林さんには某地方SFコンベンションでお世話になりました。もう7年以上前の話ですが。仮想戦記物を出しているのは知っていたが手にとったのは始めて。
読みはじめの第一印象は士郎正宗の「仙術攻殻オリオン」。組織名やセリフ回しでなんとなく思ってしまったが、誤解だった。かなりハードな内容だ。使い古されたネタだが、幾重にも積み重ねられ重厚で新鮮な世界を構築している。
那国文明圏、半径15光年に及ぶ人類による国家群である。彼らは主星から50光年離れたエキドナ星系に大船団を派遣していた。無人探査機が文明が存在すると思われる情報を送ってきたためである。
一方、惑星エキドナには人類に酷似した生命体が産業革命後の技術レベルにあった……