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No.28 雲取山
後山林道の終点まで車で行き、三条の湯から東京都の最高峰の雲取山(2017m)に登りました。素晴らしい天気に恵まれましたが、久しぶりに登りであごを出しました。

日時 2004年(平成16年)2月6日(金)
天候 晴
同行 なし

所要時間
後山林道終点(7.20) ←40分→ (8.00)三条の湯(8.05) ←25分→ (8.30)青岩谷分岐(8.35) ←2時間15分→ (10.50)三条ダルミ(11.05) ←55分→ (12.00)雲取山(12.25) ←25分→ (12.50)三条ダルミで昼食(13.35) ←1時間20分→ (14.55)青岩谷分岐(15.00)  ←15分→ (15.15)三条の湯(15.20) ←25分→ (15.45)後山林道終点

山行概要

雪の雲取山頂上
雲取山頂上
無風、快晴、無人、・・・静寂に包まれていた
奥多摩は前夜少し雪が降ったようで、県道18号線の鶴峠から先は路面が所々白くなっていました。後山林道に入ると路面は真っ白でしたが積雪量は少なく、最初のうちはせいぜい1〜2cmといった所です。林道の雪の上にはわだちの跡がありませんでしたので、昨夜から今朝にかけてこの林道を走った車は無いようでした。林道は急坂がなく路面もそれほど荒れてはいませんが、落ちたばかりと思える落石が所々に散乱しており、緊張させられました。 林道の終点は車の方向転換用のスペースがあるだけで、駐車禁止になっています。この終点近くは数箇所谷側の路肩が広くなっていますので、ここに車を止めることになります。今回、車は1台も止まっていませんでしたので、一番終点側のスペースに車を止めました。車の外気温度計は-6℃を示しており、車外へ出るとだいぶ寒く感じました。

車内で朝食を食べたあと、車から降りて身支度を整えて歩き出しましたが、薄く積もった雪の下はツルツルの氷です。三条の湯まではアイゼン無しでも行けるだろうと歩き出したのですが、結局10分ほど歩いた所の登坂で軽アイゼンをつけました。三条の湯は自家発電機の運転音がしているだけで、屋外には誰もいませんでした。ここまでの来ると体がすっかり温まり、汗ばむ感じになってきたので着ていたセーターを脱ぎ、一息入れて歩き出しました。登山道の雪の上に踏み跡は無く、私が今日の最初の登山者であることが分りました。三条の湯から30分ほど歩くと青岩谷と表示のある分岐が現れ、ここから登山道にも日が射すようになりました。ここまでずっと日陰でしたのでホッとした気分になります。この分岐がガイドブックの青岩鍾乳洞への分岐と思われますが、青岩谷方向は通行止めになっていました。

今は落葉樹の葉が落ちていますので、右手のヨモギ尾根が木々の間からよく見えます。三条ダルミまではこの尾根の稜線までの高さから自分の位置の目安をつけて歩くことになります。三条の湯から1時間ほど歩いた所で、左手が開け三ツ岩山から飛龍山へ続く稜線が目の前に見えました。登山道の雪はこのあたりまで、薄く付いているだけで、積もっているという感じではありませんでした。ここを過ぎたあたりから登山靴が少し雪の中にもぐるようになりましたが、軽アイゼンで歩くのには全く支障を感じません。このあと三条ダルミまで、比較的なだらかですが落葉樹の中を似たような道が延々と続きます。落葉樹は幹に縦じまのあるミズナラ(或いはコナラ?)が多く目に付きました。木に付いた雪が時折落ちますが、その飛沫がダイヤモンドダストのように日の光の中でキラキラ輝いて漂っていました。

少々疲労を覚え、いいかげんじれてきた所で三条ダルミに着きました。ここは南側に開けた稜線上に有り富士山が正面に見えます。この日は風が無く明るい陽射しが降り注ぐ絶好の休憩場所でした。ここで少し長めの休憩を取って、頂上までの急登に備えました。

三条ダルミから雲取山の頂上に向かうと、すぐ雲取山荘方面への分岐があり、これを過ぎると急登が始まります。始めのうちは登山道にいくつか雪の吹き溜まりができていて、ふくらはぎあたりまで足が潜り、これは頂上まで難渋するかと思いましたが、その後吹き溜まりはありませんでした。しかし、登りはドンドンきつくなり、頂上を前にしてしばらくは2〜30m歩いては一休みを繰り返しました。標高2000m近くで200mを一気に登るのは相当な重労働です。


雲取山ルートマップかなりへばってきた所で頭上が開けて山頂の一画に出ました。小雲取山からこちらへ向かって延びている大きな雪田のような白い尾根が目を惹きます。ここには雲取山の標識が立っていますので、うっかりすると頂上と間違えます。頂上は目の前にある雲取山避難小屋の向こうですので、ここで息を整え、この避難小屋の裏にできていたトレースをたどって頂上へ向かいました。頂上に着いたのが12時でしたので、遠景はかすみの中でしたが、それでも南アルプスの駒ヶ岳や白峰三山が意外に近く見えました。頂上からは富士山はもとより、奥秩父や丹沢、箱根、道志、奥多摩の山々が眺められます。無風、快晴、無人の静かな頂上でした。

この日は、雲取山避難小屋で昼食をとるつもりでした。しかし先客が避難小屋の入口で日向ぼっこをしており、その隣で昼食の店をひろげるのは、なんとなく気が引けましたので、この先客に挨拶だけして三条ダルミまで下り、ここのテーブルで昼食にしました。いつものように湯を沸かして温かい飲み物を作りながら、持参したおにぎりをほおばりました。前述しましたように、風が無く暖かい陽射しの下の気持ちの良いひと時でした。

昼食の後は、登りと同じ道を引き返しましたが、日の当たる登山道は雪がすっかり融けて無くなっていました。雪が融けた後の登山道は落ち葉で覆われていて、丹沢のような泥田になっておらず、助かりました。車まで戻って、朝付けた軽アイゼンを外しましたので、今日は終日軽アイゼンを付けて歩いたことになります。凍った山道では、私のように足の力が衰えている者にとって、軽アイゼンが有用であることを、先日登った蛭ヶ岳に続いて実感しました。

この日会った登山者は、雲取山避難小屋の先客一人だけでした。下山後、昨年暮れにリニューアルした小菅の湯に入り、帰宅しました。ここの湯は少し温めですが、風呂の種類の多さとフロントの気持ちの良い接客態度が印象に残りました。

後山林道終点 後山林道終点
車の方向転換場所になっており、駐車禁止の表示がある
そのまま先へ進むと登山道に入る
後山林道駐車場所 後山林道の駐車場所(林道終点側から写した写真)
谷側の路肩が広くなっている所が数ヶ所あり、そこに駐車する
谷側は切れ落ちており気持ちはあまり良くない
朝は雪で真っ白だったが下山してきた時は写真のように雪が殆ど融けて無くなっていた
三条の湯 三条の湯
自家発電機の運転音だけがしていて、まわりに人影は見えなかった
青岩谷分岐 青岩谷分岐
青岩谷方向の道には通行禁止の表示があった
三ツ岩山 三ツ岩山と飛龍山へ続く稜線
パッと開けるという感じで目の前に現れる
三条の湯から頂上までの間で、左側の視界が開けるのはここだけ
三条ダルミまでの登山道 三条ダルミまでの登山道
雪は積もっているが足がもぐることはほとんど無く、軽アイゼンで気持ちよく歩ける
三条ダルミ 三条ダルミ
写真向こう側が飛龍山へのルート、手前側が雲取山頂上へのルート
三条の湯へのルートは飛龍山へのルートの下側(谷側)にある
休憩用のテーブルとベンチがある
頂上まで登ったあと、ここまで下ってきて昼食にした
三条ダルミからの富士山 三条ダルミからは富士山が良く見える
雲取山山頂の一画 雲取山山頂の一画
三条ダルミ側から登ってくるとここに出る
雲取山の標識が立っていて標識の後の丘にはレリーフもあるので頂上と間違い易い
頂上は避難小屋(写真の赤い屋根)の向こうにある
小雲取山からの稜線 小雲取山から続く稜線
三条ダルミ側から登って来て山頂の一角に立つと真っ白な雪原が目に飛び込んでくる
雲取山避難小屋 雲取山避難小屋
真新しい小屋とトイレが頂上直下に建っている
避難小屋の入口はテラス状になっていて、ベンチが設けられている
先客が一人、入口のテラスで日向ぼっこをしていた
雲取山頂上 雲取山頂上
雲取山頂上からの富士山 雲取山頂上から見た富士山                

雲取山頂上から見た奥秩父の山々
雲取山頂上から見た奥秩父の山々
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