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     人事編【こ】大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔人事編〕  大田南畝関係
  【恋】(こい)
詞書・詩歌出典巻・頁年月日
「初恋 鶺鴒の鳥のめでたき目づかひに尾を見つけたる色の道哉」
「忍恋 しのびてもききつけられんつつみおくめでたき物の袖にあまらば」
「不遇恋 あふことを命づなにてながらへばうけひかぬこそめでたかりけれ」
「後朝恋 うかれめの宵の口舌もあけがたに中なほりしてかへるめでたさ」
「遇不逢恋 あふてまたあはざる物のめでたきは女郎のはだと道の辻風」
「初逢恋 ひろからずまたせばからず香箱のふたりしつくりあふぞめでたき」
「旅恋 世はなさけ旅は道づれ出女もおじやれといへば来るぞめでたき」
「思 忍ぶれど色にいづるを見のがして物や思ふととはぬめでたさ」
めでた百首夷歌①81天明3年刊
1783/01/
「待恋 たたみ算おきてまつ夜はいたづらにあふみ表のうらかたぞうき」万載狂歌集①13天明3年刊
1783/01/
「歌合の中に不遇恋 まち針はたてながらこそくちにけれ身せばの小袖まへあはじとや」
「逢恋 煩悩の犬もありけば朧夜のぼうぼう眉にあふぞうれしき」万載狂歌集
巴人集
①13
②447
「別恋 おさらばといひしことばが耳のそこにのこりおほさよあかつきの空」
「後朝恋【万載集】 おさらばといひしことばが耳のそこにのこりおほさよあかつきの空」
①13
②446
「恋手習 ふたつもじ牛の角文字そのつのに似たるひとつのものぞ恋しき」巴人集②392天明3年
1783/02/
「早乙女恋【馬喰町ひしや会兼題】 早乙女の笠の下紐とかずとも露ばかりこそなびき玉笛」巴人集②406天明3年
1783/05/
「店者恋 店者の半切にかく千話文は伊勢や日向の物がたりかな」
〈「伊勢や日向の物語」とは「とりとめも無い話」という意味〉
巴人集②409天明3年
1783/05/
「寄玉子恋 おさらばとそむけし顔をむき王子きぬぎぬ糸のきるにきられず」
「別恋 おさらばとそむけし顔をむき玉子きぬぎぬ糸のきるにきられず」
〈『蜀山百首』①312・『清好帖』⑳377所収〉
巴人集
徳和歌後万載集
②411
①30
天明3年
1783/06/
「被妨仲人恋 相性もよし野の川の水をさすいもせの山のなかうどぞうき」巴人集
徳和歌後万載集
②412
①30
天明3年
1783/07/
「祈恋 かしは手のなる歟ならぬか一向に口をむすぶの神ぞつれなき」巴人集
徳和歌後万載集
②437
①30
天明4年
1784/02/
「寄水恋 我恋は天水桶の水なれや屋根よりたかきうき名にぞたつ」三保の松②507天明6年
1786/07/
「忘恋 ねがはくは君が小指の輪となりて朝な夕なに思ひ出させん」狂歌才蔵集①45天明7年刊
1787/01/
「初逢恋 初物は七十五日とはいへど逢夜はしぬる心地こそすれ」巴人集
②461
未詳
寛政10年?
「寄絵恋 ゑにかける女にこゝろ動きしといもがきゝなばさてや焼筆」巴人集②440文化1年
1804/05/
「忍待恋      さすが又まきの板戸も明やらでひとりしたうつ心くるしき
 同じ心を狂歌に はなのしたひそかにのべのつくづくしまちほうけたる身こそつらけれ」
放歌集
千紅万紫
②183
①257
文化9年
1812/03/
「忍人目恋 我恋は薬師の前の絵馬ならでしげき人目のめめめめめめめ」紅梅集②316文化14年
1815/12/
「恋十首
 千早振神も御存ない道をいつのまにかはよく教え鳥
 畳ざんおきてまつばの簪はあふみおもてのうらかたぞうき
 たたみこむ胸の思ひをいひかねてひねりしちりや山となるらん
 おさらばとそむけし顔をむき玉子きぬきぬいとのきるにきられず
 あなうなぎいづくの山のいもとせをさかれてのちに身をこがすとは
 をやまんとすれども雨の足しげく又もふみこむ恋のぬかるみ
 うづみ火のしたにさはらでやはらかにいひよらん言の葉烟草もがな
 灰吹の青かりしより見そめこしこころのたけもうちはたかばや
 あはまくは瓜のはたけにねもしなんとりつる履のうき名たつとも
 世の中にたえて女のなかりせばをとこの心のどけからまし」
蜀山百首
清好帖
①312⑳文化15年
1818/01/
「恋 ほつちりとひとり目をあくねやの戸のふし穴さへもつれなかりけり」紅梅集②371文政2年
1819/07/
「等思両人恋 片身づゝわけし思ひの中落はいづれかつほの骨つきもなし」をみなへし
巴人集拾遺
②8
②472
未詳