『「気」の身心一元論』 読 書 会

 読書会 参加感想文(1)

《「『気』の身心一元論」読書会に参加して 》

丹呉 明子(60代)

          

 読書会では、参加者は正坐をし、「『気』の身心一元論」を輪読していく形式で進みます。この時、各自が自分の後頭部に声を響かせるように朗読します。これが不思議に、読む本人にも他の人にもよく意味が伝わるのです。

 この著書を読むには、時間がかかっても、分かりにくい部分を質問し、講師の先生に具体的な例で説明していただき、参加者同士も自分の体験に即してやりとりしながら理解を深めていく、この方法が有効に思えます。自分だけで読むと固定観念に捕らわれて、一人合点の通り一遍の理解に留まってしまいがちだからです。

 この読書会そのものが、いわば「『気』の身心一元論」の実践の場のように感じます。正座により上虚下実の、身心が統一体となった「型」を目指して、時々、間で上虚下実の姿勢により近づくためのストレッチも入ります。それにより、声の質が変化するのを感じることがあります。「論語」の素読のように、身体に浸み込むように読んで行くのです。

 著書にあるように、日本の伝統的身体文化は、このように読書の仕方のみならず、日常のあらゆる所作について、その型を修得することに基礎を置いています。幼いときから型を無意識に刷り込むという教育により、身心が統一体となり、「気」の集中ができるようになることをめざしてきたものだと気づかされます。

「人の言うことを半身で聞くな」、「四角いところを丸く掃くな」など、読書会参加者が親から言われたのを思い出した言葉ですが、いずれも身(心・気)が入っていないことを指摘されたものだったと頷きあいました。

 日本の伝統的身体文化を取り戻し、身心一如を体得する一助に、「からだ言葉」をよくよく噛みしめる必要があることも教えられました。