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No.85 天狗岳
黒百合ヒュッテに一泊して、北八ヶ岳の東・西天狗岳(2646m)に登りました。昨年もほぼ同じ時期にここを訪れましたが、暖冬のためか、昨年より雪は少ないようです。二日間とも好天に恵まれ、雪山歩きを満喫できました。

日時 2007年(平成19年)3月1日(木)〜2日(金)
天候 3月1日 晴
    3月2日 晴
同行 なし

所要時間
3月1日
渋の湯(11.30) ←25分→ (11.55)高見石分岐(12.00) ←30分→ (12.30)八方台分岐(12.35) ←25分→ (13.00)唐沢鉱泉分岐で昼食(13.20) ←55分→ (14.15)黒百合ヒュッテ(14.45) ←55分→ (15.40)中山展望台(15.50) ←40分→ (16.30)黒百合ヒュッテ
3月2日
黒百合ヒュッテ(6.35) ←1時間→ (7.35)天狗の奥庭分岐(7.35) ←15分→ (7.50)東天狗岳(8.00) ←20分→ (8.20)西天狗岳(8.40) ←1時間20分→ (10.00)黒百合ヒュッテで昼食(11.25) ←30分→ (11.55)唐沢鉱泉分岐(12.00) ←20分→ (12.20)八方台分岐(12.20) ←15分→ (12.35)高見石分岐(12.45) ←15分→ (13.00)渋の湯

山行概要
3月1日
中山峠付近から見た天狗岳
中山峠付近から見た東天狗岳(左)と西天狗岳(右)
いつものように茅野駅発10時20分のバスに乗りましたが、4人の乗客のうち登山客は私を含めて3人です。登山客は全員終点の渋の湯で降りましたが、私以外は降りるとすぐ歩き始め、身支度をした私は最後になりました。アイゼンは重いので、4本歯の簡易アイゼンをつけて歩き始めました。2日ほど前に雪が降ったそうですが、木の枝に雪はついていません。登山道の雪は踏まれていて、急坂はありませんので簡易アイゼンでも十分役に立ちます。
ここは昨年の暮れに歩いたばかりなので、勝手知ったる道という感じで歩きました。このコースは黒百合ヒュッテまで、高見石分岐八方台分岐唐沢鉱泉分岐と、ほぼ30分程度の間隔で目標があり、歩きやすい道です。唐沢鉱泉分岐で今朝コンビニで買ったおにぎりの昼食を取りましたが、いつもは一つがやっとのところを今日は二つ食べることができました。体調が良いようです。
唐沢鉱泉分岐からしばらく歩いて右手が開け、小高い丘が見えるようになると、まもなく黒百合ヒュッテです。黒百合ヒュッテに着いてすぐ受付を済ませました。今日の泊り客は私を含めて二人とのことです。夕食の5時半までは時間があるので、ヒュッテで一息入れた後、サブザックを持って中山展望台まで出かけました。写真を写しながらのんびり歩いて、中山展望台で周りの景色を堪能して小屋に戻り、ストーブにあたって時間をつぶしていると、もう一人の泊り客がヒュッテに入ってきました。バスで一緒だった若い女性で、西天狗岳まで行ってきたとのことです。ヒュッテに着いたのが1時10分とのことでしたので、私など足元にも及ばない健脚の持ち主のようです。
ストーブを囲んで二人で雑談をしていると、2階の自分達の布団に案内され、その後すぐ夕食になりました。泊り客は二人でしたので夕食は昨年同様、炬燵で食べました。消灯時間は8時半とのことでしたので、8時少し前まで、途切れがちでしたがこの女性客と炬燵で雑談をして時間を過ごし、午後8時ごろ布団にもぐりこんで眠りに着きました。
3月2日
朝食は午前6時でしたので、携帯電話で目覚ましを5時半にセットしておきましたが、目覚ましが鳴るしばらく前に目が覚め、うとうとしていると目覚ましが鳴りました。目覚ましが鳴ったのを機会に床を離れ、階下へ降りて湯を沸かし、これを魔法瓶に詰めて荷物を整理したところで朝食です。朝食のご飯の量が少し多いかなと思ったのですが、今日の行動のことを考え全部平らげました。
朝食が終わるとサブザックに魔法瓶と防風用の上衣やミトン、それに行動食を入れ、その他はヒュッテに置いて外に出ました。同宿した女性客は高見石を回って渋の湯に下るとのことで、私がヒュッテを出る時はまだ出発の準備をしていました。

ヒュッテの外でアイゼンを付ける際、ヒュッテの入り口の温度計を見ると−9℃を指しています。風がほとんど無いためか、さほど寒さは感じられません。上空は雲が出ていますが晴れており、天狗の鼻が良く見えます。天気が良いので、浮き立つような気分になってヒュッテを出発しました。
中山峠からしばらく樹林の中を歩き、開けた台地を過ぎて樹林が切れる少し手前で防風用の上衣を着ました。樹林が切れたところで、昨年てこずった雪の壁が現れましたが、昨年ほど雪は多くなく、またトレースがしっかり付いていたので難なく越えることができました。ここからは吹きさらしの稜線を歩きます。今日はそれほど強い風ではありませんので、気持ちにゆとりを持てます。写真を写したり、周りの景観を楽しみながら登りました。ずいぶんのんびり歩いたつもりですが、荷物が軽いためか、黒百合ヒュッテを出てから天狗の奥庭への分岐まで1時間で着きました。
ここまで来れば東天狗岳まではあと僅かです。トレースに従って天狗の鼻に向かいました。天狗の鼻までの今年の一部のトレースは、昨年歩いた時より高いところにあり、少々面食らいましたが、迷うことなく天狗の鼻を越え、東天狗岳の頂上に立ちました。頂上の眺望のすばらしさは今更説明するまでもありません。周りに見える山の名前をひとつずつ確認したり、写真を写してしばらく時を過ごしました。
ルートマップ時計を見るとまだ午前8時前で、疲労感もほとんどありません。迷うことなく、きりの良い時間を見計らって、目の前の西天狗岳に向かいました。西天狗岳の頂上までは、夏道と違って直登するので、頂上直下の登りが夏道よりきつくなります。それでも荷物をほとんど背負っていないので、途中で休むことなく一息で西天狗岳の頂上に立つことができました。東天狗岳の頂上は雪が少なく、あちこちで岩が露出していましたが、こちらの頂上は一面の雪で、頂上を示す導標が雪の上にかろうじて頭を出しています。ここでも、東天狗岳と同じように周りの景色を眺めて時を過ごしました。魔法瓶の湯を飲んで大休止をしようかとも考えたのですが、ここは少々風が強く、落ち着いた気持ちになれないのでこれは先に延ばし、下山することにしました。
帰途は登りと同じ道を引き返し、樹林帯に入ったところでしばらく休み、黒百合ヒュッテに向かいました。ヒュッテの手前で、これから東天狗岳に向かうという夫婦連れのパーティーに上の方の状況を聞かれたので、概要を話し、黒百合ヒュッテに着いて荷物の整理をして少し早かったのですがラーメンを作って昼食にしました。昼食後、帰りのバスの時間(渋の湯発14時55分)に合わせるため、ヒュッテで少し時間をつぶし、渋の湯までのんびり下山しました。積もった雪がクッションになり、下りの道は快適です。渋の湯に着いて荷物を整理し、渋御殿湯で風呂に入りましたが、風呂から出てもバスの出発まで約1時間もあり、時間つぶしに往生しました。

山中で会った登山者は、1日目が同宿の女性と黒百合ヒュッテでテント泊をした学生のソロの計2人、2日目は7〜8人の学生パーティの他8名、それと渋の湯のバス停で会った2人の計17〜19人でした。2日目は金曜日なので、入山者が少し多いのかもしれません。昨年ここを訪れたときは、自分の年齢や体力面から、今年来れるのか少々不安でしたが、体力については、問題ありませんでした。できたら、また来年も来て雪山を楽しみたいと思っています。

3月1日 渋の湯〜黒百合ヒュッテ〜中山展望台〜黒百合ヒュッテ
かもしか かもしか
バスの運転手に居るところを教えられた
渋の湯のバス停のすぐ上の神社の脇で草を食んでいた

高見石分岐 高見石分岐
ここから八方台分岐までの登りが、渋の湯〜黒百合ヒュッテ間でもっともきつく感じられる
八方台分岐 八方台分岐
明るい広場
ここから唐沢鉱泉分岐までは、緩やかな登りになる
黒百合ヒュッテへの登り 八方台分岐から唐沢鉱泉分岐までは、見晴らしは無いが、明るく気持ちの良い道が続く            
唐沢鉱泉分岐 唐沢鉱泉分岐
ここまで来ると雪が深くなり、メルヘンチックな趣のある道になる
黒百合ヒュッテ前の丘 登山道の右手が開け、右手に小高い丘が見えるようになると、黒百合ヒュッテまであと僅か
黒百合ヒュッテ 黒百合ヒュッテ
小屋番は男女二人
女性が食事を作るので家庭料理並みの食事が出る
山小屋では珍しく、宿泊費の領収書を発行している
黒百合ヒュッテ前の斜面 黒百合ヒュッテ前の斜面
この上まで登ると東・西天狗岳を眺められる
この斜面は、滑落停止の練習ゲレンデにピッタリ
昨年は上まで登ったが、今年は眺めただけ
中山への道 中山への道
黒百合ヒュッテから歩き始めて中山峠を過ぎると、中山まで、樹林の中の緩やかな登りの道が続く
ぶらぶら歩きにうってつけの道である
にゆう分岐 にゆう分岐
明るい木立の中に”にゆう”と記した道標が立っている
この導標はあることを知っていないと見過ごすかもしれない
2005年、初めてここを通った時は、この道標を見過ごした
中山頂上 中山頂上
標識には標高2496mとある
周りは樹林に覆われていて眺望は得られない
ただし頂上の手前は、南側に開けていて、天狗岳が良く見える
中山展望台はここから少し下ったところにある
中山展望台 中山展望台

広く開けた広場で、東・西天狗岳、蓼科山、縞枯山、霧が峰、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、中央アルプスなどが一望できる
高見石側から登ってくると、この展望台から中山峠へ向かう入り口が分かりにくい
中山展望台から見た蓼科山、北横岳 中山展望台から見た蓼科山、北横岳
縞模様が見える山は丸山
そのはるか向こうに後ろ立山連峰
写真右側に浅間山、左側に中央アルプス、御嶽山などが眺められる
中山展望台から見た東天狗岳 中山展望台から見た東天狗岳
ここからは、東天狗岳の頂上付近の様子が良く分かる
左のピークが天狗の鼻、右のピークが頂上

3月2日 黒百合ヒュッテ〜天狗岳〜黒百合ヒュッテ〜渋の湯
中山峠 中山峠
ここでは眺望は得られないが、高見石方向(写真左)、天狗岳方向(写真右)いずれも少し歩くと天狗岳が見えるようになる
東天狗岳 黒百合ヒュッテを出て、中山峠を越えるとすぐ東天狗岳が見えてくる
東・西天狗岳 中山峠を過ぎて、少し歩くと開けた台地に出る
ここからは東・西天狗岳が良く見える
稜線の取り付き部の雪の壁 稜線の取りつき部の雪の壁

写真では”壁”を表現できていないが、割合きつい斜面で、この斜面を越えると吹きさらしの中を歩くようになる
昨年ここを通過した際は、斜面の中程にある潅木は雪の中に埋もれていて見えなかった
稜線の登り 稜線の登り
上の写真の斜面を越えると、吹きさらしの稜線上の登りがしばらく続く
振り返ると浅間山や蓼科山、北八ヶ岳の山々を眺められる
登りからの眺め 東天狗岳登りからの眺め
遠景は浅間山
ここを下る際は、高度感があって目の前が開け、爽快である

天狗の奥庭分岐 天狗の奥庭分岐
ここまで来れば、東天狗岳頂上まであと僅か
頂上は天狗の鼻の向こうで、見えない
天狗の鼻を乗り越える場所を除くと、頂上までさしたる登りは無い
天狗の鼻 天狗の鼻
積雪期は、ピークの右側に向かって直登する
高さはさほどでもないが、ここが黒百合ヒュッテ〜東天狗岳間で最もきつい登りである
東天狗岳頂上 東天狗岳頂上
天狗の鼻を乗り越えると、東天狗岳の頂上が目の前に現れる
東天狗岳頂上 東天狗岳頂上
雪はあまり積もっていない
ここの道標には標高2646mとあるが、これは西天狗岳の高さ
ではここの標高は?
東天狗岳頂上から北八ヶ岳 東天狗岳頂上から北八ヶ岳
蓼科山と北八の山々
頂上からは黒百合ヒュッテも見ることができる
東天狗岳〜見た西天狗岳 東天狗岳から見た西天狗岳
雪がつくとどこからでも登れるように見える
トレースは写真左側の稜線上につけられている
西天狗岳頂上 西天狗岳頂上
東天狗岳と違って、頂上は一面の雪で、写真の道標が雪面からぽつんと頭を出している以外、のっぺりした雪面があるだけ
西天狗岳から見た東天狗岳 西天狗岳から見た東天狗岳
雪がないと、いびつでお世辞にも美しいと言い難いが、雪がつくといびつさが目立たなくなる
西天狗岳頂上から南八ヶ岳
西天狗岳頂上から南八ヶ岳
おなじみの南八ヶ岳の山々が眺められる。硫黄岳の爆裂火口壁の向こうに横岳が少し頭を出し、その右に赤岳、阿弥陀岳。左遠景は奥秩父連峰、手前のピークは根石岳(左)、右遠景は南アルプス

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