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   名物編 【ほ】大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔名物編〕大田南畝関係
  【牡丹】(ぼたん)◯は欠字、◎は表示不能文字
詞書・漢詩・狂歌出典巻・頁年月日
「早夏、井玄里・関之輿・山士訓・島子諒(三字欠)松竜川と同じく染井の西原に遊び、休円の山荘に過りて牡丹を賞す
 欲向幽荘間牡丹 西原一路入林端 無辺戯蝶随葱杖 万種名花傍竹欄
 濃似芙蓉衣未製 艶如雲雨夢将残 賞心兼与風光好 況復同遊酔裏看」
南畝集2
漢詩番号0275
③95安永3年
1774/04/
「牡丹。真韻を得たり
 京洛豪華日夜新 遊蜂戯蝶趁佳人 詩篇謾擬謝康楽 濃艶争称楊太真
 宿露凝香籠錦障 軽風払檻隔紅塵 請看桃李成蹊後 一種名花別有」
南畝集4
漢詩番号0642
杏園詩集二
③224
⑥57
安永8年
1779/03/
「草堂、牡丹初めて開く。川伯温・滕伯慶・甥義方と同じく賦す
 春朝宿霧自霏微 檻外名花露未晞 濃艶催栽詞客賦 芬芳欲襲美人衣
 猫児日暖昏昏睡 胡蝶風軽片片飛 借問豪奢囲錦障 何如幽賞傍柴扉」
南畝集5
漢詩番号0927
③318安永10年
1781/03/
「西原に牡丹を看て伴忠順に寄す
 西原風色満柴荊 更逐群芳取次行 一径已残羊躑躅 千花新発牡丹坪
 露華映日凝仙掌 春檻移根向洛城 借問豪奢諸子弟 寧知元白有詩情」

〈元白は元稹と。白居易「白牡丹」〉
南畝集6
漢詩番号1178
③407天明4年
1784/03/18
「弥生十八日西が原といふ所にてふかみ草のさかりなるを見侍りて
 十分に花は咲けり三月の廿日草には二日たらねど」 〈天明5年刊『狂言鴬蛙集』所収〉
巴人集②465
「牡丹 十日づつ春と夏とに咲わけし花やどちらが色ふかみ草」狂歌才蔵集①41天明7年刊
1787/01/
「三月廿八日 牡丹
 東風吹日夜 桃李属春闌 幸有名花艶 能含宿露寒 竹間将水際 錦障又朱欄
 姚魏誇黄紫 何如白牡丹」

〈「杏園詩集三」⑥89にもあり〉
南畝集7
漢詩番号1445
遊娯詩草
③498
⑥291
天明8年
1788/03/28
「牡丹賛 錦帳深沈蔭玉欄 何如水際竹間看 満園紅白三春富 散尽千金到牡丹  南畝覃」南畝集12
漢詩番号2102
巴人集
④202
②444
享和2年
1802/02/
「牡丹   咲しよりうつらうつらと酒のみて花のもとにて廿日酔けり
 又    うつくしきながみ入のふかみ草露のぼたんをかけとこそみれ
 白牡丹 くれなゐのくるへる獅子の洞よりも又しら雲をはく牡丹かな」
をみなへし②13天明1年?
「暮春、十千亭主人と同じく西原に遊んで牡丹を看る
 行経駒谷入西原 日慕園丁欲掩門 中有名花如処女 天香国色露華繁」
南畝集8
漢詩番号1625
④46寛政2年
1790/03/
「感応寺の牡丹の花みにまかりしに、ふかみくさといふ五文字を上におきて歌よみける
 ふる寺の庭の木陰のふかみ草春の光をのがれてやさく
 かしこしな千ぐさの花のおほきみの名におふ花や法の大君
 みしや夢きゝしやうつつ花鳥の色音の後にさく廿日草
 くさぐさの草の中にも一枝のぼたにの花の色ぞゑならぬ
 さくらのみ花と思ひし目うつしにたぐひもなつの色ふかみ草」
をみなへし②24文化4年
1807/04/
「感応寺に牡丹を看る
 台山西北篠池潯 流眄新荷歩緑陰 孤塔影随昏黒隠 一庭閑入牡丹深
 睡猫無蝶纔開眼 栖鳥窺人已会心 何必天香兼国色 幽姿愛爾託祇林」
南畝集16
漢詩番号3059
⑤69
「西が原の牡丹見にまかりしに、ほとヽぎすいまだなかず
 ほとゝぎす四の五のいふてなかぬまに四五の二十の日数へし花」
をみなへし
千紅万紫
②34
①254
文化5年
1808/04/
「四月十日、独り西原に遊んで牡丹園を看るに、已に廃れたり
 西原一訪牡丹叢 零落残芳廃圃中 豈但桑田兼碧海 幻華曾記再為空」
南畝集18
漢詩番号3779
⑤284文化10年
1813/04/10
「牡丹 桃花落尽李花飛 昨日成蹊人自稀 別有深春木芍薬 不同凡卉争芳菲」
「又 京洛繁華競作風 姚黄魏紫奪天工 争如手印千花上 呼作楊家一捻紅」
南畝集19
漢詩番号4164-5
⑤392文化13年
1806/04/
「(四月三日、諸酒伴と同じく舟を深川に泛べ富岡に到る)永代時の後園の牡丹
 春夏清和始啓門 名花争発給孤園 得窺千百重羅網 不似尋常老瓦 風暖錦窠臨水際 日長裙屐破苔痕
 殷紅一本慈恩寺 敢許移花転本根」
南畝集20
漢詩番号4363
⑤450文化15年
1818/04/03
「大多喜侯の園中に牡丹有り。三百種に幾し。辛巳三月念三、寓目す
 多喜城高総海涯 侯園富貴属名花 妖桃穠李休相妬 国色曾来自浪華」
「其の二 浪華花気鬱勾欄 百種千名列牡丹 今日侯台有貴客 閑開狗竇容人看」〈松平正敬〉
「三月廿三日、舟を泛べて富岡の後園に遊び、牡丹を看る
 海寺園庭倚竹欄 緑陰揺動小池瀾 姚黄魏紫先零落 残雪猶余白牡丹」
〈姚黄・魏紫ともに牡丹の名。欧陽脩「洛陽牡丹記」〉
南畝集20
漢詩番号4593-4
4596
⑤517文政4年
1821/03/23
「牡丹 け衣にせざる紅紫の色ふかみ草春のはれぎぬ」あやめ草②101文政5年
1822/03/