Top      浮世絵文献資料館 名物編
 
   名物編 【ほ】大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔名物編〕大田南畝関係
  【時鳥・不如帰・杜鵑・子規】(ほととぎす)◯は欠字、◎は表示不能文字
詞書・漢詩・狂歌出典巻・頁年月日
「子規啼 江南北柳花飛 片片随風点客衣 解釈子規啼血恨 春光千里不如帰」牛門四友集⑥10明和4年刊
1767/
「郭公 ほとゝぎすほぞんのみくりふりぬればいまはてつぺんかけたとやなく」をみなへし②8明和?
「子規啼
 不堪帰意切 千里子規啼 夜夜清風外 声声緑樹西 征夫○伏枕 少婦泣空閨
 開戸唯明月 関山望転迷」
南畝集2
漢詩番号0174
③63安永2年
1773/04/
「江上、子規を聞く。中字を得たり
 江天日夜雨濛濛 吹送孤帆万里風 回望子規啼血処 声声隔在杳冥中」
南畝集3
漢詩番号0355
③126安永4年
1775/04/
「子規啼
 落尽楊花雪 千林緑自斉 間関黄鳥老 髣髴子規啼 孀婦愁中聴 征人夢裏迷
 為添帰去思 風雨転凄凄」

〈李白「楊花落尽子規啼」〉
南畝集5
漢詩番号0940
③322安永10年
1781/04/
「郭公 ほとゝぎすまちまふけたるみぎりよりひだりの耳できくぞめでたき」めでた百首夷歌①75天明3年
1783/01/
「中洲郭公【山道高彦会】みつまたの四季菴に郭公をきゝて
 ほとゝぎすなくやひとふたみつ又ときくたびごとにめづらしき庵」〈山道高彦の狂歌会の会日は十日〉
巴人集
徳和歌後万載
②400
①26
天明3年
1783/04/10
「郭公喧  山の手の山郭公やみくもになくやてつぺんかしましきまで」
「船聞郭公 海原にみゆるほとほとほとゝぎすてつへんかけてはしる追風」
巴人集②400天明3年
1783/04/
「旅宿郭公【小伝馬町、宿屋飯盛会】 開帳の本尊かけたかほとゝぎす浅草まくらむすぶね耳に」
〈宿屋飯盛の狂歌会の会日は十四日〉
巴人集②401天明3年
1783/04/14
「子規啼
 千花落尽蜀城西 雲樹蒼蒼望自斉 半夜風生山竹裂 高林露滴月華低
 閨中孀婦開鸞鏡 橋上行人駐馬蹄 誰解不如帰去恨 一時彷彿子規啼」
南畝集6
漢詩番号1178
③407天明4年
1784/04/
「駿台に子規を聴く 黄金台上起清風 駿去千秋名不空 唯有啼鵑老樹 一声髣髴夏雲中」南畝集8
漢詩番号1543
④17寛政1年
1789/04/
「宝泉寺に子規を聴く 守宮池冷古松低 桃李花飛不作蹊 麦浪如煙香閣下 緑陰深処子規啼」
【寺に守宮の池、千年の松有り】
南畝集8
漢詩番号1544
④17
「村雨の空もはれゆく暁にやまほとゝぎすふりいでてなく」巴人集
②439
享和4年
1804/05/
「裂皆入帰鳥 ほとゝぎす鳴つるかたにそへてやる心いくたび声をきくらん」巴人集②444文化1年
1804/
「卯月のはじめ郭公をきく 鎌倉の海のはつねもきかなくに山ほととぎす空に飛魚」をみなへし②25文化4年
1807/04/
「さつき四日のあした郭公をきゝて まちつけてきくもよか/\郭公をのがさつきのいつか/\と」千紅万紫①258文化5年?
1808/05/04
「郭公 ほとゝぎすなきつるあとにあきれたる後徳大寺の有明のかほ」
〈『蜀山百首』①308『清好帖』⑳359〉
あやめ草②70文化7年
1810/04/
「郭公の玉章といふものさぬきの国しら峯にあり。うたよめと人のいふに
 しら峰の山ほととぎすはま千鳥あとはなしともかよふ玉章」
あやめ草
千紅万紫
②70
①234
文化7年
1810/04/
「郭公 ほととぎす鳴くつる影はみえねどもきいた証拠は有明の月
    山の手のやまほととぎす折々は庭の木ずえにとなりてもなく」
放歌集
千紅万紫
②151
①242
文化8年
1811/04/
「郭公 朝めしの山ほとゝぎす山もりにほし大根汁かけたかとなく」放歌集②186文化9年
1812/04/
「卯月郭公 ◎(木+在)園当座 あやめさくさつきもまたぬほとゝぎす卯花くだしふり出てなく」六々集②237文化12年
1815/04/
「卯月廿六日、聖堂のかたになく郭公をはじめて聞て
 聖堂のてつぺんかけたかほとゝぎすなく一声をあれきけんとう(鬼犾頭)」
六々集②238文化12年
1815/04/26
「夏 いかほどにこらへてみても郭公なかねばならぬ村雨の空」
〈『清好帖』文政7年(1824/02/)⑳359参照〉
蜀山百首①308文化15年刊
1818/01/
「待郭公 もやもやと青葉にくもる夏景色めくらがみてもほととぎす空」
〈欄外注に「花禅の席上」とあり。佐々木花禅のもとで詠んだ狂歌であろう〉
万紫千紅①269文化年間
「卯月晦日の暁ほとゝぎすをきゝて 村雨の閏はあれどほとゝぎす卯月みそかとなのりがけたれ」紅梅集②366文政2年
1819/04/30
「卯月十四日の暁、郭公をききて まてしばし蛙もだまれ鴬の巣を出る時の鳥の一声」あやめ草②102文政5年
1822/04/14
「郭公 初更にほ二三更とゝ四更にき五更にすつとあくるしのゝめ」巴人集②457未詳
「郭公 みな人の聴耳たてるかど/\をほと/\とぎすおとづれてなく」
「月夜の郭公 傾城は啌(ウソ)を月夜のほとゝぎす夕辺も啼て客をかけたか」
巴人集拾遺②472未詳