まりの麻雀日記


第3話「罰符地獄のはじまり」

何ひとつ懲りてない私は、それからも雀荘通いの日々。 毎日居るお客さんは、たいてい同じだから、だんだん顔見知りになってきた。 すると、みんな私と打ちたがるの。 人気者?!と思ってたら意味が違うらしい。

「まりちゃん、万能ネギしょってるからー」 と言われた。きー、くやしー。 特に店のメンバー(店員)は競って私の卓に入りたがる。

メンバーさんって負けたときは自腹なのよ。 だから、ほとんどの人は店からアウト(前借)していて給料がマイナスの場合も珍しくないらしい。 衣食住は保証されてるから死なないけどねー。 そんなマイルドに生活かかってるメンバー連中相手に私は今日もノー天気だった。

オーラスの親。現在2着。トップとの差は3千点。 マクリのチャンスだわ。3巡目イーシャンテン。 「中」をポンしてテンパイ?? と、思っていたら「中」が出た。

「ポ・・」いや待てよ。これテンパイじゃねーか! ドラと「中」の得意のバッタ待ち。 考えてるうちにロン出来ずトイメンのツモ番。ドラを切る。 ふっふっふ。そっちは役が無いからアガれないだよネ。 私も解ってきたよねぇ。心の中で自画自賛。 次の「中」が出たらロンだよん。 赤ウーも入ってるから中ドラ3でマンガンじゃん。 親マン確定。マクれるぅー。 しかもダマなんて大人っぽーい。

そして、上家が「中」を切った!

ローーン♪アガれる方!マンガーン

「...どっちもアガれないです。しかもマンガン払うのはまりさんです」

とメンバーの冷静なお言葉。 「え?!なんで、なんでー、役がある方じゃん!」 メンバーが河にある二つの「中」を指差す。

「...」

あぁ、やってしまった。同巡に出た「中」だったわね。明らかに。 これで負けぎまり。おかげ様でキレイさっぱりラスだったとさ。 これが私の罰符地獄の始まり。さらに、つづく...。