俳句の勉強
平成20年の俳句の勉強会(1)
10月に投句した駄句が平成20年1月号に朗人選で「天為」に、4句載りました。
「秋暑しインク詰まるるモンブラン」
「宿坊の朱塗りの屋根や後の月」
「秋の蝶グリーン転がる玉追へり」
「油絵にコラージュさるる秋の蝶」
この他に「秋暑しゴッホの耳が気にかかり」を投句したが、入選しなかった。この句は某著名俳人に「「ゴッホの耳」の連想は面白い。秋は旨さと感じたのでよい。」と
であるが、ゴッホが自分の耳を切り落した事実を御存知の方は専門家でないと無理と思う。
アムステルダムのゴッホ美術館に耳に包帯をしたゴッホの自画像が貯蔵されている。小生はこの目で本物を見てきた。
1月の東京「天為」句会でこのことを同人の方に伺いましたところ、有馬先生は主観を交えた句は御取りにならないとのことでした。確かに句は読む人に連想して頂くもので、主観を入れてしまえばその句は面白みがない事になってしまいます。反省したい。
更に西村我尼吾先生選(先生が代わりました)の課題句(課題、夜長、蓑虫)ですが
[夜長には迷惑メール愉しめり]
例により準佳作に入りました。準佳作では駄目ですね!
それから1月の東京「天為」句会でつぎの句が入選致しました。
主宰入選句
「曙の鐘ケルン聖堂淑気満つ」
小生イタリヤ(ミラノ、フレンツェ、ローマ)出掛け、俳句と水彩画を書いて来ることにしてます。
11月に投句した駄句が平成20年2月号に朗人選で「天為」に、5句載りました。
「日昏にはますほの芒良く似合ひ」
「涌き水の小石呟く水澄めり」
「オカリナの音に親しめり夜半の月」
「高野山その全天に天の川」
「アンネ見し小さき夜空流れ星」
しかもその内の1句「アンネ見し小さき夜空流れ星」が◎で特選に選んで頂いた。これは春から縁起がいいわい。と相成りました。
残念ですが、有馬先生の注釈は載らなかった。
更に西村我尼吾先生選の課題句(課題、神の留守、麦蒔)ですが
[神の留守辛酸に入り屑篭に]
例により佳作に入りました。佳作では駄目ですね!まあ!良いとしよう。
それから、イタリヤ(ミラノ、フレンツェ、ローマ)出掛けましたが、その最初の2月の東京「天為」句会でつぎの句が入選致しました。
主宰入選句
「立春に賑はふ羅馬髑髏寺」
1月1回目の句会は
「差し向ひ匂ふ寒梅コップ酒」
御二方に取って頂いた。
「菩提寺の春の七草揃ひをり」
御一方に取って頂いた。
1月2回目の句会はイタリヤ出掛けたために出席しなかったが
「匂わねど匂ふ水墨水仙画」
御二方に取って頂いた。
「東の夕月すでに凍ててをり」
御一方に取って頂いた。
以上1月は天為に比べ寂しい限り、「東の夕月すでに凍ててをり」の句は某有名俳人に「鋭い」と評価された句であったが、先にも言ったが一抹の寂しさを覚える。
12月に投句した駄句が平成20年3月号に朗人選で「天為」に、4句載りました。
「木枯や走り根あまた行者道」
「魚見えぬ琅かんの湖冬に入る」
「冥府より戻りて座あり冬紅葉」
「数珠の無患子に託せして信心す」
更に西村我尼吾先生選の課題句(課題、枯野、冬至)ですが
[山の池葦陰ながき冬至かな]
例により準佳作に入りました。準佳作では駄目ですね!
少し残念であったが、小生の投句した1句はこの程度。
3月の東京「天為」句会で3句投句致しましたが3句とも入選致しました。その内の1句は主宰特選句に入りました。
主宰入選句2句
「風光る礼拝堂の天井画」
「松江春ハーン残せし望遠鏡」
次に主宰特選句は
「円柱のトロイア遥か春の星」
主宰の評は「有名なトロイ戦争の地トロイアに、円柱が建っていた。今、遺跡に円柱の跡が残っている。そのトロイアを遥かに望んで春の星を見ている。あるいは日本で春の星を見たときに、昔行った円柱のトロイアは遠くだなと思ったのかもしれません。」であり、このような事は二度とあるかなあ!!
2月1回目の句会は
「真実でなきが真実勿忘草(わすれなそ)」
の1句を御一方に
2月2回目の句会は
「ミラノから春のデザイン持ち帰り」
「春の日の礼拝堂の天井画」
其々御一方に、取って頂いた。
1月に投句した駄句が平成20年4月号に朗人選で「天為」に、3句載りました。
「東の夕月すでに凍ててをり」
「弥彦山枯れ一望の枯れすすむ」
「武蔵野の冬あたたかき泉かな」
今回は若干残念であったが載せて頂けなかった2句は確かに俳句にはなって居りませんでした。
更に西村我尼吾先生選の課題句(課題、賀状、水仙)ですが
[羅馬の色色が赫く賀状かな]
例により準佳作Tに入りました。準佳作Tでは駄目ですね!
少し残念であったが、小生の投句した1句はこの程度。
3月1回目の句会は
「風光る礼拝堂の天井画」
先生と御一方に取って頂いた。
「木の芽吹く青き手帳を開きけり」
これは先生のみに取って頂いた。
「松江春ハーン残せし望遠鏡」
御一方に取って頂いた。
「木の芽吹く青き手帳を開きけり」
御一方に取って頂いた。
4月の東京「天為」句会で3句投句致しましたが3句とも入選致しました。その内の1句は互選句に入りました。
主宰入選句2句
互選句
「風光るミケランジェロの青き床」
主宰入選句
「木の芽吹くベツキオ橋の露天商」
「骰子投げたルビコン川や水温む」
主宰が言われるには「骰子投げたルビコン川や水温む」は余りにも有名な事柄で、有名人の句があったような気がするので調べて見る事にしますという事であった。
有名人の句があれば、どなたであるか知りたい。小生もその有名人と同じ心境になったか。とか何とか言っちゃて!
3月2回目の句会は
「窯出しの彩色土器や木の芽和」
上の句は先生含め4名の方に取って戴いた。最高得点でした。
「喧嘩して風の子となる青柳」
「蝶々の旅路千里の命かな」
以上の2句は其々先生含め3名の方に取って戴いた。しかし、某有名俳人には問題点があった。小生もその問題点については理解できる。
暫らく振りで投句した銀座で出している「銀座百点」5月号の銀座俳句高橋睦郎撰で、小生の駄句が佳作に入りました。
「蒲公英の殖ゆる校舎よさようなら」
です。試みに高橋睦郎撰の1句は
「睦むとも諍へるとも囀れる」
勉強になります。
高橋睦郎先生の句は
「耕人に背き行人何いそぐ」であった。
2月に投句した駄句が平成20年5月号に朗人選で「天為」に、3句載りました。
「黒潮にタンカー蛇行菜の花忌」
「春光の射すアトリエのフェルメール」
「山上の湖の琅かん竹の秋」
今回は若干残念であったが載せて頂けなかった2句は確かに俳句にはなって居りませんでした。
更に西村我尼吾先生選の課題句(課題、立春、白菜)ですが
[白菜洗ふ妻後ろ髪義母に似て]
例により準佳作Uに入りました。準佳作Uでは駄目ですね!
またも少し残念であったが、小生の投句した1句はこの程度。
5月の東京「天為」句会で3句投句致しましたが2句とも入選致しました。その内の1句は二名の方に互選して頂きました。
主宰入選句2句
主宰入選句
「薫風やミケランジェロの青き画布」
「青き踏むダゴダに午後の日が廻り」
「薫風や・・・」の句は二名の方に互選して頂きました。
4月2回目の句会は
1回目は新年会でお休み
「筍の今日掘りたればけふの味」
これは先生を含め6名の方に取って戴いた。最高点でした。
「山門の利休の像と春惜しむ」
これは先生を含め3名の方に取って戴いた。
珍しいことも有るものだ。
3月に投句した駄句が平成20年6月号に朗人選で「天為」に、4句載りました。
「包帯がゴッホの耳に余寒あり」
「フレンツェ一望にして霞めたち」
「バチカンに黒衣をまとひ春を呼ぶ」
「スペインの外階段や朧月」
更に西村我尼吾先生選の課題句(課題、余寒、雛)ですが
[メドゥサの首石なるも余寒あり]
[システィーナ最後の裁き余寒かな]
何と「メドゥサの首・・」の句は入選5名の中に、「システィーナ最後・・」の句は佳作17名の中に入りました。
更に撰後評に両者とも載せて頂きました。その内容を記述致しますと
「余寒と人生の感慨」として「システィーナ最後・・」の句が、「余寒の感じ方」として、小生の句が「メドゥサの首石を見れば石になる。石にはならなかったが「ゾッ」とした余寒の実感が残った。
それから主宰が言われた「骰子投げたルビコン川や水温む」は余りにも有名な事柄で、有名人の句があったような気がするので調べて見る事にしますという事であった。
しかし、有名人の句はなかったようです。そのためか知らないが、6月号の入選句の一番先頭に記載されていた。
5月1回目の句会は
「天為」とは反対に惨憺たるもので、
「つばくろめ老人ホームに巣を作り」
「穴を出て行脚曲折の更衣かな」
の2句で前者は先生御一方に、後者は御一方に取って戴く程度。
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