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No.108 南八ヶ岳
山歩きを再開してから、八ヶ岳にはこれまで何回か行きましたが、赤岳〜権現岳の間を歩くのは今回が初めてです。

日時 2008年(平成20年)9月27日(土)〜28日(日)
天候 9月27日 晴
    9月28日 晴後曇
同行 なし

9月27日 所要時間
美濃戸口(10.20) ←1時間→ (11.20)美濃戸(11.30) ←1時間→ (12.30)昼食(12.45) ←1時間50分→ (14.35)行者小屋
9月28日 所要時間
行者小屋(6.25) ←1時間15分→ (7.40)地蔵稜線(7.45) ←50分→ (8.35)赤岳(8.45) ←30分→ (9.15)真教寺尾根分岐(9.15) ←1時間→ (10.15)キレットで昼食(10.35) ←1時間50分→ (12.25)権現岳直下の鉄梯子(12.30) ←15分→ (12.45)権現岳(12.50) ←1時間5分→ (13.55)青年小屋(14.00) ←1時間→ (15.00)押出川(15.00) ←40分→ (15.40)雲海(15.45) ←45分→ (16.30)観音平

山行概要

9月10日 美濃戸口〜行者小屋
阿弥陀岳と木曽駒、乗鞍岳
赤岳頂上から見た阿弥陀岳
遠景は木曽駒ケ岳と乗鞍岳
今日は土曜日で休日のためなのでしょう、茅野の美濃戸口行きのバス停には登山者の列が出来ました。普段の私の山行ではあまり見かけない若い人達も、多く見かけます。なんとなく華やいだ雰囲気のバスに乗って美濃戸口へ向かいました。
美濃戸口で登山カードを出し、車道を歩き始めました。今日は前後に何人かの登山者が歩いています。

美濃戸で車道が終わり登山道が始まります。登山道といってもしばらくは、緩い登りが続きます。今日は、行者小屋泊まりなので、のんびり歩いた積りですが、延々と続く登りに、後半は少々くたびれました。
長く続いた沢沿いの樹林帯をの中を抜け広い涸沢に出ると行者小屋はもうすぐです。行者小屋について受付を済ませ、自分の居場所で一息入れましたが、時間があるので、小屋の前のベンチで湯を沸かし、コーヒーを飲んでくつろぎました。この日は土曜日だったので、小屋の混み具合が気になっていましたが、幸い超満員にはならず、一人敷布団1枚で寝ることが出来ました。

9月11日 行者小屋〜観音平
朝6時からの朝食を済ませ、魔法瓶に湯を入れてもらって、小屋を出ました。地蔵尾根へ向かう登山道は小屋のすぐ裏手の樹林帯の中を通りますが、すぐに急な登りが始まります。やがて3段に分かれた鉄製の新しい梯子が現れ、これを過ぎると周りは潅木が多くなり視界が開けてきます。振り返ると眼下に昨日泊まった行者小屋が箱庭のように眺められます。やがてそれまで気にならなかった冷たい風が強くなり、最初のお地蔵さんが現れました。ここから更にしばらく吹きさらしの中を歩いて、赤岳と横岳の間の稜線につきました。稜線は諏訪から佐久側へ帽子が飛ばされそうな冷たい強い風が吹いています。ルートマップ上は半そでの下着に夏用の薄いカッターシャツだったので、動いていても寒く感じられます。ここでウインドヤッケを着ました。赤岳展望小屋はちょうど登山客が出払った後のようで、周りに人影はありません。
ここを過ぎると地蔵尾根より更にきつい赤岳の登りが始まります。ガレ場が終り、登りと下りの交互通行のような狭いきつい登りを過ぎると北峰側のピークにつきました。頂上の南峰は目の前です。前回赤岳にに登った時は、頂上は二人だけでしたが、今日は混んでいました。自分の気に入った場所に落ち着いていることが出来ません。写真をバシャバシャ写し、頂上の下で一息入れました。
赤岳が目的なら、後は下山だけですから、のんびり出来ますが、今日はこれからが本番で、あまり長居は出来ません。10分ほど休んだところで歩き始めました。下り始めるとすぐ権現岳方向を示す導標が現れます。この導標に従って左の方へ伸びる道を進みましたが、少々わかりにくいところがあり、行き止まりのピークへ登ってしまったり、下りすぎてしまったりと、真教寺尾根分岐に着くまでに思ったより時間がかかりました。ここは先ほどの権現岳を示す導標ではなく、この下のキレット分岐に従う方が良いのかもしれません。

真教寺尾根分岐から、キレットまでの急な下りが始まります。ガレ場や岩場、岸壁の長いトラバースと、変化に富んだ道が続きます。標高差400mを一気に下りますので、脚の負担は大変です。いい加減、痛めつけられた頃、樹林帯に入り、キレットにつきました。
小さな広場に、キレット小屋方向を示す導標があるだけで、これ以外の表示はありません。昼食には少々早い気もしたのですが、これから登りが始まるので、少しでも荷を軽くしたいとの思いで、昼食にしました。小屋でいれたお湯で春雨入りのスープを作り、ドーナツを食べました。ドーナツは口に入れて噛んでも、なかなか飲み込めず、スープで無理やり胃袋に流し込みました。今日は未だ先が長いので、のんびりした気分にはなれません。せわしない感じで昼食を終え、歩き始めました。

キレットから少し平坦な道が続き、もう一度キレット小屋の分岐が現れ、これを過ぎると登りがきつくなり、やがて再び樹林帯を抜けます。これから向かう権現岳の頂上は随分高いところにあり、後ろを振り返ると、見慣れた姿とは似ても似つかぬ怪異な姿をした赤岳が横一杯に広がっています。しばらく、見晴らしの良い平坦な道が続きますが、やがて潅木の林の中に入るときつい登りが始まります。標高は2500mほどあり、朝歩き始めてから5時間を越え、体力はだいぶ消耗しているので、息苦しさを強く感じるようになりました。フーフー言いながら急登を上りました。
やがてまた樹林が切れ、2672mのピークを巻くようになると目の前が開け、権現岳の頂上からの稜線が目の前に広がり、その稜線に取り付く長い梯子が遠望できるようになります。ここまで来れば権現岳まで、登りはあと僅かです。疲労はかなり増しており、一休みしたかったのですが、この先はほぼ平坦な道が続くので、長い梯子の取り付きまで歩きました。 ここで、休憩を取り梯子を上りました。60段以上あり、一息では登れません。途中で一息入れました。梯子を越えると未だ目の前にきつい登りが待っていますが、この登りは僅かで、登り切るとほぼ自分の目の高さに、権現岳の頂上が見えます。ヤレヤレ、やっと終わった。思わずそう思いました。目と鼻の先で、観音平から登ってくる道と合流し、その先が権現岳の頂上です。
ここからは、昨年夏歩いているので、勝手は良く分かります。権現岳の頂上で写真を写し、下山の途につきました。権現小屋を過ぎてギボシ〜青年小屋〜観音平まで、昨年と同じ道を下りました。結構急いで歩いた積りでしたが、昨年より時間がかかりました。観音平の少し手前で、タクシー会社に電話が繋がったので予約をし、観音平に着いて荷物の整理をして一息入れたら、タクシーが来ました。タクシーでJRの小淵沢駅まで行き(観音平〜小淵沢駅3770円、約20分)、駅のそばを食べて帰宅しました。しかし、この駅そばは麺に火が通っておらず、粉っぽくて旨くありませんでした。


この日、赤岳〜権現岳の間で行き交った登山者は男女5人組の1パーティだけで、赤岳周辺の人の賑わいとはうって変わった、静かな山歩きでした。

9月27日 美濃戸口〜行者小屋
美濃戸口 美濃戸口
バスはここまで
ここから美濃戸まで、一般車も通行できる車道を1時間ほど歩く
この日は土曜日で、バスには2〜30名ほどの登山客が乗っていた
八ヶ岳でこんなに人が乗っているバスは初めてだった
美濃戸 美濃戸
美濃戸口から続いた車道はここまでで、ここから南沢を行くと行者小屋へ、北沢を行くと赤岳鉱泉へ向かう
ここには美濃戸山荘があり、休憩が出来る
この日は、美濃戸山荘の中や、周りの広場で、10数人の人が休んでいた
ちなみにここまでの山小屋の駐車場はいずれも満車状態だった

南沢の登り 南沢の登り
美濃戸からはずっと沢沿いの樹林の中を歩く
きつい登りはないが、それでも美濃戸から行者小屋まで標高差は600m以上ある
とにかく長い
南沢の終り近くの涸れ沢 広い涸沢に出ると行者小屋まではあと僅か
涸沢に出て、最初に目に飛び込んでくるのが横岳
阿弥陀岳 やがて阿弥陀岳が見えるようになる
この後、再び樹林の中を歩くが、道は平坦で、行者小屋までは、あと僅か
この先にヘリポートがある
行者小屋 行者小屋
外から見るより中は広かった
宿泊料金は、赤岳鉱泉(行者小屋と経営者は同じ)と並び、八ヶ岳では最高の2食付9000円だが、食事はそれなりに満足できるものを出してくれた

9月28日 行者小屋〜地蔵尾根〜赤岳〜権現岳〜観音平
地蔵尾根登り口 地蔵尾根入口
地蔵尾根は、小屋の脇から樹林の中を入って行く
ここは赤岳鉱泉への分岐でもある
地蔵尾根の登り 最初の梯子
周りの樹林が疎らになってくると、目の前に3段の真新しい鉄製の梯子が現れた
この先が森林限界
地蔵尾根の登り 森林限界を過ぎると吹きさらしの中を歩く
この日は諏訪側から佐久側へ強い風が吹いていた
地蔵尾根の地蔵 地蔵尾根の名前どおり、途中にお地蔵さんが祀られている
地蔵尾根から赤岳 稜線間近になると見慣れた赤岳が眺められる
この日は、風が強くこのあたりで寒さを強く感じるようになった
地蔵尾根 地蔵尾根終点
ここにもお地蔵さんがある
ここからは、稜線上の道になる
赤岳北峰からの眺め 赤岳の北峰から北八ヶ岳方向
横岳、硫黄岳、天狗岳、その向こうに蓼科山が見える
八ヶ岳のピークは一通り識別出来るようになった
赤岳頂上 赤岳頂上
この日は大勢の人たちが入れ替わり立ち代りで頂上に立ち記念写真を写していた
赤岳から富士山 八ヶ岳の頂上から見た富士山
雲海の向こうに富士山が頭を出していた
権現岳への分岐 権現岳への分岐
八ヶ岳の頂上を下るとすぐ現れる
ここから真教寺尾根分岐まで、道が少々分かりにくい
真教寺尾根分岐 真教寺尾根分岐
ここの導標には赤岳山頂15分とあるが、私は、道を間違えたりしたため、赤岳山頂からここまで30分かかった
真教寺尾根付近から見た権現岳 真教寺尾根分岐付近から権現岳
眼下にキレットまでの急な下りとキレット小屋が見える
権現岳はまだだいぶ先
キレットへの下り キレットまでの急な下り
写真左側の茶色の峰の向こう側へ出てから急坂が始まる
この下りで、男女5人組のパーティーとすれ違った
昨晩権現小屋に泊まり、今日は行者小屋泊まりとのことだった
岸壁のトラバース トラバース
真教寺尾根を下ってくると、切り立った岸壁を横切る道が現れる
このトラバースは結構長い
固定鎖がなければ、かなりの緊張感を覚えそうだが、しっかりした固定鎖が取付けられている
キレット キレット
小さな広場で、キレット小屋方向を示す導標以外、何もない
キレット小屋方向を示す導標には営業中と表示されていた
異様な姿の赤岳 赤岳
キレットを過ぎて後ろを振り返ったら、見慣れた赤岳とは似ても似つかぬ姿の赤岳がそびえていた
怪異な姿そのものであまりの変わりようにびっくりした
権現岳 権現岳
この先で、道は樹林の中に入り、2672mのピークまで、きつい登りが続く
赤岳 赤岳
権現岳のきつい登りの途中で振り返ると、先ほどの怪異な姿の赤岳が、いつもの見慣れた姿に戻っていた
権現岳の登り 2672mのピーク付近から見た権現岳
この写真では分からないが、下の写真の長い梯子が遠望できる
ここから、梯子の取り付きまで、道は平坦になる
長い鉄梯子 長い梯子
これまでの山行でであった梯子の中では最長
垂直に近い梯子で、上に上がると高度感がある
赤岳と阿弥陀岳 上の写真の梯子を登り終えた付近からの赤岳と阿弥陀岳
手前のピークが2673mのピーク
権現岳のピーク 権現岳
左のピークが頂上
長い鉄梯子を登り、更にその先のきつい登りを越えると、左前方に権現岳の頂上が現れる
赤岳頂上 権現岳頂上
大きな岩の上が頂上で、人一人立つのがやっとといった感じで、狭い
青年小屋 青年小屋
この日小屋の前には誰もいなかった
ここから、観音平までは、結構長い下りが続く
観音平 観音平
車は、沢山止まっていた
ところで、この車に乗っていた人達はどこに行ったのだろう
権現岳からここまでの下りで見かけた人は10人足らず

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