龍野tatsuno |
兵庫県の西播磨地域、姫路の西側にある龍野は、脇坂藩五万三千石の小さな城下町。三方を山に囲まれ、川に面した地形から、小京都の一つにも数えられている。揖保川の西岸に広がる市街地には、江戸時代の初めごろに城下町が整備された頃の町割りの多くがそのままに残り、いくつもの通りで古い町並みが見られる。 商家町だった上川原町・下川原町などには、揖保川に沿って続く通りに町家が並ぶ風景が見られ、如来寺近くの浦川の水路に沿って醤油蔵が並ぶ風景(タイトル写真)がよく知られている。また、龍野城址に近い「旧脇坂屋敷」(脇坂藩主の住居)の周囲では白壁の塀が続く武家町らしい町並み(左写真)が残るなど、地区ごとに異なる景観が見られるのが城下町らしい。 龍野は醤油の町で、うすくち醤油の発祥の地となっている。町のあちこちに醤油蔵が並ぶ、酒どころにも似た風景が見られる。ヒガシマル醤油の本社はこの龍野にあり、旧本社である洋風建築の建物が「うすくち龍野醤油資料館」(左写真)として公開されている。この地域は、「揖保乃糸」で知られるそうめんの産地でもあり、古民家を利用した飲食店などでそうめんを食べるのも楽しい。
→重伝建地区一覧
→小京都一覧
→旧バージョン