

96年は事件が沢山ありました。



チーの特技のところでも書きましたが、この年の私の誕生日にチーのお友達を買ってやりました。
と言うのもいつもピアノに映っている自分の姿に見入っているので、
きっと一羽で寂しいのだと思ったからです。
それで私の誕生日をきっかけに、チーと同じ黄色いインコの雛を買って来ました。
その喜びようと来たら、2羽でじゃれあってよく遊びました。
チーは自分も雛の鳴きまねをしたりし、とても嬉しそうで、私も満足でした。
ところが、チビと名づけたその子は元々病気だったのか、餌の与え方がいけなかったのか、
一週間もしないうちに餌をもどし始め、あっという間に死んでしまいました。
(関連:ものまね)
この時、チーも病気をもらってしまったのか、それから2、3週間後、大下痢をし、
もはやという死の恐怖を味わいました。
(ペペチン登場へ戻る)



その日、朝起きてチーを見ると、ビチョビョのウンチをして、うつろな目をしています。
あわてて化粧をし、タクシーに飛び乗り、病院へ行きました。
診察台に乗っているチーは私の分身のようで心細く、不安げでした。
そして、白い飲み薬との格闘が始まりました。
チビを連れて行ったときもその前の鳥のときも、ここの病院で出される薬は、いつもこれでした。
しかし、どの子も飲ませた甲斐なく、逝ってしまったので薬をもらっても、
死の恐怖は拭い去る事はできなく、不安と悲しみで一杯で。
でも絶対に死なせたりしないという思いで必死で飲ませました。
今思えばこの時から、白い薬との長い付き合いが始まったわけです。
病院ではこの薬を朝昼晩と寝る前に飲ませるように指示されました。
寝る前って、私が寝る前だろうか。
それともチーが寝る前だろうかと、思いながら毎日格闘しました。
本当に格闘でした。
第一、手が嫌いですからそんなに簡単に捕まる筈がありません。
その薬と言うのは抗生物質なのですが、白い粉を水で薄めたもので、
5cm位のスポイド式の飲ませ口がついたビニール容器に入っています。
底に粉が沈殿するので、飲ませる前に良く振らなければなりません。
しかし冷蔵庫からその容器が取り出され、振っているのを見ただけで、遠くへ行ってしまいますから、
私たちはこっそり隠して振らなければなりませんでした。
後になって、籠の中で捕まえればよかったと気が付いたのですが、
お互いが疲れ果てるまで追いかけっこをしてしまいました。
やっと捕まっても素直に飲んでくれる訳がなく、一筋縄ではいきません。
あの子は知能犯なのです。
やっと捕まえて飲ませようとすると、舌をだして、容器が口に入らないように、押し出します。
飲ませたと思っても、ペッペッと放した途端に吐き出し、あちこちに白いシミが出来ました。
そっちがその気ならと、コチョコチョっと首をくすぐったりもしました。
嘘のような、この方法は意外とよくききました。



この白い薬は一週間で飲ませてしまうように、いつ行っても厳しく言われます。
この時は三週間飲ませたので、4回病院へ行きました。
しかし、チーを連れて行ったのは初診の時と最後だけです。
と言うのも小さな小鳥にとって、家の外へ連れ出すだけでも大きなストレスとなります。
その上知らない所で、知らない大きな手につかまれ、ショック死してしまうほどのストレスです。
それで私は朝代えたフンのついた新聞紙を持っていって見せることにしました。
そのことについて、獣医さんは少し不満そうでしたが、2回までは、うまくいきました。
でも3回目は違いました。
後になって強い薬をもう三週間も飲ませているので、
簡単には薬は出せないと言うことなのだと分かりましたが、
その時は丁度居合せた院長先生までが出てきて、連れて来ていない事をとがめられ、
嫌な思いをしました。
それで、直ぐ家に電話をかけ母にチーを連れて来てもらったのですが、
「この子を薬づけにする気か。鳥は、フンと一緒にしっこもする。
飼い主ならどういう状態が健康なのか、分かっておきなさい。」
と叱られてしまいました。
そうなのです。
チーはとっくに良くなっていたのです。
お医者さんのおっしゃる事は、よく分かります。
でも、日によってまた水っぽいフンをしたりしたので、良くなったのではと思いましたが、
過去に早く薬を止めて
せっかく良くなりかけていたのに死なせてしまった鳥の事を思い出し、
叉同じ様になるのではと言う不安な気持ちから、自分の中で少しでも異常ならば、
止めるわけにはいかなかったのです。
これが、飼い主の心情です。
