アクション3

 

 主砲と対空砲が動くようになりました。しかし、対空砲が動くなら、ここを動かさなけりゃ嘘だろ? と思っていたので、やっぱり手をつけることにします。

 左右の甲羅を止めるジョイント部品にはレーダーが一体成形となっています。そこで、まずはこのジョイント部品とレーダーを切りはなします。

 レーダーもジョイントともどちらも使う部品なので、切り方も考えなければなりません。使うのはデザインナイフの平刀。これをあらゆる方向から刃を入れていきます。普通のプラスチック用のノコギリでは傷がついたりロスが多くなります。ミリタリーモデルのモールドを切り取るのに使うすごく薄いノコギリがありますが、これについては試していません。

 切りはなしたレーダーの切り口をヤスリで整え、そのうえで、適度な長さに切った2mmのプラ棒を接続します。接続したプラ棒の長さは、後述する部品を作った後で、現物であわせます。

 この伸びた2mmのプラ棒には、8枚歯のピニオンギアを取り付けます。この時ピニオンギアの片方を角を削っておきます。

 ジョイントと左右の甲羅につながるように2mmのプラ棒が簡単に動くような穴の大きさにします。左右の位置はもちろん中心部分。前後は対空砲の軸の真上と言うことになります。この結果、軸の後ろ半分は表に露出するようになります。

 ミニ4駆用のクラウンギア(プロペラシャフトの動力を伝えるためのタイヤシャフトに取り付けてあるギア)に3mmの穴を開けます。これを既に作ってある部品に取り付けます。位置は、中心からピニオンギアの半径分右側です。尚、ここでピニオンギアの直径分左側につけても問題はありません。連動のしかたが変わるだけで、連動そのものができないと言うわけではありません。

 そして、これを組み立てます。

 まず、レーダーをのぞく全てのギミックを取り付けます。その後、後部ハッチを開けてピンセットでピニオンギアをしっかりつかんで、クラウンギアにかむような所定の位置に持ってきます。そして、ジョイントに開けた穴にレーダーを通してピニオンギアを接続します。あまり楽な作業ではないので、いくら分解組立が可能なゾイドの構造を残していると言っても、そう何度も分解組立はやりたくない部分です。でもハッチを開いて内部が見えると言うことで勘弁を。

 できあがった全てのギミックの連動をテストします。首はありませんが、改造で新たに追加したギミックは全て機能します。

 左の状態は、主砲が上を向いているので、対空砲が下を向き、レーダーが左を向いている状態です。このあと動くと、主砲が下を向いて、対空砲が上を向くと、レーダーが右を向きます。このレーダーの動きはクラウンギアの取り付け方に影響します。もしレーダー軸の左側にクラウンギアを取り付けたら、左右逆の動きになります。この辺がお好みで選択することがよいでしょう。

 甲羅の開口部からのぞいている基本となる主砲のギミックがのぞいてるのがわかると思います。一番最初に作ったC-21部品の上に伸ばした部品の上に主砲に取り付けた部品が乗り切っているのがわかると思います。こうして乗り切るようにすることが、今回の改造のミソです。

 実際のギミックは、こんな感じになっています。甲羅の左半分を取り除いているので、このままでは動きませんが、構造はわかってもらえると思います。

 左の状態は、首が引っ込んで主砲を下に向けている状態です。結果的に、対空砲が上を向いてレーダーが右を向いています。この後、首を前後させる部品が前に押し出されることで主砲が上を向きます。すると主砲の後ろに伸びている部品が対空砲につながる部品を押し下げるので、結果対空砲を下に向けます。対空砲が下に向くと、クラウンギアを前に回すのでそれにつながるピニオンギアを左に回し、結果レーダーを左に向けます。

 今回のギミック改造の全て、改造の目玉です。冒頭で述べた通り、外見は変わらないカノントータスができあがることがわかると思いますが、中身にはこれだけの部品が詰め込まれています。もちろん、単に詰め込んだのではなく、ミリ単位の連動を意識しての構造になっているのはわかっていただきたいです。後部ハッチの開閉機能は失っていないので、少々のペイロードもあります。

 

続くnext

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