7. 旅 行 ア ル バ ム (18)


「至仏山登山と温泉」


日本百名山の「至仏山」に登り、下山後に秘湯「幡谷温泉 ささの湯」に浸かる旅

「至仏山は私にとって畏敬の念をもって接する山である。」

「至仏山」(群馬県、2228.1m)は「日本百名山」を記した深田久
弥によれば、その呼名は片品側での呼名で、利根の側では岳倉
山と呼ばれているというが、近年は「至仏山」一辺倒でなかろうか。

1997年に再開された登山道「山の鼻ルート」は蛇紋岩という非常
に滑りやすい岩石の上を行く登山道で、蛇紋岩地帯特有の高山植
物が多く咲くのだが、登山者のマナー不足でこの高山植物が踏み
荒らされ、高山植物保護の為再度登山禁止とされるという噂もある。
私は、2003年6月30日に鳩待峠〜小至仏山〜至仏山〜山の鼻という
コースで至仏山に登るべく、尾瀬戸倉スキー場から鳩待峠にタクシー
で入ったのだが、その鳩待峠休憩小屋で「至仏山」の登山は7月1日
登山解禁で、今日は6月30日登山禁止で登ってはダメだというのだ。
がっかりして、鳩待峠〜アヤメ平コースで尾瀬を探索して帰って来た。

そして、もう何年かすると、いや来年にも、至仏山が全山登山禁止
になるという噂もあるので、今年2004年至仏山に登ったのであった。
そんな訳で、至仏山は私にとって畏敬の念をもって接する山である。

敬いて 仏に近づく 至仏かな




◆◆◆◆◆ ご あ ん な い ◆◆◆◆◆


◆【交通・往復】マイカー 「南浦和駅」 〜 「関越自動車道沼田I/C」 ◆前夜の内に「尾瀬戸倉スキー場」の駐車場まで行き、車中泊。 駐車場には沢山のマイカーが翌朝の早朝のバスを待って仮眠している。 ・・・・・・・・初日(2003.7.3) 【注】始発バスは午前4時。駐車場内にトイレあり。 ◆ドライブ   南浦和発2000 → 外環戸田西2010 → 赤城高原SA2130(15分休み)/2145 発 → 沼田IC2150 → 尾瀬戸倉スキー場駐車場着2240 ★【夜食後、仮眠=マイカーの中で】・・・2400〜0500 【注】深夜2240では、広い駐車場に空きあり。 ◆起床0500・・・食事0530(駐車場でガスコンロで湯を沸かしカップ麺を食べた。) ・・・・・・・・2日目(2003.7.4) ◆バスは、0400から、臨時バスが出た。 ◆0645バスの代わりのタクシーに乗り鳩待峠へ向かう(バスと同じ料金=1人 900円)・・・(15分)・・・鳩待峠着0700 「至仏山登山」 ◎登山開始「鳩待峠休憩小屋」発0720〜(35分)〜休憩0755/0805発〜 (35分)〜オヤマザワ田代(水場)・休憩0840/0855発〜チングルマ の群落地・休憩0905/0920〜(40分)〜小至仏山・休憩1000/1010発 〜(50分)〜至仏山山頂1100(食事・休憩)/1220発〜(40分)〜小至 仏山・休憩1300/1310〜(25分)〜お花畑1335〜ワタスゲ・池塘1340 〜オヤマザワ田代(水場)1345〜「鳩待峠休憩小屋」着【1445】 ■休憩してビール、軽食。 ■所用時間 = 登り・・・3時間40分(休憩含む)   = 下り・・・2時間25分(休憩含む) ◎タクシー1530・・・(15分)・・・尾瀬戸倉スキー場駐車場着1545   「温泉=ささの湯」へ ◆マイカーで「尾瀬戸倉スキー場駐車場」から約30分 ◆【見所】 至仏山 = オヤマ沢田代〜小至仏山の間の木道の両脇のお花畑が 見事。   森林限界を超え、木道を行くと、ハイマツの中に沢 山の高山植物が咲いている。 チングルマ、イワカガミ、・・・・・・純白の綿毛 のワタスゲなどである。 温 泉 = ◆「ささの湯」 数年前にオープンした小さな温泉施設で、温泉ファ ンには掛け流しのお風呂が人気の温泉である。 お風呂の他に休憩室、広間、個室などもあり、入浴 と食事だけでもできる。 また、低料金で宿泊も可能である。 至仏山や尾瀬の登山、ハイキングの宿に、又帰りの 日帰り入浴に最適の秘湯である。

◆「尾瀬(至仏山等)・鳩待峠口の交通対策」 「鳩待峠口の交通対策のお知らせ」の公式ホームページはこちら!

※利用が集中すると予想される5月から10月の週末を中心に、津奈木〜鳩 待峠口間で群馬県公安委員会による交通規制が行われます。 なお、戸倉地区から鳩待峠口までの間は乗合バス・乗合タクシー(有料) が運行されます。

◆温泉データ 「ささの湯」 ※ 住所 群馬県利根郡片品村幡谷535番地 ※ 電話 0278‐58‐3630 ※ 営業時間 10:00〜21:00 ※ 休館日 第1・3水曜日 ※ 施設 内湯、露天風呂(各男女別) ・食堂・売店・大広間 ※ 日帰り入浴 大人 500円 ※ 宿泊 1泊2食 平日7000円、休前日7800円。 ※ 交通 【車】関越自動車道「沼田IC」から約30km 沼田ICから国道120号線を尾瀬方面に向かい、椎坂峠、 吹割の滝を過ぎ、平川交差点(信号)を左折し少し走ると 左側。 ※ セールスポイント ☆☆☆評判の「美人の湯」    露天風呂が少し温めで、登山の疲れを取る長湯をするのに丁 度よい温度で素晴らしく気持ちがよい。 立ち上がれば露天風呂の前を流れる塗川の流れも見える。 源泉100%かけ流しの風呂は、肌にサラサラ、ヌルヌルすると、 常連さんたちの間で「美人の湯」と評判。湯上りもしっとり。










§写真による案内(「至仏山」登山)


◆ 「尾瀬の入口・鳩待峠」


鳩待峠の「無料休憩所」
尾瀬戸倉スキー場の駐車場から、バス15分(900円)の鳩待峠。
「無料休憩所」では、登山前に朝の食事をしている人も多い。


早暁の 鳩待峠 小屋近し



鳩待峠の「登山口(小至仏山経由コース)」
いよいよ、「滑りやすい、滑りやすい!危ない!!」と、さんざん
脅かされてきた「至仏山」の登山口に来た。もう引き返せない!


登山口 至仏の山は 静かなリ






◆ 「登山道案内」

至仏山の「お花畑」から燧岳を望む
オヤマ沢田代を過ぎると尾瀬の名物の木道と池塘(ちとう)の
お花畑と、はるかに遠く尾瀬の盟主「燧岳」を見るようになる。


燧岳 尾瀬の盟主は 威風たり





至仏山の「ワタスゲ」
木道のあるお花畑の外れに「ワタスゲ」と
池塘(ちとう=小さな池)の群れが現れる。


ワタスゲの 風に揺れてる 夏休み





「小至仏山」(2162m)
小至仏山は何と読むのだろう?「こしぶつさん」と口にしたら、
山のベテランらしい人に直されなかったから、「こしぶつさん」で
いいらしい。いろんな資料を調べたが未だに読みが分からない。


小至仏山 誰もが至仏と 勘違い





「蛇紋岩(じゃもんがん)」の登山道
至仏山といえば滑りやすい蛇紋岩。切り立つ岩は蛇紋岩の登山道。

屹立(きつりつ)の 岩場は危険な 蛇紋岩





「蛇紋岩(じゃもんがん)」のアップ!!
乾いていてもトロトロと光り輝き、危険な「蛇紋岩」。
雨の時は、まるでアイスバーンように滑りやすくなる。


このことか 蛇紋岩見て 納得し





「至仏山」(2228.1m)
鳩待峠1591mと至仏山2228mの標高差は、約650mと中級向きである。
至仏山は、群馬県の山である。燧岳(ひうちだけ)が福島県南会津郡
檜枝岐村の山であるのに対し、至仏山は「群馬県利根郡水上町と片品
村の山」なのである。深田久弥の「日本百名山」であり、田中澄江の「花
の百名山」でもある。チングルマをはじめとする高山植物の宝庫である。


至仏山 花の名山 四季を呼ぶ





「至仏山山頂」(2228.1m)
「至仏山山頂」は、余り広くない。土日は登頂の記念写真を他人を入れ
ずに撮影するのは至難の技である。しかし、頂上付近は岩陰も沢山あり、
休憩や食事をするには場所的にこと欠かない。遠く越後駒ヶ岳も見える。


至仏山 山頂極め 湯を沸かす





「至仏山山頂」から越後駒ヶ岳を遠く霞み見る。
「至仏山山頂」は、360度の展望が望める。緑ゆたかな尾瀬の湿原、
尾瀬の盟主を任ずる「燧岳」の姿もいいが、越後三山の1つ「越後駒
ヶ岳」の雪渓を抱いた悠然たる姿も又、越後武士の風格が見える。


越後駒 至仏山から見る 姿よし









§写真による案内(「至仏山」の高山植物)




「チングルマ」
北海道から中部地方にかけての高山で広く見られる。
一見すると草のようだが、茎の下部が木質化した低
木で、湿り気のある草地でマット状に生えている。尾
瀬では小至仏山〜至仏山上部のほか、標高1,500m程
度の尾瀬ヶ原や尾瀬沼まで分布している。白梅のよう
な花が終わった後は、花柱が羽毛状にのびた、ススキ
の穂のような果実を一面に実らせ、これも綺麗である。


チングルマ 憧れの花 群れなして





「ハクサンチドリ」
白山(石川・岐阜両県にまたがる火山)に因む名前。チ
ドリ(千鳥)は花の姿から。花の色はピンク色っぽいも
のから濃い赤紫のものまでいろいろ変化に富んでいる。
※左上=ハクサンイチゲ、右上=チングルマ


紫の ハクサンチドリ 楚々として





「ハクサンイチゲ」
白山で最初に発見された。「ハクサンイチゲ」は、漢
字で「白山一華」と書く。高山のやや湿った草原など
に大群落を作る。どこの高山にもよく見られる。高さ
15-40センチの茎の上部に5個ほどの花を付ける。全
体に長い毛を密生しているが、成長に伴い薄くなる。


白い花 ハクサンイチゲ 覚えたり





「シナノキンバイ」
信州に多く見られるので、このシナノキンバイの名前
が付いているが、この仲間は日本全国に広く分布して
いる(特に北日本)。高山の湿り気のある草原に群生す
る。高さ20-70センチになり、上部で分枝する。花の直径
3-4センチ。群落する黄色く大き目な花は一際目立つ。


鮮やかな シナノキンバイ 夏来たり





「ワタスゲ」
高い山の湿原に群生する。綿のような白い綿毛は実である。
花は雪解けとともに咲いてしまい、人はなかなか気付かない。


「ワタスゲの花」を見たい人はこちらのホームページを!

ワタスゲの 白くてふんわり 夏の風





「タカネバラ」
「タカネバラ」は富士山に多く分布していて、「フジバラ」
とも呼ばれている。小さな花が多い高山植物の中で、この
花は大きく、花の色も鮮やかなので出合えたときには感激
する。背丈は1〜2m。花径3〜4cm。四国地方の石槌山と
剣山、中部地方、関東地方北部、東北地方の山地に分布。


タカネバラ 山にハマナス 咲くごとし





「タカネシオガマ」
「タカネシオガマ」はシオガマの仲間。シオガマ(塩竃)は、
花だけでなく葉まで(浜で)美しいことから、海辺で趣のある
塩竃(「浜で」海水を汲み入れて塩を精製するかまど)の名
がついたと言われる。謎掛けみたいだが、決して浜辺で見ら
れる花ではない。羽状に深く裂けた葉が2〜4枚ずつ数段輪
生する。花は茎の上部に密に輪生する。4枚の葉が輪生する
「ヨツバシオガマ」も同じ仲間で薄紫の花で似た種類である。


名の由来 タカネシオガマ 驚きぬ





「ホソバヒナウスユキソウ」
「ホソバウスユキソウ」は、アルプスの名花エーデルワイス
に近い植物で、生育する場所も本州中部の高山帯です。しか
も至仏山や谷川岳のある上信越の高山に限られており、非
常に貴重な高山植物である。葉の幅が5〜7mmと細いものを
ホソバウスユキソウという。「ホソバウスユキソウ」は、草丈25
〜50cm位、「ホソバヒナウスユキソウ」は草丈5〜15cm位。


ビロードの ホソバウスユキソウや 優しくて





「ジョウシュウアズマギク」
「ジョウシュウアズマギク」は、アズマギクが蛇紋岩地で変性し
たものである。群馬県と新潟県の県境付近の高山に分布し、至
仏山では、小至仏山から至仏山に至る瓦礫地帯に咲いていた。


登山道 ジョウシュウアズマギク 人を止め





「ジョウエツキバナノコマノツメ」
谷川岳や至仏山のキバナノコマノツメは葉が厚くて濃緑色をしており、全
体に小振りだがしっかりとしている。これは蛇紋岩変性を受けたものとし
て「ジョウエツキバナノコマノツメ」の名で別品種として区別されている。


上越の 山に咲く花 コマノツメ










§写真による温泉案内(幡谷温泉「ささの湯」)



尾瀬の山「至仏山」に登山して、帰りに「ささの湯」という秘湯に立ち寄り入浴した。
パンフレットによれば、「尾瀬武尊(ほたか)山麓の秘湯 幡谷温泉 ささの湯」とあ
る。

「ささの湯」は数年前にオープンした小さな温泉施設で、温泉ファンには掛け流しの
お風呂が人気の温泉である。
お風呂の他に休憩室、広間、個室などもあり、入浴と食事だけでもできる。
また、低料金で宿泊も可能である。
そんな訳で村営の日帰り温泉と思っていたら、民間の温泉だと、女将さんに聞いてび
っくりした。
5室のみだが宿泊も出来るという(平日7000円=2食付。休前日は7800円。
消費税が内税になったときに200円値下げしたというから良心的だ!応援したくな
ります!)

※交通 = 沼田ICから国道120号を尾瀬・日光方面に22.7km進む。T字路(平川)から
         県道64号を武尊牧場スキー場方面に 800m進んだ川沿い。
 
※住所 =群馬県利根郡片品村幡谷535

※電話 = 0278−58−3630

◆「ささのゆ湯」の写真



「ささの湯」の建物

                                     今から10数年前のこと、「ささの湯」開祖の宿のご主人は、熊と戦い負傷した。
そんなとき、自分の畑に湧いていた湧き水で体を洗い、その水を毎日沸かして風
呂に入ったところ、医者に掛かってもなかなか治りの悪かった熊の爪傷が、いつ
しかすっかり癒えてしまったのだという。
これは凄いことだと、ここに温泉を掘ったらどうだろうと、残りの人生を温泉掘
削に賭けたところ、執念が実って温泉が湧出した。
そんないわれを持つ「ささの湯」。内湯は男湯が鉄平石風、一方女湯は緑がかっ
た石でできている。
ささの湯や 至仏の麓 美人の湯




「ささの湯」の露天風呂
露天風呂が又、少し温めで登山の疲れを取るため
に、長湯をするのに丁度よい温度で素晴らしくいい。






「ささの湯」の露天風呂(上記と同じ浴槽)
立ち上がれば、露天風呂の前を流れる塗川の流れも見える。
源泉100%かけ流しの風呂は、肌にサラサラ、ヌルヌルする。
常連さんたちの間でも「美人の湯」と評判。湯上りもしっとり。


ささの湯や 肌に爽やか 尾瀬の風





「ささの湯」の外の景色
宿の前を流れる塗川の流れ。旅情漂う自然の姿がそこにあった。









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