カスタム版CVCに続いて、HOT TOYSによる製品版をご覧いただきましょう。

とにかく、相当に力の入った製品だと思います。
完成度の点でも現時点ではトップレベルと言って差し支えないんじゃないでしょうかね?
あえてアラ探しをするとしたら、HOT TOYSのフィギュアの脚が長いせいで、
カバーオールを他社のフィギュアに流用できないって事位なのでは(^^;

特に、スペシャル・バージョンは本当に“スペシャル”な内容に仕上がってると思います。
普通のメーカー製フィギュア製品の場合、
いくらで販売するから原価=生産コストはいくら以内、っていうキビシイ制約が存在するわけで、
当然、原型も最初からそれに合わせて作られてるワケですよね。
もし仮に細部まで完璧な原型があったとしても、普通だったらコスト的に折り合わない部分は、
目立たない部分なら省略するとか、手間のかかりすぎるパーツは樹脂成形品で置き換えるとかっていう
アレンジ、というか販売価格とのすりあわせが行われて製品化されるワケです。
ところが、こいつに関してはそういった事が一切無し! で製品化されちゃった。
もう、快挙というか無謀というか…(^^;
とにかく、メーカーが出来る限り原型に忠実に製品化しようとした、ってのが
ありありと判っちゃうくらい、各パーツが原型そっくりに仕上がってます。
もうすでに実物がどうとかって事じゃなくて、
原型と“同じ”にすること自体が目的になってたんじゃないか、って気さえしてきます(^^;
(この辺は各パーツをオリジナル版のページと見比べていただくと、お判りいただけるかと思います)

では、スペシャル・デザート両バージョンの詳細をご覧いただきましょう。
なお、装備品の名称の後に付いた略号は、S=スペシャル版、D=デザート版の付属パーツを示します。

SPECIAL VERSION


ワンオフ・カスタムを忠実に複製したらこうなった、のスペシャル版。
2,000個(内、日本国内は400ヶ)のみの限定生産品です。
HOT TOYSのフィギュアにあわせてユニフォームのサイズが調節されている以外、
本当にオリジナルそっくり(<くどい?)に仕上がってます。
この装備の他に、タンカース・ジャケットが付属します。(KAZ)

オリジナルより装備品が増えてます。(松井)

DESRT VERSION


HOT TOYSが独自に製作したデザート版。
(イメージソースはアームズ2001年5月号掲載の“CVC : GULF WAR”かな?)
実際の戦車兵は、ヘルメット以外は歩兵用装備を着用していることが非常に多いので
ある意味こちらの方が一般的なイメージ、と言えるかも…
BDUをウッドランドや3カラーに交換するなど、カスタムのベースとしても楽しめそうですね。(KAZ)

現用米軍の戦車兵っていうと、やっぱり湾岸戦争時のスタイルが思い浮かびますよね。(松井)

FIGURE


ヘルメットを被せるためか、ヘッドは若干小さめになってます。
(それでもフードを着用した上にヘルメットを被せるのはかなり大変でした)
スペシャル版のみ頭髪がフロック・ヘアになってます。
市販品ではハスブロGIジョーのアドベンチャー・シリーズ以来かな?
素顔だと妙に目立つグリーンの顎髭は、
ヘルメットを着用すると(不思議と)気にならなくなりますね。(KAZ)

CVC HELMET(S/D)


ハスブロ、21st、ドラゴン(ショップ限定品)と、
各メーカーで製品化されてきたCVCヘルメットですが
シェルとライナーが分離可能な市販製品は(多分)世界初、だと思います。
チンストラップのバックルが省略されていたり、
マイクロフォンのアームが多少オーバースケール気味(HALOの流用)だったりと、
些細な点で原型との相違は有りますが、基本的に“非常に良くできている”と思います。
ライナーのフォルムや全体の仕上がりなどは、明らかに原型を超えちゃってます。(KAZ)

これが手に入るのが一番嬉しいです。(松井)

CVC BODY ARMOR(S)


AM掲載時のオリジナルでは省略しちゃってた(眼に入ってなかった…)タグが再現されていて、
嬉しいようなくやしい(?)ような……(松井)

サンプルの画像が届いたとき、まず最初に驚いたのがこのボディーアーマーとガスマスクケース、
なんというか、ニュアンスまで松井さんが作った原型にそっくりだったんですよね。(KAZ)

CVC COVERALL(S)


生地がどんなのになるか心配だったんだけど、とてもいいかんじの生地で満足です。
型紙が全体のシルエット重視で、腰からヒザにかけてたっぷりボリュームをとってあるんですが
ボディは既製のものそのままだから……腰廻りに布かなんかを巻き付けておくといいかも。(松井)

実物は難燃繊維なんで、シャリシャリしてて何だか着心地が悪そうな感じなんですが
コレは柔らかくて手触りの良い生地ですね〜本物より全然着心地良さそう(笑)
監修段階で裾を短くするように指示したんですが、もう一息、短くても良かったかも。(KAZ)

CVC JACKET(S)


これはアームズ掲載時のオリジナルにはないアイテム。HOT TOYS側で作ってくれました。
ディティールはカバーオールとほぼ同じなので、カバーオールに合わせた仕上がり。ばっちりです(松井)

これも多分、アームズ5月号を見て作ることにしたんじゃないかな?
資料は渡してあったんだけど、コスト的に絶対無理だ、と思ってました。
背中もちゃんと開くし、襟も留められるし言うこと無いですね。
色味が実物とはかなり違うんだけど、全部組み合わせたときの印象は非常に良いです。
ホントはカバーオール、ボディーアーマー、ジャケットはほとんど同じ色なんだけど
ボディーアーマーと同じく、ベージュ系にシフトしてあります。
チョコチップBDUと相性の良い色になってるのもポイント高い、と思います。(KAZ)

6 COLOR DESERT BDU(左・D)


やっぱりチョコチップ・パターンっていいよね。
しかしBDUの前合わせのボタンはいらなかった……(松井)

これはHALOのBDUの時から直ってないんですよね…
使ってる生地が厚手なのも、ちょっと気になりました。
色味はすごく好きなんですけどね〜もしかしたら本物より好きな色かも(^^;(KAZ)

M1 BODY ARMOR(右・D)


残念! ウッドランドパターンなのに形はデザートカバーを付けた状態になっちゃってる。
KAZさんのとこに写真が来たときにはもう量産してた。(松井)

デザートの方は量産版サンプルが出来上がるまで見せてくれなかった…
もしかして最初の監修の時、大量に指示を入れちゃったんで
見せたら大変なことになる、と思われたのかも(^^;
知ってれば指摘も出来たし資料だって有ったのにねぇ、勿体ない。(KAZ)

GUS MASK CASE(S/D)


もうほとんど原型そのまま。もちろんプリントはきれいになってます。
飾るときは、なんでもいいから中になにかアンコを入れたほうがかっこいいです。(松井)

原型との相違点はストラップが市販リボンになってることと、
腿に回すストラップが簡略化されたことくらい、ですね。(KAZ)

HOOD(左・S/D)


ノーメックスのフードも付属。
「作れないだろうなぁ」と思いながら資料を渡したら、ちゃんと製作してくれました。
しかもこの完成度! 多少厚ぼったいのは仕方がないでしょうね。(KAZ)

CVCジャケットもそうだけど、現用戦車兵用装備を揃えるとしたら
やっぱり押さえておきたいアイテムなのに、
アームズ掲載の時にはここまで作れなかったんですよね。
しっかりフォローしてもらって、すっきりしました。(松井)

TANKER'S BOOTS(右・S/D)


原型はまあ、出来がアレなので、資料に使った写真を添えて
「写真を参考にして、原型より良く作ってください」という指定(?)だったんだけど、
立派なものが出来てきて安心。かっこいいね。(松井)

おそらく、市販品では最良のブーツの一つ、でしょうね。
合皮製なんだけど、つま先の丸みとか、本当に頑張ったなぁ〜と。
(これでソールがもう一回り小さければ完璧…だったんだけどなぁ)
陸軍ヘリコプターパイロットにも流用できる“美味しい”アイテムです(KAZ)

M7 HOLSTER(左・S/D)


“US”の刻印は、「これ(原型)にはないけど、よろしく」と一言そえて版下データだけ渡したら
ちゃんと出来てきました。やっぱりあるとないとで全然違いますね。(松井)

本体部分はもうちょっと硬い革だと良かったんですけどね〜
出来が良いだけにちょっと残念。
こうなったら茶色のも作って欲しいです。(KAZ)

M3 SUB MACHINEGUN(右・S/D)


何故か戦車兵には“グリースガン”がよく似合う(?)
グリップのモールドが実物と逆の凸になってしまっているのが残念。
マガジン着脱、排莢口カバー開閉、ストックの伸縮が可能です。(KAZ)

PEN(左・S/D)


取り立ててどうと言うことのないパーツではありますが、付いていればやはり嬉しいです。
カバーオール、ジャケットの肩ポケットやBDUの胸ポケットにさしてやりましょう(KAZ)

原型と型紙を渡すときに「製品にはペンも欲しいな」と
おねだりしたらちゃんと付いてきました。
オリジナルを作った時にも、肩のペンポケットに
どこかから持ってきたペンを差してあります。(松井)

INSIGNIA(右・S)


戦車兵徽章(上)は刺繍、ネームテープとU.S. ARMYのテープ(下)は印刷です。
それにしても…まさかこんな事になっていようとは(笑)。
ちなみに、フィギュアの顔は私には似ていません(^^;(KAZ)

似てればおもしろかったのにね。(松井)

PACKAGE


スペシャル版(左)とデザート版(右)のパッケージ。
実は、私が原案とグラフィック製作を担当させていただいてたりします。(KAZ)

パッケージは、HOT TOYS側からKAZさん側にやってほしいというお話がきたんですけど
KAZさんが時間が取れなくてできないかも…ということになりかけながら
最終的にはほぼKAZさんのデザインで仕上がりました。
一時は「まあ別にいままでのデザインでもいいんじゃない?」くらいに思ってたんだけど
出来上がってみるとやっぱりKAZさんがやってくれて良かったなあ〜としみじみ思いました。
パッケージまで含めて“完成”って感じですね。(松井)

KITBASH


スペシャルとデザート、両方購入すれば組み合わせ替えで楽しめます。
戦車兵はバリエーションが乏しい、といっても、
細かな点に着目すれば着せ替えのネタには事欠かない、と思います。
左端はスペシャルのジャケット着用バージョン(コレは両方買わなくても出来ますね(^^;)
真ん中2体はボディーアーマーを相互に交換、右端はデザートにスペシャルのジャケット着用です。
右端のTシャツのみ他社製品ですが、ドラゴンやBBIの歩兵装備と組み合わせてやれば、
さらにイロイロと楽しめそうです。(KAZ)

HALOのウッドランドBDUや、NBCのゴム引きジャケットも使えます。(松井)

と、いうわけでHOT TOYS版CVC詳細レビューでした。
私(KAZ)の個人的な感想としては、オリジナル版を作ったときに、巧く再現できなかった部分が
ほぼこちらの意図通りに修正されていて感無量、ってところでしょうか。
本当に“立派”になって帰ってきてくれて…お父さんは嬉しいよ……と(笑)。

とにかく、少々無茶なリクエストにも真摯に対応して下さったHOT TOYSのハワード氏と
HOT TOYSと当方との間に立って、イロイロとお骨折りいただいた、トイズエアメールの寒川氏には
本当に感謝しています。どうもありがとうございました。(KAZ)

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