ユニフォームのウェザリング

12インチ・アクションフィギュアにウェザリング(汚し)を行う場合
ネックとなるのはユニフォーム等の布製パーツの“汚し方”だろう。
ここでは“U.S. NAVY SEAL JUNGLE OPS”に使用したユニフォームを例に
その手順をご覧いただくことにしよう。

1:左が布用の染料。全体を均一に染めたいときに使用する。右は布用染料絵の具。
普通の水彩絵の具と同じように使用できるので、筆で汚れを“描き込む”ことができる

2:パッケージから取り出したままの21st社製米軍ウッドランド迷彩BDU。
このまま使用しても何ら問題はないのだが、今回はフィギュアをベースに配置する関係で
ベースのシチュエーションに合わせた“汚し”を行うことにした

3:着古した感じを出すため“洗濯”する。洗剤は使わずに手でもみ洗いする程度で十分。
布が濡れた状態ではどの程度色落ちしたかが判りづらいので、一度洗ったら乾かして色味を確認、
不十分ならさらに洗濯、を繰り返す。肘や膝等の擦れやすい部分は重点的に色を落としてやる。
くれぐれも“やりすぎ”ないように注意

4:汚れた感じを出すため、薄茶の染料で染める。
全体の色味を統一するためユニフォーム以外の布製パーツも一緒に染めておく。
今回は“泥水に浸かった”感じにしたかったのでかなり濃く染めているが、通常ならここまでする必要はない。
フィギュア単体で仕上げるならこの行程自体を省略してしまっても構わないだろう

5:布用絵の具を混色して焦げ茶色を作り、実物で汚れやすい部分にしみこませるように塗ってやる。
袖口や裾などもっとも汚れやすい部分はさらに濃い茶色で着色する。
布用絵の具はアイロン等で加熱するまで完全には定着しないので、
失敗した場合でも水洗いすれば(ある程度は)やり直すことが出来る

6:ここまでの作業が終了したら、ユニフォームをフィギュアに着用させ
ベージュに混色した布用絵の具でユニフォームの表面を軽く撫でるようにして塗装する。
これで布の凸部にのみ絵の具が付着して服のしわや縫い目が強調される
12インチフィギュアにウェザリングを行うこと自体、あまり一般的とは言えないが
それが“兵士”のフィギュアである以上、レジンやメタル製のミリタリーフィギュア同様、
リアリティーを演出する手法としての“汚し”にさほど躊躇を感じる必要はないように思われる。

もちろんこれは私の個人的な考えであって、それを強制するつもりは毛頭ないし
ウェザリングを施すことによって12インチフィギュアの大きな楽しみである“着せ替え”が
ある程度阻害されざるを得ない、と言う側面も考慮しないわけには行かないだろう。

あくまでも12インチフィギュアの楽しみ方の一例、としてご覧いただければ幸いである。

完成状態は“U.S. NAVY SEAL JUNGLE OPS”をご覧ください


PREVIOUS/INDEX/WORKSHOP TOP/NEXT