まりの麻雀日記


第7話「ナンパで麻雀」

その頃私には麻雀の出来る女友達が1人だけ居たの。 幼なじみのアキちゃん。私と同じプレステ仲間さ。 ピンの雀荘に通い詰めて懐の淋しくなった私はある週末アキちゃんにこぼしていた。

「あーあ、麻雀はやりたいけど、もうピンはキツイよ。でもさセットでやるには人数居ないしさ、 うちの家族は私の事なんか相手にしてくれないしさ」

「打ってくれる人探せばいいじゃん」

とアキちゃん。今日は週末、東京の繁華街のド真中。 若いオナゴが二人で歩いていればよっぽどの妖怪で無い限り10mおきにお声がかかる。 これを放っておく手はない。

「ねー、彼女達どこ行くの?」とくれば
「んー、最近麻雀に凝ってるのぉ。2人しかいないから今日はどうしよーかなーぁと思ってたのぉ」

ブリブリ♪と私達。3組に一組はOKだね。「初心者だから0・2のレートでね」で、交渉成立!でも、その後が結構大変。卓を囲みながらも男性陣は、「やっぱりカラオケ行かない?」などと言い出す。

「ここ1時間200円だからカラオケより安いよ」と私達。もくもくと打つ。
「ねー、やっぱ飲みに行かない?おごるから」
「ここビールあるから、ここでおごってよ」もくもくと打つ。
「じゃあ電話番号教えてよー」
「郵便番号なら教える」さらに、もくもくと打つ。

大抵の男性陣は半荘1,2回で勝っても負けてもあきれて帰ってしまうのでした。毎週こんなことをしていた私達でしたが、ある日パチンコ帰りの我が家の父上に、男の人から声を掛けられて喜んでいる所を目撃されて、こっぴどく怒られてしまった。

「ちがうよーお父さん。麻雀できる人探してただけなんだよぉ」
「ばか。だったら、もっとカモれそうなの狙え!」

とさらに怒られた。ごめんなさい。もう2度としません...。