2. おすすめの秘湯

◆◆◆◆◆ 『霧積温泉 きりづみ館』 ◆◆◆◆◆

2−37 明治時代を再現の六角風呂の『霧積温泉 きりづみ館』


森村誠一の小説「人間の証明」に引用された、詩人「西条
八十」の「帽子」の詩に登場する「霧積温泉」とは、どん
なところだろうか?
何かとよく話題に出る温泉だが、一度も行ったことがなか
った。
「秘湯中の秘湯」というイメージに少し恐れていたのかも
知れなかった。

近くに、旧国鉄の「信越本線」の線路として使われていて、
今は廃線となった「めがね橋」や「碓氷湖」などの立ち寄
ってみたいところもいろいろある。
そして、登山としては、上信越国境に異様な山容を見せて
そびえている「鼻曲山」にも登って見たいと、2005.4.24
に日帰りでチャレンジした。

「上信越自動車道」を「松井田妙義インター」で降り、国
道48号経由、県道56号を走り、「霧積温泉  きりづみ館」
の駐車場に駐車させてもらった。
前日、「下山後日帰り入浴するので、車を止めさせてもら
ってよいですか?」と聞いたら、「はい。」との返事とも
に、「入浴の600円ですが、入浴のみは休憩室がないから、
1600円でお部屋を使えるから、登山で疲れた人はそれがい
いですよ!」とのこと。
それで、部屋も予約して登山に向かった。

写真は、「きりずみ館」の玄関にある「帽子」の詩(2005.4.24撮影)
この詩を実際に詩や小説の舞台となった現地で読むと味わい深い。
      帽   子 
             西条八十先生 作   

--母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?
ええ、夏碓井から霧積へ行くみちで、
渓谷へ落としたあの麦稈帽子ですよ。
--母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
--母さん、あのとき、向うから若い薬売が来まし
たっけね。紺の脚絆に手甲をした---。
そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれま
したっけね。だけどとうとう駄目だった。
なにしろ深い渓谷で、それに草が
背丈ぐらい伸びていたんですもの。
--母さん、本当にあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍に咲いていた車百合の花は、
もうとうに枯れちゃつたでせうね。そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが鳴いたか
も知れませんよ。
--母さん、そして、きっと今頃は、--今夜あたりは、
あの渓間に、静かに雪が降りつもっているでせう。
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y・Sという頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく--。

詩の筆写は、「きりずみ館」の玄関先の看板から (2005.4.24)



 交  通 

  (マイカー) ・外環「戸田西IC」〜上信越自動車道「松井田妙義IC」    〜国道18号経由 〜 県道56号線 〜 霧積温泉    【参考】戸田西IC〜霧積温泉=3時間弱(上里SAの休        憩を含む)



『霧積温泉 きりづみ館』の案内


写真は、「きりづみ館」の六角風呂(2005.4.24撮影)
この六角風呂(内湯)は、午後9時に男女が入れ替 わる。日帰りの場合、下山後の入浴時間(午後2時 頃)に六角風呂が男子の入浴になるのは1日置き。

@ 営業時間

A 料 金

B 温泉施設

C セールスポイント

   

D 住 所

E 電 話


写真は、「きりずみ館」の玄関(2005.4.24撮影)

★「きりずみ館」と「金湯館(きんとうかん)」
あるガイドブックによれば、「きりずみ館」の更に  徒歩20分奥に位置する「金湯館」は、「きりずみ館」  の旧館に当たるとのこと。  又、「金湯館」のホームページの説明では、『明治初  期から霧積山一体には、旅館や別荘など42軒が点在し、  軽井沢が開かれる以前の避暑地としてその名を馳せて  いたようです。・・・・明治43年の大洪水で山津波が  霧積山一体を襲い、金湯館ただ一軒を残し、全ての建  物が泥流に呑まれてしまいました。』とある。  いろんな資料を元に検討すると、泉質は「金湯館」、  「交通の便とムード」では「きりずみ館」となるよう  である。  【注】作家・森村誠一が宿泊し、小説「人間の証明」    の舞台となったといえる宿は「金湯館」と思われ    る。





◆ 鼻曲山登山

浅間山や妙義山の展望台は『鼻曲山の小天狗』



『鼻曲山』の大男の鼻(2005.4.24撮影)

『鼻曲山』はアプローチの道すがらではなかなか姿を見せない。貴重な1枚の写真である。



◆「鼻曲山登山」(1,654m)のコースタイム

  「霧積館」前発08:25 〜 鼻曲山登山口(「金湯館」分岐) 08:45 〜 Тの字標識(山頂へあと3キロ)09:15 〜 鼻曲山山 頂着(大天狗)1055    【注】山頂で昼食=インスタントラーメン。       食事用飲料水(2人分)=2リットル、登山用飲用水(1人       分1リットル)    下山開始12:00 〜 鼻曲山登山口(「金湯館」分岐)〜 きり    づみ館着13:50  ◆「鼻曲山登山」の地図を忘れて、「きりずみ館」のおばさん     に道を聞いたら、「案内の看板が出ているし、昨日沢山登っ     ているから道に迷うようなところはないよ!」とのことで、     安心して登ったが、展望に優れず、浅間山は木の枝の陰で写     真にならなかった。     帰宅後に地図を調べたら、どうも、大天狗よりも少し離れた     小天狗という頂の方が眺めがよいらしく、そこから浅間山や、     妙義山がよく見えるらしい。     旅館も「金湯館」にも未練があるし、紅葉の頃にでも「小天     狗」を制覇しないことには、片手落ちの登山のようである。





◆ 周辺の観光案内

『めがね橋』



『めがね橋』を定番のアングルから(2005.4.24撮影)

旧国鉄の旧信越本線の碓氷第三橋梁は通称「めがね橋」と
言われている。国道18号線を横川から軽井沢に向かって
走ると、碓氷峠鉄道文化むらを過ぎた辺りに見えてくる。
国道の左側に2か所駐車スペースがある。


  ※「めがね橋」の問合せ先
   松井田町商工観光課  電話027-393-1111




『アプトの道』の標識(2005.4.24撮影)

懐かしい響き!
「アプト式」は、遠い昔、鉄道少年の胸を膨らます響きがあった。
国道18号線から、「めがね橋」をくぐり、この標識に沿って、「ア
プトの道」という階段を登りきると、「めがね橋」の上に行ける。




『めがね橋の上』は歩けます!!(2005.4.24撮影)

『めがね橋の上』はどうなっているのだろう?!
『めがね橋』の写真を見るたびにそう思っていたのは私だけではないと思う!
念願かなって、国道18号線から、「めがね橋」をくぐり、この橋の上に立った!
ちゃんと整備されていて、公園の一部となっている。そして、トンネルもある!




旧信越本線の『トンネル』も歩けます!!(2005.4.24撮影)

『めがね橋の上』には、 旧信越本線の『トンネル』もあった!!
若い二人が手を取り合ってトンネルに入っていった。あの二人
の将来は、長い長いトンネルなのか?それとも、あっという間に
くぐり抜けて、広い広い「広野原」へと出れるのであろうか?!

あなたには、トンネルの向こうに一筋の灯りがみえますか?→見えない人は眼鏡屋さんに!





『霧積温泉 きりづみ館』の公式ホームページはこちら!

『財団法人 碓氷峠交流記念財団』の公式ホームページはこちら!



「写真入り掲示板」もご覧下さい!