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   名物編 【み】大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔名物編〕大田南畝関係
  【見世物】(みせもの)◯は欠字、◎は表示不能文字
出し物詞書・詩歌出典巻・頁年月日
曲馬「曲馬祝 慶長の大坂下り大曲馬おさまる御代をとつとほめたり」
〈『半日閑話』明和9年4月「両国薬研堀新地にて大阪下り大曲馬大評判」6月15日、山王祭礼時上覧⑪359〉
巴人集②459明和9年
1771/04/
小人「矮人行
 城東悪少開観場 一場観者如堵墻 鼓声一通呈百戯 管絃嘔唖響斜陽
 聞道僬僥短之極 突乎矮人在坐側 看来婆子貌己真 鼓舞跳梁応一曲
 天下産業有四民 底事苦此不成人 寄語求銭食粟者 何不慙汝七尺身」
南畝集7
漢詩番号1404
③486天明8年
1788/014/
人形「浅草寺に水戯の傀儡を観る
 天女池頭転碓輪 涓流激水動愈新 徹帷撃柝開場戯 槌鼓鳴絃舞木人
 腲腇異僧肩荷袋 軽盈奼女韤生塵 更聞藩邸佳公子 一顧恩栄有賜銀」

(武江年表「夏、浅草寺老女、弁天の池へ水車を仕掛け、人力を用ひずして人形を踊らせ、鳴物を鳴らす見せ物出る」)
南畝集18
漢詩番号3790
⑤287文化10年
1813/06/
轆轤首「七夕、戯を看る 紛々鼓板戯台頭 幻出仙槎乞巧楼 万古千秋同脚色 旦為織女末牽牛」
「又 湖山変幻入勾欄 八詠伝奇非一端 不用看場憂矮子 新扮南海飛頭蛮」
南畝集18
漢詩番号3800
⑤290文化10年
1813/07/07
鯱 鯨「両国ばしのほとりにて此比尾張の海にてとりしといふしやち鯨のみせ物あり
 いさなとりいざやみんとて両国のはしによりつくわれ一の森」
七々集②300文化13年
1817/02/
猿廻し「東山の下に禽戯を見る 已教猱升木 還令狗負猴 一場禽戯罷 能賦暮三不」〈猱は猿〉南畝集18
漢詩番号3745
⑤274文化10年
1813/02/
章魚娘「両国橋の東に百戯有り。章魚娘と標記す 橋東百戯女纔笄 転籰操車首自低 仔細数銭還理鬢 都将弓足代柔荑」
〈足で弓を引く見世物か。「柔荑」は柔らかく白い女の手〉
南畝集18
漢詩番号3893
⑤314文化11年
1814/04/
水芸「水戯を観る 竹竿裊々灑青苔 迸水過顙激且回 一顆赤珠跳不止 奔騰還入露盤来」
〈『武江年表』「夏、浅草寺老女、弁天の池へ水車を仕掛け、人力を用ひずして人形を踊らせ、鳴り物を鳴らする見せ物出る」〉
南畝集18
漢詩番号3896
⑤315文化11年
1813/05/
銭細工「叡麓の稲神祠に銭を畳ねて仮狐を造る。奇功の極なり。観る者麇至す。戯れに賦す
 綏々曾聞阿紫名 如何枉屈孔方兄 肉肥狐臭疑銅臭 蝶化蘭英雑菊英 都下喧伝無足走 閨中妖媚探珠行
 祠前第一揺銭樹 欲与神威較重軽」

〈「四月朔日より、下谷正法院稲荷明神開帳(神田平永町小柳町より、大きさ九尺計りなる銭にて造りし狐の額と鍵の額とを納む。細工人舟月の門人舟水なり)」『武江年表』〉
南畝集18
漢詩番号3899
⑤316文化11年
1814/06/
籠細工「浪華の工人、篾を織りて人物及び禽獣の形を造る。浅草大悲閣の側に看場を開き、観る者麇至す。利市三倍す。戯れに一絶を作る 織篾為諸物 詭観傾一州 世間多笨伯 同気似相求」〈篭細工〉
「其の二 漢寿亭侯像 豊干猛虎雄 珍獣将異獣 篭絡一奇工」〈関羽・豊干禅師と虎〉
南畝集20
漢詩番号4497-8
⑤490文政2年
1819/08/
「浅草寺に籠細工のみせものあり。浪花より来るといふ 観音のかごめかごめのかございく朝もつるつるはいる見物
 二十間茶屋藤わらの留成のもとより駕籠にて大川はしの舟までゆくとて
 これも又篭細工也浪花からあづまばしまで二十軒茶屋」
「浅草の籠細工のみせものにぎはしときゝて 灯篭も俄をもみん浅草の籠の細工を籠ぬけにして
 〔欄外。屋代弘賢 鳥けもの竹にてくみし花がたみめならふ人のほめざるはなし」
「此ほど浅草にて浪華の匠がつくれる籠細工の見せ物の大に利を得るときゝて、江戸のまけじだましゐに、大きなる酒顛童子の形を籠に造り両国橋のこなたにてみするとて、江戸の花といへる挑灯など出しときゝて
 なには津のあしかるべきを江戸のはな高しときくは木戸の札銭
「籠細工 聞道浪華篭細工 開場浅草本堂東 鳳凰孔雀麒麟出 牛馬山家猪鹿同
      関羽周倉横偃月 豊干猛虎嘯長風 直過矢大臣門前 不拝観音多素通」

〈浪華の籠細工師は一田正太郎。両国は江戸亀井町笊かご師の細工の由。『武江年表』文政二年の項参照〉
紅梅集②372~5文政2年
1819/07~09/
かいざいく
貝細工
「貝細工 浅草今年貝細工 今年却勝去年篭 石舟井上与看造 三子揚名山郭公」巴人集拾遺②497文政3年
1820/