産地訪問記.1999.8.15
長野県下伊那郡大鹿村




 長野県諏訪郡原村で手作りログハウスを作って休日を過ごしている学生時代の友人と家族みんなでお盆休みを過ごすために信州に行く事になり、その途中に位置する長野県下伊那郡大鹿村を訪れました。

 大鹿村は、3年前に一度訪問し、食肉牛を肥育しておられる「青木さん」「福沢さん」らの牛舎を見学させてもらった事があります。今回の訪問では見学だけでなく、食肉牛、乳牛、やぎ、合鴨、平飼い鶏などの動物といっしょに一日半の間を楽しく過ごしました。


 8月15日の早朝に京都を東へと向かって出発しました。あいにく、天候はあまり良くはありませんでしたが、雨も降ることはなく曇り空のもと 名神高速道路を京都南ICより名古屋方面へ高速を走らせました。お盆休みの帰省の混雑に巻き込まれ、中央高速の分岐点までは通常より二倍の時間がかかってしまいました。さらに中央高速を1時間ちょっと走ると松川ICに到着し、そこからは一般道を大鹿村に向かって川沿いの山道を上流へと進みます。1時間弱で大鹿村役場へ到着しました。
 まず始めに、食肉牛を肥育している『青木さん』の牛舎に向かいました。

 役場を南へ少しで大河原地区です。目印の小渋橋を右に2分ほど行くと小さな山になった斜面に牛舎が見えてきました。3年前に子供たちは見学に1度来たことがあったのですぐに分かりましたが、牛肉の加工をしておられる『まあの』の『小村さん』が連絡を入れて下さっていたので、青木さんの奥さんの『道子さん』がすぐに車を見つけて案内に出てきてくださいました。
 残念ながら、青木さんは建築中の牛舎の材木のことで外出中でした。

青木さんの奥さん 道子さん大鹿村の牛舎内部の青木さんの奥さんの写真

 私は始めての訪問だったので、牛舎は清潔にしてあり、牛の糞の臭いがまったくなかったのには大変驚きました。
 にんじんくらぶで売られている真っ黒な『F1牛』と、やや茶色がかった和牛が仲良くいっしょに約40頭がこの牛舎で肥育されていました。

 牛舎では騒ぎすぎると、牛が驚いて暴れるので子供たちの訪問はあまり良くないそうですが、ここの牛たちは、えさを食べている前で5年生の子供さんの『連くん』がサッカーボールを蹴って良く遊んでいるので、慣れっこになっていて、まったくの平気でもぐもぐ口を動かしたり、寝そべってこちらを見ているだけでした。

青木さんの牛舎内部大鹿村の青木さんの牛舎内部の写真

 飼料については、一番気になるところで、自家配合飼料で十分に気を使って選択されているそうですが、大豆粕などは 表示の関係で遺伝子組換え作物が使われていないとは言えなくて、現段階では分からないと答える状況だそうです。

 大きな牛舎の横に2つのやや小ぶりの牛舎があり、先ほどの牛たちよりも小さい牛たちが30頭ほどいました。
 牛の出産がまじかになると、村営の牧場に預けられ、生まれるとすぐに戻ってきます。生まれたての牛から一年ほどの飼育は、だいたい奥さんの担当で、大変よくなつくていました。生後3日目の牛もすでになついていて ペロペロと道子さんの手をなめていました。
 その横にはだんだんと成長していく牛の年齢を 幼稚園、小学校1・2年、3・4年、5・6年、中学生、高校生などと説明しながら案内してくださったので、子供たちも話を良く聞き入っていました。

もうひとつの牛舎で散歩する若い牛たち青木さんの牛舎で散歩する若牛の写真

 いちばんよく運動をさせなければいけない、小学校5・6年から高校生ぐらいまでの牛は牛舎から外へ出ることが出きるようになってあり、日のあたるところで数頭ずつがかたまってのんびりとしていました。ちょっとした工夫で牛の運動場ができていました。
 おおよそ24〜30カ月弱の肥育期間で出荷されるまで、この牛舎で順次、牛小屋を移動し 成長していきます。
 このようなのんびりとした大鹿村の地でゆっくりと肥育されている牛肉はやっぱりおいしい。ぜひ、にんじんくらぶ店で買ってみて欲しいです。

 今回は『まあの』さんの勧めで大鹿村の民宿で泊まることにしました。
 大鹿村には大変ユニークな体験民宿や伝統的な旅館などもありますが、廃校の中学校を移転して作られた『延齢草』と言う民宿にお世話になりました。建物は、かなりの部分が再利用されて昔の中学校が再現されてあり、始めて訪れた私にもなにか懐かしさを覚える風景と香りを感じました。
 オーナーは、『アルプ・カーゼ』という手作りチーズを製造している『小林俊夫さん』です。自らも田んぼや畑を有機栽培でこだわりをもって実践し、作物を作っていました。

アルプカーゼの動物たちと小林俊夫さんアルプカーゼの動物たちの写真   延齢草の外観延齢草の外観の写真

 食事は横の畑で作られた無農薬の野菜と自家製造の手作りチーズをメインにした『チーズフォンデュウ』で、子供たちはみんなめずらしく、おいしさも満足のできるものでした。
 また、2分ほど歩くと母屋の『アルプ・カーゼ』があり、そこには牛、鶏、山羊などの動物たちがのんびりと育てられ、乳牛の生まれたての赤ちゃんを触ったり、鶏を追い掛け回したり、山羊の乳搾りなどの貴重な体験もでき、私たち家族は大はしゃぎでした。

 さらに、前日に開催されるはずであった、『大鹿村 大花火大会』が雨天順延されて当日の夜に開催され、車で10分ぐらい走って花火の打ち上げ会場まで行って見ることができました。 けっこう大きな夏祭りで、花火も2時間以上の間 次々とあげられて その花火の音に驚き、花火の大きさ、きれいさにさらに驚きました。
 花火が終わった後は、『延齢草』に戻るため山道を帰りましたが、街頭も道しるべもない真っ暗がりの道を迷い迷いでようやく着きました。さらに、『延齢草』の前では、あまりの光のない中での夜空の星の数の多さに、美しいというよりも恐ろしがっているようにも見えましたが感激していたようです。
 みんなとても遊び疲れてぐったりとなって、部屋に入るとすぐに眠ってしまいました。
 大変疲れましたが、みんな大満足の大鹿村訪問でした。

 翌日 私たちは友人のいる諏訪郡原村へと向かいました.



 以下の写真は、7月の末から8月の始めにかけて にんじんくらぶのお客さんや他の消費者団体の方など、約30人で方々が大鹿村を訪問したときの写真です。私たちの訪問ではお会いする事はできませんでしたが、牛の生産者の青木さんと福沢さん、農業の鈴木さん夫妻たちが取り組みを話してくださいました。


青木さんと小村さんの写真
牛舎の中で飼料などの説明をしてくださっている青木さん(右側)とこのツアーの主催者である『まあの』の小村さん(左側)。                        




福沢さんの写真
酪農を中心に、5年前から牛の肥育もされ、『まあの』さんに出荷されるようになった2代目の福沢さん。



鈴木さんと奥さんの写真
大鹿村に入植されて15年ほどの鈴木さんとにんじん畑。。この地で生まれた中学の子供さんも よく畑の仕事を手伝ってくれるとの事でした。


 
大鹿村の牛は、空気も水もおいしい南アルプスの麓の標高700より1000mの高冷地で育っています。子牛の成育時期には粗飼料(青草・わらなど)をたっぷりと与えて骨格と内臓をしっかりと作り、一歳以降の肥育時期には独自に工夫をした自家配合飼料を与えるなどをし、薬を使わなくても澄む肥育を実現しています。

 青木さんは大鹿村への入植は20年余り、福沢さんはお父さんが開拓入植された二代目の酪農家です。ともに勉強熱心で,F1牛の肥育技術ではすでにハイレベルに達しており、高い品質の食肉を供給しておられます。


 ぜひ、にんじんくらぶで御買い求め下さい。



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