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   名物編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔名物編〕   大田南畝関係
     (動物・植物・食物・器物・鉱物等)
  【ふ】※◯は欠字、◎は表示不能文字
名物詞書・詩歌出典巻・頁年月日
ふうりん
風鈴
「風鈴告秋 ふうりんのりんとひゞきし秋風は荻の上はの一文の銭」
〈『蜀山百首』①309『清好帖』⑳365所収〉
巴人集
徳和歌後万載
②412
①27
天明3年
1783/07/
「枕上風鈴を聞く 茶煙未歇酒先醒 倦読床頭枕一経 夢裏如聞桐葉落 満簷涼気入金鈴」南畝集16
漢詩番号3186
⑤106文化5年
1808/06/
「風鈴 風鈴も風にまかする身なれども銭がなくてはならぬ世の中」巴人集拾遺②474未詳
ふうりんそば
風鈴蕎麦
「大道にして笛を吹くを聞く
 音浄うして風鈴蕎麦還る 月は明らかなり横町物干の間
 借問す按摩何れの処にか去る 笛吹いて一夜玄関を過ぐ

 風鈴蕎麦「食物本草」に云、夜たかそばと似て非なるものなり。大平にもり上おきありて毒なし。按摩の笛ふく事近比の事なり。いにしへ薩摩いも笛をふきし事あり。此玄関はいづくをさせるや。上に横町ものほしの真とあれば、町いしやか名主さまか。但山師のげんぐはか、あとの中番できゝたまへ 」
通詩選諺解①494天明7年刊
1787/01/
ふえ
「夏夜、笛を聞く 夏夜涼風満草堂 誰家吹笛隔垂楊 忽看葉々催揺落 庭上還疑六月霜」南畝集4
漢詩番号0552
③195安永7年
1778/06/
「夏夜、笛を聞く
 涼夜幽情憶所親 一声横笛起比隣 千条柳色愁中長 五月梅花曲裏新
 五月梅花曲裏新 響入南薫催舜楽 清令北塞感胡人 不覚高林露湿巾」
南畝集5
漢詩番号0785
③271安永9年
1780/05/
ぶかん
武鑑
「(隅田川船遊山)船の中に武鑑をひらき見て居るを見て
 船中に武鑑をひらく人は是何万石やつみおへるらむ」
巴人集②407天明3年
1783/05/
ぶぐ
武具
「寄武具恋【萩寺席上当座】 なぎなたにあひしらはれし我なれば事もまたなきり包丁」七々集②248文化12年
1815/08/
ふくじゅそう
福寿草
「戯れに福寿草を詠ず
 東風纔入碧窓紗 喜見正朝発異花 影似青葵傾日切 色疑黄蝶遶籬斜
 幽奇争賞移春檻 担荷時過種樹家 縦有一枝称富貴 芳名那得独相誇」
南畝集3
漢詩番号0454
杏園詩集二
③158
⑥44
安永5年
1776/01/
「題福寿草 元日草先発 一年謀不空 此花称福寿 官禄在其中」千紅万紫①259文化6年?
1809/?
「春二十首 あら玉のとしのはじめの福寿草禄といふ字は其中にあり」
〈『清好帖』文政7年(1824/02/)⑳352参照〉
蜀山百首①307文化15年刊
1818/01/
「福寿草【側金盞花、俗に福寿草と名づく】 寿共豆山峻 福如豆海清 満酌側金盞 知兼福寿名」南畝集20
漢詩番号4515
⑤495文政2年
1819/12/
ふくべ
「長瓠 瓠子夕顔五条露 蕉翁朝飯四山烟」千紅万紫①233文化7年
1810/
ふくぼたん
福牡丹(替え紋)
「福牡丹は家のかへ紋なれば 富貴をも福の一字にこめておく牡丹は鼻の贔屓なるもの」
〈福牡丹は市川団十郎・成田屋の替え紋〉
をみなへし②45文化6年?
1809/?
ふくろくじゅ
福禄寿
「福禄寿賛 天道無親 善人是資 南極有寿 仁者得々  南畝覃」巴人集②442文化1年
1804/
「福禄寿 ふくと寿の二ツに事はたる酒の天美禄も其中にあり」あやめ草
千紅万紫
②76
①236
文化7年
1810/06/
ふじ
  (別資料)
ふじばかま
藤袴
「蘭 ひとのよりこゝのにたてる藤ばかもこれや十番仕立なるらむ」巴人集②460未詳
寛政10年?
ぶどう
葡萄
「葡萄 紫の一もとならぬゑびかづらつらぬきそめし玉かぞとみる春二十首」をみなへし②38文化5年?
1808/?
ふそうか
扶桑花
「扶桑花 誰截扶桑日下霞 霏紅間緑一枝斜 請看老瓦盆頭物 即是中山海外花」
〈ハイビスカス。中山は沖縄〉
南畝集20
漢詩番号4666
⑤536文政5年
1822/06/
「扶桑花 から人の扶桑といへるあだし名をうるまの国の花とこそみれ」〈うるまの国は沖縄〉をみなへし②49文政5年
1822/06/
ふなつなぎまつ
舟繋松(日暮里)
「日暮里に遊んで繋舟の松に題す 昔聞碧海水 今看桑田煙 唯有孤松在 行人嘗繋船」南畝集5
漢詩番号0767
③266安永9年
1780/02/
ふろ
風呂
「混堂 晨踏厳霜入混堂 一団和気浴温湯 何論袒裼兼裸体 礼俗由来別有郷」南畝集16
漢詩番号2845
⑤4文化2年
1805/11?