mmの穴になっています。3mmの穴もドリルを通して少しだけ握りの穴を大きくして、操縦管を抜き差ししやすくします。切り取って保管して有る操縦管が簡単に抜けてしまうまでの緩さにします。

 ネジを外して胴体を分解した時に、フェイスガードの顎部分も少し削って、首が少しでも下向きになるようにしました。

 足や腰、股関節は加工していません。パーティングラインは処理しました。

 ゴーレム戦士には、塗装はしないことを前提としましたので、パーティングラインの処理は、塗装のされていない成形色で表現されている部分のみにしました。

 

続く next

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