梅の花うすくれなゐに咲きしより霞いろづく春の山かげ
〔秋篠月清集〕藤原 良経
一重寒紅は野梅系の紅梅ですが、金沢自然公園にはこのほか「光輝」
「八重唐梅」「楠玉」「未開紅」などが濃淡の紅色の花をつけ、訪れる人々
を楽しませています。
万葉集に多く詠われているのは白梅ですが、紅梅は日本には9世紀頃渡来
その後 “紅色をばかへて梅の花 香ぞことごとににほはざりける”〔凡河内
躬恒 後撰集⁻春上・四四〕などと白梅に遅れて、愛でられました。
古典にもいろいろ取り上げられていますが、源氏物語第三十四帖の巻名
「紅梅」は按察大納言が匂宮に紅梅を贈ったことによるものといわれます。
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