上行寺と引越のやぐら群

上行寺
 
山号は六浦山、日蓮宗。もと真言宗で金勝寺といったが建長6年(1254)日蓮上人と富木五郎の船中問答によって改宗したとのつたえがあり、新編武蔵風土記稿(江戸時代の幕府によって編纂された地誌)にも「船中問答ありし旧跡なり」とある。
 開山は日祐、開基は荒井妙法であるが、荒井妙法は囲碁に勝って称名寺の仁王像をもらい身延山まで運び日荷上人と呼ばれたとの伝説がある。

あ し
 京浜急行金沢八景駅より徒歩10分

ガ イ ド
 
山門をはいるとすぐ右に「舟繋ぎの松」の跡がありかってこのあたりが船着き場であったことを窺わせる。
 境内には樹齢700年のカヤの木の隣に日荷上人の墓が見られる。
 また寺の縁起によると「徒然草」の著者吉田兼好が本堂裏に草庵を結んだという。
 大晦日には鐘をつく善男善女に甘酒、みかんなどがふるまわれる。               


上行寺
 引越のやぐら群
 
上行寺東の丘から泥牛庵、瀬戸のオヤシキの一帯は古くから「引越」の地名で呼ばれているが、昭和59年ここから中世やぐらの大群集が発見された。
 やぐらは鎌倉・室町時代、山腹に方形に掘り込んだ火葬骨を納めた横穴墓で、主に武士や僧侶が葬られたと言われ中世を知る貴重な史跡となっている。
 上行寺境内の左奥にも昔からのやぐらが残されている。

上行寺に隣接する やぐら

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