フィラリア症は、蚊によって移された寄生虫が心臓内や肺の血管内に寄生することによって起こる病気です。
この寄生虫は、♂10〜15cm、♀25〜30cmのそうめん状の虫で主に心臓の右心室と肺動脈内に寄生します。
この病気は普通とてもゆっくり進行します。始めは、あまりはっきりした症状を現わしません。そのために犬が病気にかかっていても気付かないことが多いのです。
病気が進行すると咳や息切れを起こしたり血または醤油の様な尿をしたり、お腹が膨らんだり[腹水(よく妊娠と間違えます)]します。こうなっては治療も大変やっかいで、飼い主さんも獣医師もそして犬自身も大変苦労をしなければなりません。
この病気は治療よりも予防が大切で、蚊が発生する期間(東京では5月〜12月)飲み薬を1ヶ月に1回飲ませることで予防できます。または、1年に1回の注射することで予防する方法も出来ました。
本院では毎年2月〜3月に注射しています。
すでに夏をすごした犬では予防薬を始める前に血液検査でフィラリアの仔虫のいないことを確かめておかなければなりません。もしも、仔虫がいることに気付かずに予防薬を飲ませると、死亡することがあるので注意が必要です。