Top         浮世絵文献資料館   浮世絵師総覧
 
   名物編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔名物編〕   大田南畝関係
     (動物・植物・食物・器物・鉱物等)
  【さ】※◯は欠字、◎は表示不能文字
名物詞書・詩歌出典巻・頁年月日
さかずき
「盃にいのしゝの肩を肴にせし画に うつしゑの筆もかるもの露なれやのんでふすゐの床の盃」巴人集②430天明4年
1784閏01/
さかや
酒屋
「題酒屋壁 此辺居酒屋 処々借銭多 寄語番頭殿 許吾一本波」千紅万紫①243文化8年
1811/
さぎ
「鷺林 振振林中鷺 于飛雪片重 荒園余異草 停午送疎鐘 赤羽一条水 清風三鈷松
 従来幽僻地 散歩進孤筇」
南畝集9
漢詩番号1884
④136寛政5年
1793/
さくら
桜 (花)
  (別資料)
さくらがり
桜狩
「桜狩 春の日もたか野の末や山の奥花にほねおる犬さくらがり」巴人集②395天明3年
1783/03/
さくらそう
桜草
「桜草 みてのみや人にかたらん桜草ねごとにほりてわらづとにせん
     ちればこそとはいふもののちらぬこそいとどめでたき桜さうなれ」
狂歌才蔵集①41天明7年刊
1787/01/
「桜草 紫霞成綺勝朱桜 芳甸分根異雑英 山郭江村春雨後 忽聞門外売花声」南畝集9
漢詩番号1877
④134寛政4年
1792/03/
「桜ぐさ むさしのゝ一もとならずむらさきの地に丁どおふ江戸さくらそう
 桜草の唐名を紫花地丁とかやいひし」
あやめ草②100文政5年
1822/03/
さけ
  (別資料)
さけかっせん
酒合戦
「千住にすめる中屋六右衛門六十の寿に、酒のむ人をつどへて酒合戦をなすときゝて
【かの慶安二年の水鳥記の事を思ひて】
   慶びの安きためしのとしの名を本卦がへりの酒にこそくめ
 又 はかりなき大盃のたゝかひはいくらのみても乱に及ばず」
七々集②277文化12年
1815/11/21
ささえ
小竹筒
「小竹筒 さゝのはをこめしさゝえの一ふしはひとよのほどもなくてかなはず」紅梅集②326文化15年
1818/02/
さざんか
山茶花
「春日、徐徳卿・井子瓊と同じく、鈴一貫に過りて山茶花を賞す
 郷隣咫尺試推扉 千朶山茶自数囲 白洗淡粧経宿雨 紅含微笑映斜暉 仙遊似倚三珠樹 形穢応慙万玉妃
 尽日閑庭看不厭 繽紛更逐落霞飛」
南畝集8
漢詩番号1607
④41寛政2年
1790/03/
「茶梅 買得茶梅樹一株 手将携去駿台隅 一庭風物逢秋尽 欲見冬初綴小珠」南畝集19
漢詩番号4088
⑤371文化12年
1815/09/29
「茶梅、梅風と名づく 東風何処起 細々入茶梅 旧是江南種 応従海外来」南畝集20
漢詩番号4629
⑤527文政4年
1821/12/
さぜんまめ
座禅豆
「朝ごとに座禅豆、きん時きん時とうるものあり。金時は赤豆の名なりとぞ
 座禅豆きん時あづき西来の風の鬼神(取)拉ぐらし」
あやめ草②79文化7年
1810/06/15
さなえ
早苗
「早苗 早苗よりひいでてみのるいきほひは千町万町やめで田植歌」めでた百首夷歌①75天明3年刊
1783/01/
さば
「刺鯖 借銭の山となりたる盆前の内はのとさはさしてかまはじ」巴人集②395天明3年
1783/03/
「刺鯖 さし鯖のさしたる味はなけれども蓼くふ虫のすきてこそくへ」紅梅集②346文政1年
1818/07/
さやえ
鞘絵
「鞘絵(さやうつし)を詠ず
 二人の頭は鉢匏瓜(ハチフクベ)に似たり 背は未申(ヒツジサル)へ曲がつて著る物斜めなり
 笑ふ此の一枚の京土産       皆皆鞘に映して更に相誇(ヲゴ)る」
寝惚先生文集①353明和4年
1767/08/
さらさ
更紗
「西域の花布(さらさ)に紅葉をするたる
 さく花の布ならなくにたつ田川もみぢの錦さらさとやみん」
紅梅集②340文化15年
1818/04/
さる
「猿 木末から猿が三疋さんさがり其あいの手は手々と手と手と」巴人集拾遺②476未詳
「子を思ふ朝三暮四の猿の尻真赤にひとつのこす枝柿」蜀山百首
清好帖
①310
⑳367
文化15年刊
1818/01/
さるすべり
紫薇花
「隣家の紫薇花
 東隣一樹紫薇高 組綬蒙茸蔭野蒿 寄語薄膚休怕癢 隔墻看似隔靴掻」
南畝集18
漢詩番号3806
⑤291文化10年
1813/08/
「紫薇花 一株新発紫薇花 百日紅雲篭綵霞 旧是中書省中種 在官何託庶人家」
〈『白氏文集』「紫薇花」。百日紅=紫微花。中書省は別名紫微省とも、詔勅の立案・起草を司る役所〉
南畝集20
漢詩番号4551
⑤505文政3年
1820/07/
さんか
山家 (隠居)
「山家を尋ぬ 野水涓々隔竹林 青苔路転引幽尋 主人家在斜陽外 独木橋懸一壑陰」南畝集13
漢詩番号2137
④218享和2年
1802/06/
さんざる
三猿
「桜のもとに三猿あり。一ッの白猿口をとぢて両の手にてふたつの猿の耳と目をふたぎたるは、見ざるきかざるいはざるの心なるべし。隣松の筆なり
 面白い事をも見ざるきかざるは桜を花といはざるの知恵」 〈『千紅万紫』は「隣松の筆なり」を削除〉
あやめ草
千紅万紫
②70
①234
文化7年
181003/
さんさんしゅん
山々春 (酒銘)
「山々春を咏ず【酒名】 美酒旧称山上山 山々春望別筵間 人生若有神仙術 縮地時々往又還」南畝集12
漢詩番号2112
④205享和2年
1802/03/03
さんすいが
山水画
「山水の画に堂あり虹あり 此堂は観音堂か夕立のはれわたるにじ無尽意菩薩」あやめ草②74文化7年
1810/05/
さんばそう
三番叟
「三番叟 何事も三番叟こそ大事なれ大事をふめばよろこびありや」巴人集拾遺②476未詳
「三番叟 翁よりまたにぎはしき三番叟さあらば鈴をまいらせ歳」あやめ草
千紅万紫
②67
①233
文化7年
1810/03/
さんぼう
三宝
「棒歌撰 三方をよめる 三ぼうのすみきり角に八すみしる君がよもぎの島をいたゞく」
〈四方赤良と朱楽漢江との「狂文棒歌懸合序」あり。省略〉
巴人集②452天明5年
1785/01/
さんま
秋刀魚
「さんまのものといふを物名に もろ人のとりめすものをわれも又まなくさんまのひものとくとく」をみなへし②25文化4年
1807/09/
さんもん
ごさんのきり
山門五三桐
「山門五三桐といへる狂言の名題によせて
 山門の高き弁当棧敷代五三の桐の金もおしまじ
 葷酒でも何でもはいる山門に五三の桐のこがね花さく」
 〈中村座三月興行「楼門五三桐」〉
あやめ草
千紅万紫
②66
①233
文化7年
1810/03/
さんもんばな
三文花
「花 春のよのたゞ一時も千金にかへまじものを花が三文」をみなへし②4不明