飼い主は両膝をついてすわり、股の間に犬を背中側から抱くようにして座らせます。左手で犬の前胸を、右手で犬の口をもって、「マテ!」と言いながら静止させます。
犬がもし暴れても、決して犬に負けないで、「イケナイ!」といいましょう。
そして手に力を入れて押さえ、犬が静かになったら、すぐ手をゆるめて「ヨシヨシ!」とほめて撫でてあげます。
この事を繰り返してください。犬が従順に飼い主の言いなりになったら徐々に止めます。どんな場合でも犬が抵抗している時に、中止する事は絶対ないようにして下さい。
それは犬が暴れればやめさせる事が出来ると自信を持つからです。
飼い主に犬の背を向けさせるのは、飼い主に絶対の信頼感を犬に感じさせるためで、犬と向かい合って座ってはいけません。犬にライバル意識が出来てしまうからです。
個体差があり、早い犬では5分、抵抗する犬でも10分ぐらいで静止するようになり、なかには居眠りをすることもあります。
こうなれば大成功、徐々に止めて1回目を終わります。1日に2〜3回は行って下さい。

このレッスン中に、飼い主の手を遊んで咬んだりする癖もなおしておきましょう。
手を咬む行動は、犬のもつ順位制という習性(権勢本能)からくるもので、初めは甘えの様に見えますが、自分の思い通りになるか、ならないかで、自分より強いか、弱いかを判断する行動の一つです。
早くやめさせておかなければ、犬がボスになってしまいます。
方法は鼻先に手をちらつかして、咬みたくなるように誘惑し、咬んできたら
厳しく「イケナイ!」といいなから、強く口を握り振るか、または手を口中へつっこんでください。これを2、3回やると二度と手を咬む事をしなくなります。