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コチコチと音を刻む機械式時計を手づくりしています。


動力は重りが糸を引く力です。ふりこ周期で歯車を同じ速さで回します。ベニア板をレーザーカットで切断して歯車を切り出します。オリジナル設計です。

糸巻き歯車に糸を巻きセットすると30時間程度駆動します。

製作キットの販売をしています。
ならし調節を行った完成品の販売もあります。

ギャラリー

Making t604M
4mm厚 4mm厚  2.5mm厚

22cm×30cm の大きさで 4mm厚が2枚、2.5mm厚が1枚 計3枚の シナベニア板に部材がレーザーカットで切り抜かれています。
指で押すとすぐにはずれます。


 裏板と表板に軸受け(スぺーサー)を差し込みます。
表板の文字盤中心は2軸が通りますので、大きな軸受け(素ぺーサー)を使います。




糸巻き軸の軸受けはレーザーカットの彫り込み穴にワッシャーの一部をニッパーで切って接着しておきます。
そのため、表板横の支え板は裏表を逆にしまして、彫り込みを入れるようにしました。


裏板に支柱を立て接着します。
時針軸歯車はアルミパイプに取り付けます(右)。分針軸から時針軸への伝達歯車もアルミパイプの軸に取り付けます。

  

表板裏側から、時針軸歯車を差し込み、さらに、分針軸から時針軸への伝達歯車を釘を使って固定します。
分針軸の10枚の歯車から伝達軸30枚の歯車で10/30=1/3に減速、さらに8枚の歯車から時針軸の32枚の歯車に伝わり、8/32=1/4に減速されます。
したがって、(1/3)×(1/4)=1/12となり、分針が12の12回転で時針が1回転することになります。
このとき、10+30=8+32となり、4枚の歯車が同一ピッチで作っても軸間が同じになります。
この問題を解くのに、苦労しましたが、時間の60進法というのは実にうまくできているのだなと感心させられました。
ちなみに、時刻あわせは、上の歯車を指でぐりぐりしてやると、長針短針が連動して動きます。





がんぎ車とアンクルの形状はcadでシミュレーションしながら決定しました。
アンクルの歯車への接触部分には、アルミ板を接着します。強力水性接着剤で金属も接着できます。固まるまで30分程度、輪ゴムでぐるぐる巻きにしておきます。




 歯車を組み立てます。
分針軸には小さな歯車を接着しますが、大きな歯車は接着剤は使用せず抵抗をもって軸を回転するように差し込むだけにします。これは、時針あわせの時、時針と分針が連動して動くするようにするための仕掛けです。
歯車は、軸に垂直に取り付けないとぶれが生じます。電動ドリルのチャックに歯車軸を取り付け、回転することにより正確な取り付けが確認できます。



ワッシャを入れて本体にくみ上げていきます。
最初、アンクルは取り付けないで、歯車が軽く回るようになるまで、空転させます。歯車のバリが削られてなめらかな回転になるまでぐんぐん回します。
糸巻き歯車を軽く回すと、ガンギ車がびゅんびゅん回るようになると、いよいよアンクルを組み入れます。



糸巻き歯車に、糸を巻き付けその先におもりを取り付けます。
糸は釣り用のPEラインを使います。大変細く丈夫です。軸に巻いたときかさばらないので同じ力で歯車を回します。ただし、細いので、軸の割れ目にくい込むことがあります。接着剤を表面まで入れておく必要があります。
おもりは、400g程度が適当です。さいしょの慣らし運転では、少し重い目のものをつけておくとよいでしょう。
おもりの重さによって、振り子の周期が少し変わります。重たくなれば、ふりこは遅くなります。意外な気がしますが、振り子の振幅が大きくなるためと考えます。








完成です。

しっかり毎日かわいがってやりましょう。チクタク チクタク とても几帳面な性格です。
でも、ほったらかしにすると、機嫌を損ねて止まってしまいますので、しっかりと見張ってやってください。

1日24時間で、1分以内の調整をめざしましょう。