

1999年5月3日(月)
私が歌うとチーも歌う。
ふと声がしなくなったので、籠をのぞくと下に座って嘴を突っ込んで寝ていた。こういう姿を見るのはとても辛く、涙が止まらない。
おばあちゃん達の写真に、思わず大きな声で「チーを助けてください。」とお願いしたら、その声でビックリしたのか籠から出て来て、
部屋にのこのこ歩いてやってきた。
(今日は誰もいないので、いつでも出て来られるように籠の戸も部屋の戸も開けたままにして、玄関においていたのだ。)
その顔を見るとたまらなくなって、声をあげて泣くと、とても心配した顔で涙を拭いている手にとまって来た。
「どうしたの。」と言いたげな顔をしてじっと見ている。
涙がぽたりと落ちると不思議そうに何度も顔を上下に動かし、涙の行方を目で追った。
見ていると、とても心が痛かった。何も知らないで、私の心配なんかして。痛々しくて涙が止まらなかった。
今日は幾度となく手の甲にわざわざとまりに来て眠っていた。寄り添うように。とても気持ちが通っている気がする。
この一年ずっと我慢してたんだなぁ。本当に取り返しのつかない事をしたと思っている。
今日も一日が終わってしまった。
じっとチーの寝顔や、腕にかかる重さを感じていると、どうかこのまま時が止まってくれるようにと願わずにはいられない。
ずっとこのままでいられたらどんなにいいか。
チーの命がある。これ以上の幸せはない。

5月5日(水)
ビデオの中にチーの姿をとどめようと頑張った二日間だった。
あんなこともこんなこともしているところを撮っておきたいとつい欲が出て、眠たいチーの鏡をたたいてみたけど、
とうとう最後まであの頭突きはカメラの前ではしてくれなかった。
昨日、もう出来ないと思っていたのに戸にとまった。(キツツキ)
ペペをリビングに連れて行ったら自分もと言いたげに付いて来たのだ。ずっとそう言う気持ちで籠の中にいたんだなぁと思う。
キツツキ(朝の散歩)の芸も入れておきたかったし、あの変な顔をこする姿(けったいな格好)も(もうきつくてできないのだろうなぁ)
おもちゃみたいに遊ぶ姿をもっと早く撮っておけば良かった。
気持ち的に、ビデオのお陰で救われたと思う。
一万は高いけど、一万ではチーの命は買えないから。
