My mountaineering record
トップ 山あるき 山の花 山の用具 雑記帳

No.41 八ヶ岳(2/3)
山行の2日目で、根石山荘を出発して硫黄岳(2760m)と横岳(2829m)を登り赤岳天望荘まで、地図上では距離約5.4km、累積標高差約610mと楽な行程の一日です。今回は3日間とも晴れましたが、特にこの日は終日素晴らしい好天に恵まれました。

日時 2004年(平成16年)6月3日(木)〜5日(土)
天候 6月4日(金) 晴  6月3日の山行概要:八ヶ岳(1/3)
同行 なし  6月5日の山行概要:八ヶ岳(3/3)

6月4日 所要時間
根石山荘(6.20) ←40分→ (7.00)夏沢峠(7.10) ←1時間20分→ (8.30)硫黄岳(8.50) ←40分→ (9.30)硫黄岳山荘(9.55) ←1時間→ (10.55)横岳奥ノ院で昼食(11.40) ←20分→ (12.00)三叉峰(12.05) ←1時間30分→(13.35)赤岳天望荘(泊)

6月4日 山行概要
八ヶ岳(1/3)より

硫黄岳頂上から見た赤岳と阿弥陀岳
硫黄岳頂上から見た赤岳と阿弥陀岳
遠景の山は南アルプス
根石山荘の泊り客は私一人でしたので、小屋の2階の宿泊室を一人で占領し、他人のいびき等に悩まされること無く、十分眠ることができました。夜、テンが餌を漁りに来て音がするかもしれないと小屋番に言われましたが、気がつきませんでした。朝起きてみると、眠る時にあった軽い頭痛は収まっていたのですが、どうも体全体がかったるく、日の出を見るために小屋から少し歩いただけで息遣いが荒くなり、今日の行動に少々不安を感じました。

前日朝食時間を聞かれた際、5時半と希望を言ったら、今日宿泊する予定の赤岳天望荘に昼前に着いてしまうと言われたので、朝食は6時にしました。朝食が終って、小屋番に挨拶して出発しました。小屋の前から箕冠山の緩やかな短い登りがありますが、体が随分重く感じられます。すぐにオーレン小屋への分岐が現れ、ここを左折して夏沢峠への下りが始まりす。気持ちの良い樹林帯の中の道で、時々これから向う阿弥陀岳や昨日歩いた天狗岳が眺められます。夏沢峠はここにある2軒の山小屋が閉められており、ひっそりとしていました。歩き始めてからまだあまり時間が経っていなかったのですが、なんとなく体の調子が今一なので、ここで10分ほど休憩して、これから始まる硫黄岳の登りに備えました。

夏沢峠から硫黄岳へは、最初緩やかな樹林帯の中を歩き、しばらくすると左側がガレている場所を通過して樹林帯が終ります。ここから眺望が得られるようになり、振り返ると最初は箕冠山にさえぎられていた天狗岳や蓼科山が見えてくるようになります。ここまでたいした登りではないのですが、息が切れるようになってきました。今日は昨日と違って時間的余裕は十分ありますので、頑張ることはせず、少し歩いては一休みを繰り返して硫黄岳の頂上に着きました。

根石山荘を出発してからここまで、誰にも会いませんでしたが、硫黄岳の頂上に着いてみると先客が数人おり、写真を写したり景色を眺めたりしていました。ここの名物の風は吹いていましたが、そう強い風ではありません。しばらく目の前に広がる景色を楽しんだり、写真を写したりして過ごしました。いつまでいても飽きないのですが、先がありますので腰を上げました。すぐに横岳へは向わず、硫黄岳の噴火口沿いにしばらく歩いて迫力満点の噴火口を眺めてから引き返し、次の目標の横岳へ向いました。


ルート図途中の硫黄岳山荘まで来ると、たまたま小屋の従業員らしい娘さんがベンチで寛いでいたので、付近の花の様子を聞いてみました。幾つか花の名前を教えてくれたので、ここでしばらく花の写真を写しました。キバナシャクナゲオヤマノエンドウなどが咲き始めていましたが、これらの花は横岳でも彼方此方で見かけました。写真を撮り終え登山道へ戻りましたが、登山道までの僅かな登りがこたえます。小屋の前の登山道へ戻ると、ここから横岳の登りが始まります。しばらく右手の大同心が目を惹く緩やかな登りが続き、やがて岩場になり、梯子を越えると横岳の最高峰の奥ノ院です。

横岳の頂上に着いた時、頂上には少し前に私を追い抜いた単独行者と私の二人だけでした。彼は今朝美濃戸から登って来て、これから権現岳まで行くと言っていましたが、私の今日一日の行程を聞くと、その短さにあきれたような顔をしていました。お互いに頂上の記念写真を写したあと、彼はそそくさと出発し、頂上は私一人になりました。ここまで来ると今日泊まる赤岳天望荘が見えるようになり、区切りが良いので、ここで昼食にしました。湯を沸かすのが面倒で、フランスパンにバターとサラミを水でのどに流し込みましたが、体調の割には食欲があり、食事が終ると体調も少々回復したような気持ちになりました。眼下には行者小屋、目を上げると阿弥陀岳が真正面に、その向こうには富士山や南アルプスが、更に首を巡らすと中央アルプス、御岳、乗鞍、北アルプが眺められる最高の景色の場所での昼食でした。

奥ノ院からは、三叉峰などのピークを縫うようにして岩稜を歩くようになり、クサリ場や梯子のアップダウンが続きます。遠くまで雲はほとんど見られず、モヤも少ないので景色は最高で、更にツクモグサミネズオウなどの高山植物の花も咲いていますので、写真を写しながら時間をかけて歩きました。横岳最後のピークの二十三夜峰を巻いて越え、赤岳との鞍部にある地蔵ノ頭まで来ると赤岳天望荘は目の前です。随分時間をかけたつもりでしたが、赤岳天望荘には午後2時前に着いてしまいました。一息入れたあと受付を済まし、部屋へ入りましたが、個室料金を半額にするというので、部屋は個室にしました。部屋で一休みした後、時間が十分あるので花でも写そうと小屋の周りを歩いてみましたが、県界尾根へ向う道の途中にキバナシャクナゲが一株咲いているだけで、他の花は見かけませんでした。

結局やることも無く、夕食まで暇を持て余して過ごしました。6時の夕食で食堂へ行った際、ざっと宿泊者の数を数えてみたところ30名ほどおり、その殆どが私と同年輩の中高年者でした。夕食後食堂で水を補給しましたが、宿泊者は1リットルまで無料、以後は1リットル100円とありました。天気が良いので昨日同様夕日を見て、部屋に戻り眠りにつきました。個室なので他人の気配で眠りを妨げられることはありませんでしたが、部屋の前の通路を人が通ると大きな音がして、時々眠りを破られました。以下八ヶ岳(3/3)

朝もやの中の奥秩父連峰 朝もや
根石山荘の小屋の前からは御来光とともに朝もやに霞んだ墨絵のような奥秩父の山々が眺められる
オーレン小屋分岐 オーレン小屋分岐
根石山荘から歩いて10分足らずの所にある
導標と付近の案内板が立っている
夏沢峠 夏沢峠
2軒ある小屋はいずれも閉められ、ひっそりとしていた
硫黄岳頂上 硫黄岳頂上
頂上は広く片隅に小さな社が祀られている
ここから眺める赤岳と阿弥陀岳とは圧巻で、ガイドブックなどにはほとんどと言って良いほど掲載される
硫黄岳山荘 硫黄岳山荘
硫黄岳と横岳の間の鞍部に建てられている
小屋の前は高山植物が多く、散策路ができている
昨夜泊まった根石山荘と同じ会社が経営している
大同心 大同心
大同心は見る位置によって形が大きく変る
硫黄岳から横岳へ登る途中から見る大同心はそれほどすごい岩峰とは思えない
横岳奥ノ院 横岳奥ノ院
ここまで来ると富士山が見えるようになる
横岳三叉峰 横岳三叉峰
すぐ下に杣添尾根の分岐がある
ピークにはケルンがあるだけで導標は立っていない
地蔵ノ頭 地蔵ノ頭
横岳を下りきった所にあり、お地蔵さんが一体祀られている
ここまでくれば赤岳天望荘は目と鼻の先
赤岳天望荘 赤岳天望荘
背景は赤岳でここまで来ると双耳峰に見える
赤岳天望荘はその大きさにビックリした
トイレは水洗でテレビが見れる娯楽室や風呂まである
小屋の周りは以外に花が少ない
夕日 夕日
赤岳天望荘から少し横岳側へ歩いた所で撮影
今の時期、太陽は北アルプスの穂高岳の向こうに沈む

このページの先頭へ
AC