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No.23 笠取山
一之瀬の作場平口まで車で行き、ここから優美なドーム状の山容の笠取山(1953m)に登りました。笠取小屋の手前から雪が現れましたが天気に恵まれ、静かな初冬の山歩きを楽しめました。

日時 2003年(平成15年)12月18日(木)
天候 晴
同行 家内、飼い犬

所要時間
作場平口(8.00) ←25分→ (8.25)一休坂分岐(8.30) ←15分→ (8.45)一休十文字(8.45) ←1時間→ (9.45)笠取小屋(10.10) ←15分→ (10.25)小さな分水嶺(10.35) ←35分→ (11.10)笠取山の最初のピーク(11.30) ←40分→ (12.10)水干(12.10) ←35分→ (12.45)笠取小屋(13.30) ←15分→ (13.45)ヤブ沢峠(13.45) ←50分→ (14.35)作場平口

山行概要
笠取山頂上への登頂路
笠取山頂上への登頂路
高度差約100mを真っ直ぐ登る
国道411号線から一之瀬へ入る道路は二つありますが、今回は塩山市側の方から入りました。道幅の狭い道路ですが作場平の駐車場まで舗装されています。我々が作場平の駐車場に着いた時、他の車は1台も止められていませんでした。

作場平口から笠取山を目指す場合、笠取小屋まで間の導標に笠取山は表示されていません。代わって水干(みずひ)の表示がありますので、この水干を目指して先へ進みます。作場平口から歩き出して30分足らずで、最初の分岐である一休坂分岐に着きました。「ヤブ沢を経て水干4.1km」、「一休坂(急登)を経て水干3.6km」の表示があり、急登の一休坂の方を取りましたが、それほどほどきつい登りではありませんでした。最近登った檜洞丸の急登とは、比べるべくもありません。歩き出して1時間ほどで登山道に雪がポツポツ現れ、木の間から富士山が見えたあと沢沿いに歩き始めると、道は一面の雪になりました。一部、融けた雪や道路を流れる湧き水が凍っており、足元にはしばらく神経を使いました。

沢沿いの登りが少しきつくなったと思ったら笠取小屋に着きました。小屋の前の広場は深くはありませんが一面の雪です。小屋の入口にかかっている温度計を見たら3℃ぐらいを指しており、体感ほど低くはありません。風はそう強くはありませんが、それでも風が吹くとカッターシャツを通して肌まで冷気が通りますので、ここでウインドヤッケを着たり雪道に備えてスパッツをつけたり、また万一に備えてアイゼンを取り出し易くしたりの準備をしました。

導標に従い(ここで導標に初めて笠取山の表示がありました)、小屋の隣に設置された公衆トイレの脇を通って先へ進むとすぐ視界が開け、雁峠の分岐の先に小高い「小さな分水嶺」が見えるようになります。この分水嶺に立っている説明板によると荒川、富士川、多摩川の分水嶺で、これを示す石の基礎と休憩用のベンチがあります。この小さな分水嶺に上がると目の前に広がった笹原の向こうに、富士山や国師ヶ岳が姿を現し、これから登る笠取山が真正面に聳えています。大変気持ちの良いところで、つい長居をしたくなります。

笠取山の最後の登りは、結構ハードで結局一息では登れず途中でしばし休憩して息を整えました。上り切った最初のピークは笠取山の頂上ではありませんが眺めは素晴らしく、南の方に富士山と大菩薩嶺、北東から東側に甲武信ヶ岳、国師ヶ岳の奥秩父連峰とその向こうに南アルプスの甲斐駒、白峰三山がよく見えます。ここでしばらく写真を撮ったり景色を楽しみながら少し長い休憩を取りました。

陽射しがあり、風も時折吹く程度でしたが、それでも動かないでいると寒くなりますので名残を惜しみつつ腰をあげ、笠取山の頂上を越えて水干へ向かいました。笠取山の頂上は数分で着きましたが、これを越えてから水干の表示が現れるまで30分近くあり、意外に時間がかかります。また道の状況もそれま笠取山ルートマップでの整備された道とは趣が全く異なる険しい道になります。笠取山の頂上付近はシャクナゲの木が多く、花時の見事さが想像できますが、残念なことに花芽はあまり付いていませんでした。シャクナゲは園芸種でも隔年開花し易い木ですから、厳しい自然環境下では一度に花が沢山咲くのは稀なのかもしれません。

水干の表示が現れた後、道は平坦で歩き易くなり、水干まで2箇所ほど分岐がありますがきちんと行く先を明示した導標が立っていますので、迷うことはありません。水干は南斜面にあって日当たりが良く、休憩用のベンチもあって、冬の日向ぼっこにはうってつけの場所だと思いました。時間に余裕があればここでしばらく転寝でもしたいところですが、12時を回っていましたので、昼食予定地の笠取小屋へ急ぎました。水干から小さな分水嶺まで道は殆ど平坦です。笠取小屋のベンチで昼食をとった後、ヤブ沢峠経由で作場平口まで下山しましたが、傾斜が緩やかな大変歩き易い道で、予想外に早く作場平に着くことができました。

今回通ったルートは、笠取山の頂上直下と頂上から水干の標識までの稜線を除くと急坂は殆ど無く、道も導標も更に途中の休憩用のベンチ等もきちんと整備されていて、気持ち良く安心して歩くことができます。なお、今年山歩きを再開してから初めて、山では誰とも行き逢うことがありませんでした。首都圏に近く、登り易いとは言っても、アプローチの交通手段がタクシーか自家用車に限られるためか、丹沢辺りと比べると登る人は格段に少ないようです。

今回歩いた笠取山の南側は東京都の水源林として、東京都の水道局が管理をしているようで、そのためか水道局の管理区域外と思われる笠取山(ちなみに最初のピークには山梨百名山、笠取山の頂上には埼玉県と表示された標識が立っている)の名前が、前述しましたように導標に殆ど現れず、少々奇異に感じました。

作場平口 作場平口の登山道入口
笠取山の表示が無く、水干を目指して歩く
ちなみにこの導標には「一休坂分岐を経て水干5.2km」とある
一休坂分岐 一休坂分岐
作場平口から登ってくると出会う最初の分岐
休憩用のベンチがある
一休十文字 一休十文字
一休坂分岐から15分ほどで着く
休憩用のベンチは無いが気持ちの良い場所である
笠取小屋 笠取小屋
小屋は閉められ誰もいなかった
小屋の前の広場には休憩用のテーブルとベンチが置かれている
笠取小屋から見た大菩薩嶺 笠取小屋からは大菩薩嶺が良く見える        
雁坂峠分岐 雁峠分岐とその先の「小さな分水嶺」
笠取小屋からは歩いて僅かの距離
左側に開放感のある笹原が広がっている          
小さな分水嶺 小さな分水嶺
荒川、富士川、多摩川と表示された石の基礎がある
ここへ上がると笠取山が正面に見える
笠取山の最初のピーク 笠取山の最初のピーク
「笠取山 山梨百名山」と記された標識が立っている
富士山と大菩薩嶺 笠取山の最初のピークからの眺望
富士山と大菩薩嶺(左のピーク)         
国師ヶ岳 笠取山の最初のピークから見た国師ヶ岳方面の眺望
笠取山の頂上 笠取山の最初のピークから見た笠取山の頂上
頂上はこの写真の奥の左側で、ここから歩いて数分の距離
笠取山頂上 笠取山の頂上
眺望は得られない
「笠取山1958m 環境庁 埼玉県」と記された標識が立っている
水干への標識 笠取山の頂上から20分ほど唐松尾山の方へ歩くと唐松尾山頂、水干、笠取小屋の方向を示す標識がある
笠取山の頂上からここまでは1本道で、途中に分岐は無い
水干 水干(みずひ)
南に面した明るい斜面にある
休憩用のテーブルとベンチがあり、一息入れたくなる
ヤブ沢峠 ヤブ沢峠
笠取小屋からずっと車のわだちが続いていて、導標に示された柳沢峠の方へ向かっていた

同行した柴犬 同行した飼い犬はこのくらいの寒さは平気で、ノーリードにすると殆ど休みなしに動き回っていた

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