まりの麻雀日記


第6話「まり家の英才教育」

我が家はギャンブルの英才教育をほどこしています。父上を筆頭に母、兄弟、親戚に至るまでギャンブル狂。品の良い一般家庭です。競輪・競馬・競艇・パチンコ・スロットなどはもちろんの事、チンチロリン・トトカルチョとなんでもござれ。JRAまで徒歩10分という好立地なので子供の頃の遊び場はほとんど場外馬券場だった。

日曜日になるとお父さんに連れられて場外へ。窓口に背が届かないのに一生懸命背伸びして馬券買ってた。小学生のおこずかいなんて、たかがしれてるから日曜日の競馬でそれをどれだけ増やせるかに日々命を燃やしていた。それを暖かく見守る両親。ほほえましい家族愛でしょ。

我が家ではお勉強が出来るよりはバクチに強いのが良い子とされていたので、私は親戚中の落ちこぼれだったの。博才がないらしい。小学3年の時、正月の親戚麻雀大会に「セブンブリッジと同じだから」とダマされて初出場。お年玉を全部巻き上げられた上に、初借金まで作ったとゆートラウマがある。だから今まで麻雀なんか大っきらいだった。

中学生の時「麻雀は難しいからやらなーい」と宣言したら、母は「まりは反抗的になった」と嘆いていた。父は「麻雀は必修科目だろーが」と怒っていた。

大丈夫だよ。お父さん、お母さん。まりは立派に更正しました。知らないおじさんに麻雀を教えてもらったよ。これからもっと精進して、親孝行するからね。だから先日家に帰った時の花札での負け分は、もうちょっと待っててね。