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   名物編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔名物編〕   大田南畝関係
     (動物・植物・食物・器物・鉱物等)
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名物詞書・詩歌出典巻・頁年月日
だいござくら
醍醐桜
「大井の西光寺に一芳樹有り。名づけて醍醐桜と曰ふ。予、仲春廿一日を以て此の地に遊ぶ。敷芳爛熳として、庭上に照映す。因りて賦す
 十年不問西光寺 一日重尋東海浜 自有醍醐芳樹在 賞心美景及良辰」
南畝集16
漢詩番号2879
⑤14文化3年
1806/02/
だいしょう
大小
「享和四年甲子の春 大小の歌 大の月春はあと先夏は末秋は真中冬はのこらず」
〈大の月は1・3・6・8・10・11・12月〉
巴人集②438享和4年
1804/
「来年(文化六年)大小 小遣の帳は三六十八の大晦日なきとしとしるべし」
〈小の月は3・6・8・10月〉
をみなへし②37文化6年
1809/
だいじんまい
大尽舞
「大尽舞のうた さて当世の大尽は、紀国文左でとゞめたり、それをいかにとたづぬるに、緞子三本紅五匹、綿の代まで相そへて、揚屋半四におくらるゝ、二枚五両の小わきざし、これも半四におくらるる、今は半四がたからもの、大川舞を見さいな
 一時孤老更紛々 孤老無如紀国文 紅絹五匹緞三束 綿絮折金若干分
 更有千金一宝剣 手自脱却以贈君 北里主人字半四 伝為家宝至今聞
  癸亥中元前二日   蜀山外史」
細推物理⑧400享和3年
1803/07/13
たうえ
田植
「田植 みちのくの十ふの菅笠七ふには君が田植てみふつくりとり」巴人集②395天明3年
1783/03/
たか
「寄鷹逢恋 あひぬれば何かしらふのおもしろしこれやとつたかみたかなるらん」狂歌才蔵集①45天明7年
1787/01/
「鷹狩 わけてけふめでたかり場のお物数ありとや祝ふやかた尾の鷹」
〈『蜀山百首』①311『清好帖』⑳374〉
めでた百首夷歌①80天明3年
1783/01/
たからあわせ
宝合の会
「玉つかむ両国ばしにて、のちのたから合ありける時、芦間の舟のさはる事ありて、柳ばしの柳になしがたく、そのむしろにもあづからざれば、心に思ひつゞけ侍りける
 思ひきやたからの会に入ながら日をむなしくて過すべしとは」
巴人集②403天明3年
1783/04/25
たからぶね
宝船
「宝船 長き夜のとをのねぶりの目ざましき数の宝をつみて入船」放歌集②177文化9年
1812/01/02
たき
「夏滝 雪中の竹の子よりも孝行のとくはすゞしき養老の滝」巴人集②440文化1年
1804/05/
「目白の滝 布引の滝をながめし目白だいたつた手拭い一すぢの水」をみなへし②25文化4年
1807/11/
たけ
  (別資料)
たけしまゆり「たけしまゆりといふを物名に 朝まだき咲そめしより日たけしまゆりもこぼさぬ花の上の露
「同じく夷曲 年はたけ島田にゆへる娘かとみればうつむくさふりばの花
        咲出る花の形はひあふぎをかざすに似たるたけしまの百合」
をみなへし②25文化4年
1807/04/
たけのこ
竹の子
「竹の子 竹の子のその物の子のものゝ子のにこ/\いまだ茂るめでたき」巴人集拾遺②476未詳
たけやぶ
竹藪
「竹薮梅【坂上竹藪会】 くれ竹のふしぎに花のさきがけは薮の中にもかうのものなり」巴人集②393天明3年
1783/02/
たこ・いかのぼり
凧・紙鳶
「軒鳶凧【京町、加保茶元成会】 春の日の長きしり尾に板やねの瓦落してのきの鳶凧」巴人集②392天明3年
1783/01/
「紙鳶
 蔡公魚網未臨淵 墨子鳶飛欲上天 百丈游糸頻転籰 三春高調遠鳴絃
 逐霞飄颺楊花外 招景挽回桑樹巓 縦送磬控如攬轡 児童仰望晩風前」
南畝集13
漢詩番号2238
④249享和3年
1803/閏01/15
「紙鳶 むつきたつ雲を霞にいかのぼり御鑓御免と声をはる風」紅梅集②320文化15年
1818/01/
たこ
蛸(鮹・章魚)
「章魚をさかなに酒たうべて 誰にても酒をしひてや足はあれど手のなきものぞたこの入道」をみなへし②8明和?
たちばな
「橘 たち花はみさへ花さへめでたさはやはりむかしのときは木のまま」めでた百首夷歌①75天明3年刊
1783/01/
たちまちづき
立待月
「(八月)十七日 名和氏のもとにて立待月をみる
 酒のみの身にはきのふの大雨のもちをば長くたちまちの月」
細推物理⑧388享和3年
1803/08/17
「十七夜 城門雲散月仍円 靄々靄堤古柳煙 二八已過三五夜 欲攀残桂一樽前」南畝集20
漢詩番号4405
⑤463文政1年
1818/08/17
たで
蓼 (秋の花)
「秋花 夜来風雨捲茅茨 残却牽牛倒竹籬 半畝蓼花紅蔟々 露留寒蝶故遅々」南畝集16
漢詩番号3090
⑤79文化4年
1807/08/
たばこ
煙草
「寄煙草恋 うづみ火のしたにさはらで和らかにいひよらん言のはたばこもがな」をみなへし②7明和?
「麁葉益を服す【そはを呑はしまつまり】  応(ヲウ)吝(シワ)」
 秋竜王を染めて葉半ば紅なり 甲州西に望めば草空に平らかなり
 誰か知らん狼犬(ヲイヌ)河原の意 服部蕭蕭たり国府の中

 竜王、烟草名。甲州、又同「川柳点」しうとばゝ甲州月に二斤のみ。西望とは馬につけてくるをいふ。草平空とはたばこのけむりをいふ。「河東廓家桜」たばこもけふる花のクオ。おいぬ河原近年はやり物なり。万象亭が「新女意題」「馬鹿集」神明の妓、仙台の客に対して曰、ナニおいのがはらだへ、ヲヤいとこのかはらがきひてあきれる。服部、国府みな烟草名。蕭々とは少々といふ事か、さうはきこへず。烟草舗障子に云、諸国名葉色々」
通詩選諺解①499天明7年
1787/01/
「戯れに煙草を詠ず 南蛮鴃舌淡婆姑 勧酔蒼生及海隅 貴客熏煙灼移気 美人花唾吐為珠」
「又 一草荒蕪五稼田 紛々士女共相憐 吾生二百年前世 長住人間不喫煙」
南畝集19
漢詩番号4048-9
⑤361文化12年
1815/05/
たまご
玉子
「寄玉子釈教 わしの山いでにし人は世の中をことごとくわが玉子とや思ふ」
〈天明5年刊『狂言鴬蛙集』所収〉
巴人集②400
②466
天明3年
1783/06/
「寄玉子恋 おさらばとそむけし顔をむき王子きぬぎぬ糸のきるにきられず」巴人集②411天明3年
1783/06/
たますだれ
玉簾 (音羽)
「神齢山のふもとに音羽町滝あり。玉すだれと名づくるとて
 深山より落くる滝の玉すだれかゝげてやもんみな月の雪」〈神齢山護国寺門前〉
放歌集②192文化9年
1812/05/05
たむら
田村 (謡曲)
「十三夜、橘洲のもとにて謡十三番を題にて月の歌よみける時、田村を
 あれをみよふしぎやなぐゐおほ空にひとたびはなつ千々の月影」
をみなへし
万載狂歌集
②6
①10
明和8年
1771/09/13
たるざけ
樽酒
「樽酒を硯の海とたくはへて筆の命毛ながくのまばや」巴人集②443文化1年
1804/04/
たんご
端午
「端午 のほり竹すぐなるよとは上みしもの麻の中なる蓬にもしれ」をみなへし②7明和?
たんとう
短刀
「本来無一物とゑりたる短刀の鞘に つるぎ太刀身さへ守れば本来がさせる一つのものゝふもなし」紅梅集②313文化14年
1817/09/