Top浮世絵文献資料館名所編
 
名所編 【し】大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔名所編〕大田南畝関係
【芝居】(しばい)※◯は欠字、◎は表示不能文字
詞書・詩歌出典巻・頁年月日
「戯場(シバイ)四時の歌
 春  儀式三番已に翁を渡す 狂言作者各工を争ふ 年々歳々曽我を為す 歳々年々役同からず
 夏  時は今五月下旬の過 十八年来風雨多し 貧乏知らず曽我祭 俄に分限と為る意(ココロ)如何
 秋  信田の葛葉児に別れて還る 又見る稲妻不破の関 桂木秋高し三本傘 天辺何れの処か狂言の山
 冬  一陽来復す座元の春 贔屓連中手を打つ事頻なり 装束花の如く顔見世 誰か憐む跡足(アトアシ)馬啼の塵」
壇那山人藝舎集①470天明4年刊
1784/
「年のはじめのうた  四方赤良
 戯場のことば 大入の屠蘇の盃込合ぬ御老人様しづかに跡より
狂歌千里同風①64天明7年刊
1787/01/
「二丁町(ニテイチヤウ)の詞(コトバ)
 隅(クマ)には衣裳を想ひ髪には容(カタチ)を想ふ 春風檻を払つて桟鋪(サジキ)重なる
 若し東側の桟鋪に見るに非ずんば 会(カナラ)ず三階楽屋に向(ムカ)つて逢はん

  其の二【とはさんじき二間つゞきなり】
 牡丹紅葉(モミヂ)菊(キク)香(カウ)を凝らす 贔屓沢山宗十郎
 借問す三升(サンジヤウ)誰か似たることを得ん 可憐(カレン)の海老威光に倚(ヨ)る

 其の三【とは三がいの事歟あながちさうでもなし】
 立花銀杏両つながら相歓ぶ 各(オノオノ)町中笑ひを帯て看ることを得たり
 拝借す市村限り無き座 桐長(キリチヤウ)桐の櫓闌干(ランカン)に倚る」
通詩選諺解①481天明7年刊
1787/01/
「仲冬即事 二百升平百万商 劇評歌譜満康荘 莫言米価今年貴 南北斉開大戯場」南畝集16
漢詩番号3227
⑤117文化5年
1808/11/
「戯園 橘園兼杏社 鼓吹日喧闐 三面分区処 看場当尽前」〈橘は市村座、杏は中村座〉南畝集19
漢詩番号4040
⑤358文化12年
1815/04/
「天地人一番戯場の心をよめる 久かたのあめやおこしにあらかねの土間はひとつの大芝居かな」巴人集②457未詳