★鹿島屋ロータリーはかく響きけり




  記念すべきMP3公開第一弾は、本サイト誕生の鹿島屋旅館主人自らが特別参加した、1982年 第42回定期演奏会(メイン「悲愴」)より、歌劇「ローエングリン」最終部分だ。


 当時、3人目のプロ指揮者として、堤俊作氏を迎え、金大合唱団、オルガンを模した金管バンダ隊、ステージ左右そでに並んだトランペットのファンファーレ部隊を含めた超大編成のスペクタクルを演じた(下写真)。この演奏会以後、合唱を伴った大編成による演奏は、16年後、第58回定期演奏会の「第九」まで、待たなければならない。


       第42回定演よりローエングリン舞台
             堤俊作氏と金大フィル/ローエングリン舞台 1982年


 当時、金大フィルは団員数150名に迫る大所帯になりつつあり、何事においても拡大路線にあった時代のひとコマと言えるだろう。京大との合演等を除くと、ステージ上に乗った人間の数から言えば、最大規模だったように思う。
 「ローエングリン」はちょうど10年後の、第52回定期演奏会(メインはブルックナー7番)で、再演されている。このときは、合唱なしのオケだけのバージョンだった。

 尚、このような合唱団との共演が実現した背景には、この演奏会のちょうど2年前に実現していた「音楽の広場」の出演が、契機になっていると思われる。このとき、NHKのお膳立てだったとはいえ、合唱、バンダ隊を含む「アイーダ」の演奏を経験しており、この成功体験が、下敷きとなっていただろう。この当時の団長は、西川氏(Fg)だったが、大変なマネージメント上の苦労があったと想像する。


  鹿島屋主人も、出演に当たり、当時ヤマハより国内初発売のC管ロータリートランペットを新たに購入され、二上山(青年の家)合宿への参加も含め、万全な体制で本番に臨んだとのこと。見事なファンファーレを聴くことが出来る。そのロータリートランペットは、金大フィルでも本番で何回か使用されており、今は、京都大学交響楽団にあるとか・・・。



  旅館も臨時休業をし、家族総出で父の雄姿をまぶたに焼き付けるべく、当日を演奏会を迎えたとのことだ。しかし、当のご子息は金大フィルの演奏があまりに心地よかったためだろうか。肝心の父の出番のファンファーレ部分では、御主人とのいびきの共演をしながら、桃源郷を彷徨っていた。


★関連リンク
・金大フィルのワーグナー演奏履歴
・第42回定期演奏会データ


第42回定演パンフレット表紙
プログラム表紙

合唱団とともに渾身の名演奏

1982年1月23日
第42回金大定期公演 ・厚生年金会館 指揮:堤 俊作 コンサートマスター:纐纈直樹
主席(酒席)バンダTp:谷内文雄

ワーグナー/歌劇「ローエングリン」より
最終部分

時間1分39秒 (ファイルサイズ1.57MB)